らんかみち

童話から老話まで

まさか心霊現象では?

2007年08月31日 | 暮らしの落とし穴
 解明できない白い何モノかの存在はさて置き、他にも変な事は限りなく起きる。例えば、金魚を飼っているんだけど、ぼくが「窓際ではさぞ暑かろうな、お前たち」と言って、ダンボール紙の切れ端で影を作ってやったら、何時間か経つとそのダンボール紙が倒れている。何度やって同じ現象が起きるので、母の仕業に違いないと思ったのだが、母は知らないと言う。
 
 それだけではないのだ。他にも不可解な事案が頻発する。やたらとワン切り電話が鳴るが、電話番号は出ないし、長く鳴る電話に出たら商品の勧誘だ。
 
 名前を名乗らないお婆ちゃんからの電話が多くて難儀する。どなたか分からない人が、何かを玄関に置いて立ち去っていく。冷蔵庫に入れてあったはずのビールが無い(これは後にぼく自身の仕業と判明した)などと、もはや心霊現象としか考えられなくなったぼくなのだ。

田舎の夜に現れるのは何者?_

2007年08月30日 | 暮らしの落とし穴
 田舎に住んでいると色々と不思議なことがある。ゴミの分別がやたらと複雑なこととか、農協と役場が無線放送を共同で使用し、朝も早くからぼくには良く分からないお知らせが無線で叫ばれることなど。
 
 しかしそんな中で最も不可解なのは、応接間でガラス戸を閉めてテレビなどを観ていると、夜中に必ず何者かがガラス戸の向こうを横切る影が見えるということ。
 こんな田舎だから、近所の人が無遠慮に上がりこんでくることはある。だがそれなら一言くらい挨拶はあるだろう。しかしあの影は言葉を発しないのだ。
 
 やっぱり何かあるな、と思う。お盆にも親父の墓参りさえしなかったし、つい先日亡くなった叔母さんの墓参りもしていない。そりゃ罰当たりなぼくだけど、それなら夢にでも現れてそれなりにお咎めがありそうなもんだが、違う。
 今夜もあの影は現れるのだろうか。もっとも、その頃にはぼくはたぶん酔っ払っているのだけど。

海神様の御触れか、島に住む戸惑い

2007年08月29日 | PC WEB
 ネットには繋がったものの、どう考えても遅すぎるので、よくよく調べたらぼくの勘違いで、実態は昨日書いた20Mbpsの千分の一の20Kbpsという遅さだった。そうだろうと思うと同時に、何で? と、いくらのんびりした田舎に帰ってきたぼくでも思った。
 
 配線に誤りは無い。パソコンやモデムなどの周辺機器にも問題は無さそうだ。まさかISDNと間違えて申し込んだ? そんな馬鹿なことはいくらなんでもありえない。すると、元々ある宅内の電話線に問題があるに違いない、と結論を出した。
 
 そこで、屋外から来ている線に直接つないだら、案の定5Mbpsの常識的なスピードが出るではないか。
 う~ん、こりゃあクソ暑い中、宅内の配線を変える必要があるな、と呆然としていたが、ふとしたことでモデムとパソコンの間をつなぐケーブルを持ち上げたら、普通に使えるのだ。ところが床に戻すとまた使えなくなるのだ。
 何度やっても同じ現象を再現できる。配線の接触不良とかではなく、床に線を這わせるという行為そのものを、まるで罰当たり者として咎めるかのようだ。
 
 結局ぼくには原因を突き止めることができなかった。しかし対策はできたので、この辺りはブラックホールでもあるんだ、と見てみぬ振りをして済ませることにした。
 
 島生活はまだ始まったばかりだが、早くも「海神様」の洗礼を浴びる格好となった。この先ぼくにどんな困難が待ち受けているんだろう。うすうすは予見しているのだが、怖くて具体的に考えるのはもう少し後回しにしたいと思う。

田舎の人の、のんびり顔に緊張

2007年08月28日 | 社会
 田舎に帰って来て、ようやくブロードバンドに接続できたものの、遅い! いや、スピード測定したら、前に使っていた光の半分の20Mb/sもADSLで出ているんだから、快適な方なのかも。でも5年も前のノートパソコンではそのスピードを活かしきることができないのか。
 
 ゆっくりなのは、何もインターネットばかりではありません。免許証の住所変更をお願いした駐在さんもゆっくりしていました。
 そればかりでなく、彼はなんとなく「はんなり」した感じで、俳優にしたいくらいのハンサムな優男だったのですが、
「この男、どっかで見たような……。まさか同窓生ってことないよな……」
と、心の中でそうつぶやくぼくですが、正直なところ、よほど印象的な同級生でないと、30年ぶりに会ったっら分からないと思います。
 
 役所に諸手続きに行っても、郵便局に行っても、スーパーに行っても同じように、はんなり、ゆっくりした印象を受ける人がいるんです。
 まあもっとも、うちの田舎の人ってそれなりの特徴があるのかもしれません。それはたぶん同郷の人にしか分からないような、ほんの些細な印象なのでしょうが……。

 大阪に住んでいたら考えもしないようなところに田舎を感じてしまう。そんなことで、ああ、田舎に帰ってきたんだ! と、しみじみ実感するぼくなのでした。

霧と共に去りぬ

2007年08月24日 | 暮らしの落とし穴
 洗濯機や電子レンジを場末のマスターが引き取りに来て「飲みに行こう」と誘ってくれたのですが、それどころではありません。最後にインターネットの機材を返送する作業も残っているし、空っぽになった部屋で独り考えたいこともあるのです。
 
 最後の締めくくりに近くのスーパーで宅急便の発送をお願いしたら、いつも何やかやと声をかけてくるレジのおばちゃんが応対してくれました。
「今日も暑いね。これ、どこに送るの? え、静岡ってどこ? 私って地理に弱いからぁ」
「静岡は名古屋の向こうで、日本一長い県ですやんか」
「名古屋ってどこう?」
「名古屋は京都の向こうですやん。今じゃ大阪を凌ぐ都会でっせ」
「ふ~ん、京都って……」
と、レジをほったらかして延々とぼくをおちょくってくれるので、一つになってしまったレジにはお客さんのイライラした列が……。

 発送伝票には旧の住所を書きました。おばちゃんがじっと見ているので、現在の住所を書きそびれてしまったんです。何でと言われても、「そういえばこの頃あいつの姿を見かけヘンな」と、いつの間にか霧が晴れるようにいなくなってしