らんかみち

童話から老話まで

公募の達人を目指して

2009年03月31日 | 童話
 コーヒー屋さんの公募にエッセイを送ったら、とりあえず参加賞! みたいなドリップコーヒーのサンプルが送られてきました。カップにセットして一杯ずつ淹れるタイプですが、結構おいしいんでスーパーに買いに走りました。
 淹れてみて、うんうん、やっぱりそこそこいけると銘柄を見たら、送られてきたメーカーのライバル商品でした。
 
 いつも思うんですが、童話やエッセイを企業が募ってどれほどのメリットがあるんでしょう。F1レースを戦っても費用対効果は赤字だと判断したからホンダは撤退したですよね。同じことが童話公募でも起きていて、生命保険会社やサラ金などの主催する公募がこの1年でずいぶん減ってしまったような印象を受けます。
 
 企業も慈善事業で童話を募って出版しているわけじゃなし、知名度アップに貢献しないと考えたら真っ先に切り捨てるのも止むを得ません。いくら善人面をさげて「子どもたちの未来のために」などとイメージアップを図っても所詮は高利貸しのやっていること、などと言ったらそれまで。採用されるか否かは正にこのイメージアップという一点にかかっているわけで、自分を殺してもそれに応えられる文章を書けないで入選するはずもありませ。
 いくら名文でもサラ金批判をしてサラ金が採用してくれるはずかないのに、それに近いことをやってきたんです。公募の達人への道はまだまだ遠い。

島民は怒っているぞ

2009年03月30日 | 暮らしの落とし穴
高速1000円どこ行きたい? どうせなら「限界まで」 (河北新報) - goo ニュース

 はいそうですか、よござんしたねと、ETCを付けて無いぼくとしてはこの際、意地でも高速を使わん。などとすねておりますが、選挙対策で開始されたこの一見するとお得な制度の裏には、大きな落とし穴があるんです。
 例えばしまなみ海道はすでに昨年から休日割引が適用されていて、これが大きな波紋を広げています。

 たしかに本四架橋は瀬戸内沿岸住民の悲願ではあったし、橋の開通で船とは比べ物にならない利便性を享受させていただいてます。といってもそれは車を持っている人だけに限っているわけで、そうでない人は今まで通り船に乗りたい場面だってあるんです。
 例えば今治-大島間ならフェリーで25分の所要時間で、30分に一本の便が運行されてきました。時間のたっぷりあるお年寄りにはそれで十分だったのに、最近は燃油高騰のせいもあって、間引き運行を余儀なくされて不便になりました。
 今回の2年限定割引で、フェリーは「毎日特別割引」の運賃設定で対抗してます。軽自動車なら580円、普通車780円、中型車980円ですが、こんな値段でやっていけるなら、橋の開通時に補償を手に入れておきながら、なぜ今までやってこなかった? どんだけ儲けとるんじゃ!

 まあその点は腹が立つけど、フェリー会社は2年もつでしょうか。同情を禁じえないというより、フェリーが無くなったらどうなるんでしょう。すでにいくつかのフェリー航路が橋に対抗できず廃止の憂き目に遭い、そこの島民たちは車での移動に頼らざるを得なくなってます。おじいちゃんおばあちゃんが、気軽に隣の島まで、ちょっと今治の病院へ、というわけにはいかなくなったんです。
 架橋によってかえって低下した利便性にあえぎ、「島民の足を奪った橋に、なんで通行料を払わにゃならん!」と、我々は怒っているんです。これが「島民の通行料完全無料化論」の根拠であり、感情のバックグラウンドでしょう。
 
 問題はそれだけではありません。橋を通る歩行者は無料ですが、自転車は土日祝もきっちり200円徴収されます。こちらがだまっていれば「ありがとう」も言わず領収証も発行しないばかりか、平日の昼間は収受員すら不在のくせに「不払いは犯罪だ」みたいなせりふを掲げてます。
 税金で建設された橋なら、料金を徴収するのは権利じゃなく、徴収する義務もあるんじゃないでしょうか。だったら赤字でも収受員を置くべきでしょう。それがいやなら自転車なんか完全無料化よ。そしたら自転車で観光する人だって増え、地域経済に貢献すること請け合い。
 
 フェリーにも問題はあります。軽自動車で4人が同乗したら一人頭145円ですが、歩きで乗ったら一人320円かかり、自転車で乗ると410円とられ、原付バイクはなんと500円(橋は200円)という、自らでねじれかかった料金設定。これじゃあ車で乗らないと損をした気分になってしまいます。
 ETCの無いぼくとしてはそれでも甘受できますが、無駄に車を動かすのはエコ精神に反するようで精神衛生によろしくない。いや、メタボ対策精神に反しているようで、健康面でもよろしくない。
 いまさら橋を返しますとは言えるわけないけど、次の政権にはこの歪をなんとか正してもらいたいです。

タイラギ漁の恐怖

2009年03月29日 | 酒、食
 海の幸に命をつないでもらっているぼくですので、今日は潮干狩りに行きました。地元の人が大勢干潟に出て一心に掘り返しているのはマテ貝。貝の巣穴に塩を一振りして待つこと数秒、「からいやんけ!」と、貝が怒って飛び出したところをつまんで引き抜くという独特の漁が楽しいんです。
 そこへ軽装のぼくが行ったものだから、「あんた、何を獲りに来たの」と聞かれ、「マテ貝以外のもの」と答えたのは本当です。
 
 ネットでマテ貝を検索するといろんな料理が紹介されていて、そのうちのいくつかを試しては見たけどだまされました。あれって美味いのかな? 独特の臭みはまだ持ち味と認めても、ミミズに擬態したような姿が臭みに輪をかけて、目をつぶってでないと食べられない。いやむしろ目をつぶったればこそ、想像力にいっそうの拍車がかかっていけません。
 
 潮干狩りといえばアサリですが、もう数十年前から獲れなくなりました。水質悪化、里山の荒廃、天敵であるツメタ貝の発生、マテ貝の隆盛、水温の上昇、乱獲。原因はいろいろあれど、突き詰めれば人間の営みにつながるのだけは想像に難くありません。
 
 そういうわけで、ぼくの狙いはタイラギ貝と、赤ニシと呼ばれるサザエみたいな巻貝です。写真はそのタイラギ貝の収穫で、大きいのは30cmほどあります。ホタテのように貝柱を食べるんですが、ホタテより淡白なので刺身が一番。次がカルパッチョでしょうか。バター炒めならホタテに軍配があがるでしょう。
 ところがこの貝なかなかの強敵で、ぼくもこやつらの逆襲に遭ったのです。貝殻の口の部分がカミソリのように良く切れて、貝柱を切るときに指まで切断しそうになりました。海の幸は時として牙をむくこともあるのだと、血だらけの指を見て確信したのです。

徳利の成れの果て

2009年03月27日 | 暮らしの落とし穴
 ローズフェアで販売するための徳利を作ろうとがんばったものの、一個たりともできません。「柄こて」という棒をシリンダーの中に突っ込んで徳利のお腹をメタボにすやり方なら、なんとか形にはなるけど、そういう手法を目指してないんです。だってそれだと両手が必要になるから。
 
 先日、陶芸は片手でもできると書いたので、これを何とか徳利で実現させたいわけですが、Youtubeにそんな動画がありました。インドの陶芸家が小さな徳利状の物を片手で作っているじゃないですか。宗教行事で使う法具か何かで、右手は不浄の手だから使えない、みたいな理由でもあるのかな、と思って何度も見たけど、単に小さいからというだけのようです。
 
 徳利を作るだけなら型にはめて半分を作り、もう半分と合体するやり方もあります。ひも状の粘土を積み重ねてもできるだろうし、巨大な壺を作るには、それをたたきながらやるのだとか。なにもろくろにこだわることはないんです。でもせっかく1台余っているんだし、ろくろが回せたらかっこいいじゃないですか。それなのに今は「徳利の成れの果ての湯のみ」しかできないんです。
 
 思うに陶芸ほど多彩なアプローチのある工芸って他にあるでしょうか。例えばバイオリン作りと比べてみると、安物は板をプレスして表板と裏板を作るやりかたもあるし、厚い板をフライス盤のような機械で荒削りをやり、後はカンナをかけて仕上げるやり方もあります。でも結局は400年前のやり方以上のことはできないんですね。

 土をこねて焼くのは4000年前にもやっていたことでしょうが、今では電気窯、プロパンガス窯、灯油窯もあるし、焼成に至るまでの成型の工程も機械化され、絵付けも印刷でき、工房は工場に進化しました。そういう品が良くできてはいても満足できないから、ローズフェアに並ぶアマチュア陶芸家の作品が売れるんでしょう。
「これは片手で作ったんですよ」
「へぇ~、すごいですね、ひとつ買いましょう」
 みたいなことは目論んでないけど、手作りにこめられた「気持ち」という付加価値を買っていただきたいんです。

釣り船にもあるエンブレム

2009年03月25日 | 社会
 車にあるように、エンブレムというものが釣り船にもあるのを知っている人は、そう多くないのでは。恥ずかしながらつい最近までぼくも知らなかった。写真のクルクル模様がそれで、この船を作った造船所がどこだか分かるのだと、地元の漁師は言います。
 
 船のペンキを塗っていたら地元の漁師がやってきて「せめて2色は塗り分けろ」というので、船内を青、船外を白に塗ったところ、別のかたが「ラインを引かないと格好が悪いのう」などとアドバイスをくれては帰ります。
 余計なペンキがいるし面倒だけど、とりあえずラインを入れてみると、なるほど、ボロ舟が精悍に見えてきました。
 
 これで後は進水式の前日に船底塗料を塗ったらOK、と思っているところへ「船には意匠というものがあるんよ」と、また別のかたが言います。
「意匠? どれのことですか」
「船主にある錨のロープを出す辺りに描いてるじゃない」
「あのシャチの目みたいなやつ?」
「そう、あれはヤンマーで、隣の船はヤマハ製ね」
 知らなかったな~! そういえばなんか唐草模様みたいなのが釣り船には描いてあるけど何だろうとは思ってたものの、あれがメルセデスベンツの「スリーポインテッド・スター」当たるものだとはねぇ。
 
 改めて港の船を観察するに、唐草模様に赤い花が咲いているようなのは、船によって微妙に違ってはいても、同じ文様の釣り船が何艘かあります。なんともレトロなトレードマークですが、はっきり区別ができ、これがエンブレムか!
 そうと分かれば描かずにはおれません。残像のように薄っすらと残っている彫り跡を頼りにペイントしてみました。なぞるだけでは芸が無いので、原型には無いハートマークの追加で自己主張をしてみたところ、漁師たちの失笑を買ってしまいました。
 
 この船を建造した造船所は今も小型の釣り船から大型の游漁船を建造していますが、さすがに唐草模様は描いていないようです。思うに、船大工と呼ばれていた昔の職人さんは、遊び心と芸術的感性の表現として自らの意匠を船に彫り込んだのではないでしょうか。今の時代は設計と現場の製造がそれぞれ専門が分担して1隻の船を作るんでしょうから、「俺の作った船じゃ」みたいな、焼印を押すような慣習は廃れたに違いありません。無機質で味気ないといえばそうですね。

優勝に水を差してみる

2009年03月24日 | 社会
 イチローの決勝打の場面。あそこは素人のぼくが見ても、歩かせるんだろう、それか、ぎりぎりのボール玉で責めて結果として四球に違いないと思ったほどだから、だれもが意外に思う当たっているイチローとの勝負は、でも韓国バッテリー、監督、全選手にとってあの選択肢しかなかったのでしょう。
 もしもイチローとの勝負から逃げてなおかつ点が入ったら、お国に帰ってどんな世論が待っていることやら。勝ったら兵役免除、負けたら召集令状でもないだろうけど、野球ファンからのみならず社会的な制裁を受けるは必至。いうなら、五輪覇者のプライドが裏目に出た一瞬だったでしょうか。
 
 それにしても韓国は大リーガーが少ないのに、なんであんなに強いのか。福士、新浦といった日本球界でピークを過ぎた選手が韓国球界で活躍したのはついこの間のような気がするのに……。
 同じ思いで見るのは囲碁界での韓国勢の台頭でしょう。世界戦が開催されたら優勝するのはおおむね韓国で、次に中国、そして日本。これをかつて囲碁大国であった日本の凋落と見るか、それとも後進国の成長と見るか。たぶん両方なんでしょう。
 盛者必衰とまで言うつもりはないけど、国が安定し文化が爛熟すると、伝統や因習といったものが成長にブレーキをかける。言い換えれば利権の主張、既得権益への執着、不正の横行などなど欲望と希望の狭間で、先人の築き上げた理想は侵食されていくのか。
 
 かつて高みを目指して野球を世界に流布したアメリカ球界の現状はどうでしょう。各球団の有力選手が外国出身というのもあるかしれないけど、本気でWBCに臨んでいるとは到底思えないメンバーで戦ったのをどう見るか。
 もっともアメリカがドリームチームを結成したからといって、WBCで勝てる保障も無いほどアジア勢は強くなった。
 日本球界に失望してナイター中継を観なくなったぼくですが、WBCを観た後ではメジャーリーグの試合もかすむんでしょうね。すばらしいシリーズでした。

撃ち落した後の反応はいかに

2009年03月23日 | 社会
米イージス艦、青森入港 北朝鮮ミサイル発射警戒か(朝日新聞) - goo ニュース

 麻生さんは北朝鮮の「人工衛星」と主張する飛翔体を撃ち落す指示を出したとか。撃ち落せたらこの不況下で鬱屈した民衆の溜飲は下がり、支持率アップも見込めるでしょうか。しかし大方の予想では「命中させるのはまだ難しいだろう」と言われているようですね。そりゃそうでしょう、どこに飛ぶか発射する側も分からないんだし。さらに北朝鮮の反応は「やめておいたら」と、お祖父さんの吉田茂邸を焼いて見せた、などというのは下衆の勘ぐりでしょう。
 
 イランはテポドンの技術で人工衛星を打ち上げることに成功したようですから、テポドンはもう日本のみならずアメリカにとっても脅威。撃ち落す練習として、今回の人工衛星発射は願っても無いチャンスで、麻生さんは露払いを買って出たと、ひねくれた見方をする人もいるようです。
 前回のテポドン発射後も人工衛星と主張し、事実ミサイルの弾頭部分にはサッカーボール状の物体が設置されていた、というより本物のサッカーボールだったという説もあるくらい、周到な計算の元にテポドンは打ち上げられたとか。
 
 したたかでけんか腰の北朝鮮外交に振り回されてばかりの日米韓ですが、金正日首領様の病変で外交官の亡命が増えているそうだから、日本の首相もそういう人をスカウトしてブレインに加えたらどうでしょう。
 それはともかく、首領様の劇やせぶりはどうよ! ぼくもメタボ講習会が終了した時点で2kg程度はやせたんですが、あれほどのやせ方には遠く及びません。北朝鮮の指導部は恐るべし。

今宵も深夜食堂に物申す

2009年03月21日 | 酒、食
 ビッグコミックオリジナルの「深夜食堂」。今回はインド人の男がカレーうどんにハマる話。
 イタリア人にスパゲッティを講釈する御仁がインド人にカレーうどんを奢って、どや、うまいやろ? というのが発端なんだけど、この時点で減点3。インド人にカレーうどんがカレーであると認識できるかどうか、よしんばできたとして、カレーの尊厳を貶めた、とならないのでしょうか。
 
 以前、長崎出身の男と大阪のインド料理店で飲んだりしてましたが、その店のオーナーシェフが、インド人のくせに長崎男より口のよく回る人で、「初めて日本のカレーライスを食べたとき、カレーに似ているけど、なんという食べ物だろう?」と思ったそうです。カレーだと聞かされても、経済大国の日本人がこんな貧しいカレーを食べているなんて、と信じられない思いだったとか。
 
 次なる減点は、「メンガ、イマイチデスネ」みたいなインド人の感想に、「聞き捨てならんがです」と、讃岐出身のスナックのママさんが怒ります。「おいが今から本物の讃岐うどんを打っちゃるぜよ。(讃岐言葉を知らないので、高知言葉もどきで代用)マスター、うどん粉を出しちゅう」」
 うどんが讃岐人の矜持であるかどうかは別として、同じ中力粉だからといって、お好み焼きや天ぷら粉を手打ちうどん粉の代用にはできません。手打ち、機械打ち、どちらも厳密なブレンドがなされていてこそ美味しいうどんに打ち上がるんです。これによりマイナス3ポイント。
 
 それにね、蕎麦なら30分で打てても、うどんを打つのには少なくとも2時間は必要なんです。塩水が小麦粉のたんぱく質を変性させて繋がるまでに1時間半はかかるんです。短縮しようと思えば電子レンジを使う手もありますが、打ちながらにして既にノビた麺になりそうで、ぼくはやったことないです。
 そんな荒業を使っても麺を切り終えるまでに1時間は十分かかるはず。深夜の食堂で酔っ払ってできるもんじゃないです。ここで更に減点3。
 そもそもカレーうどんに讃岐うどんの麺は合わないように思います。名古屋の味噌煮込みうどんのように、無塩でカチカチに打ち上げた麺をカレーとともに煮込み、フォルテッシモなアルデンテで粉っぽさを楽しむのがベターではないでしょうか。

 今回の深夜食堂の設定で素人は納得させられるかしらないけど、讃岐人のお許しは出ないかもしれませんが、話のオチはライトなロマンスで納得? ママさんの打ってくれたうどんを食べて感動したインド人男性とママさんのその後。「二人は結婚してインドでカレーうどんの店をやってるよ」って、カレーうどんがインド人に受け入れられるとはねぇ……。でも残りの1ポイントだけで読み手の心が潤うから、今回も及第点ですね。

関西人は、焼き鳥の味が分からんのか

2009年03月20日 | 酒、食
 親戚が関西方面からやって来て「今治の焼き鳥屋で美味しい店を教えてくれ」と懇願するので、関西風の焼き鳥屋を教えてあげました。今ごろはさぞかし「うまいうまい」と感動していることでしょう、ざまあみろ。
 底意地の悪い男と思われてもしれませんが、「そんなもの食うより、西屋の焼豚とせんざんきを食べている方がありがたいよ」と断って、なおかつ忠告を聞いてくれないのだからやむを得ません。
 
 島には「小原ハム」の精肉工場と「西屋」の肉店があって、それぞれ隠れたブランドといって差し支えないでしょう。たとえば「大阪-九州」航路のフェリーに乗ったら「小原ハムあります」なんて看板がレストランにあったりします。また、西屋の焼豚というのは正真正銘のローストポークです。といったら「他はそうじゃないのか?」といわれそうですが、チャーシューという名で売られているのは、たいがい煮豚なんですね。
 
 小原ハムや西屋の、焼豚、せんざんきですが、もったいぶったコピーをつけてネットで売り出したら売れるでしょうか。まず無理でしょうね。それは関西で美味い焼き鳥を食っていながら、わざわざ今治くんだりまでやって来て、いうなれば粗野な焼き鳥を食いたがる人が多いことを考えたら理解できるでしょう。
 でも有名人、例えば地元出身の村上ショージさんに「焼き豚は西屋に限る」とでも言わせたなら状況は一変するでしょう。

 ただ、島田紳助さんに「エクレアがどうのこうの」と言ってもらうのと同じで、費用対効果の問題があります。いくら頑張っても家内工業製品ですから元は取れそうもありません。仮に村上ショージさんが無料で言ってやるといってもお断りしてほしいです。美味いもんがぼくたちの口に入らなくなると困りますもん。

三位一体の治療どころか、な~にも効いてないけど

2009年03月19日 | 暮らしの落とし穴
 つづき
 
 あんま屋さんを目指して歩いた、というのは血行を良くするためであって、いうなれば準備運動、魚をさばく前のウロコ取りみたいなつもりだったんです。ところが、あんまの先生いわく「あんた、汗かいているじゃないか」
 どうやら汗をかいて施術のベッドに寝そべるもんじゃないようで、運動、内服薬、あんまの三位一体の治療を目指したのに、のっけからつまづいた格好となりました。
 
「あんた、よう凝ってるな……うむ、だんだんほぐれてきたよ」
 実際、ほぐれてきたのは自分でも分かるんですが、思ったよりソフトタッチのマッサージだったのには驚きました。じゃあテレビなんかで「イテテテ~、これは効く~ぅ」なんてやってるのは一体なんなんでしょう。「たぶん初めてに人には強くしないと思うよ」と、紹介してくれた方の言うとおり、ビギナー向けかもしれません。
 
 知り合いにモミーちゃん(仮名)という女の子がいて、「人間の体って不思議ですよね、揉んでいるうちに変化するんですよ」というので、うんうん分かる分かる、すぐに変化するよね、でもこの子そんなにウブだったとは。などと相槌を打ちながら聞いていて、ついに「私は真っ当なマッサージ師です!」とプッツンされました。
 そりゃ確かにあられもない姿を妄想してはおりましたが、そんなに怒ることでもなかろうに、とフォローはしたものの続きは聞けませんでした。
 
 彼女の言いたかったのがどういうことか分かりませんが、肩が凝っているいるのに腕まで揉まれるから、腕と歯茎が腫れたのと関係あるのかと聞いたら「歯が痛くなるのは腕からなんですよ。歯医者はそんなことあり得ないって言いますがね」と、わが意を得たり! の返答が聞けました。
「最後に針も打っておきましょうね、これで明日には痛みがとれているはず」
 と首筋に数針打ってくれたんですが、今日になっても痛みと腫れと肩凝りは、憑いたままじゃありませんか。
 
「あんま手離れ、針三日と申しまして、明日は揉み戻しがきて、さらに針が効き始めるのは三日後でしょうね」と、紹介してくれた人の言葉ですが、それって薬が聞いたのか、あんまが効いたのか、それとも針か、はたまた歩いたのが効いたのか分からん。三位一体どころか、まだな~んにも効いてません。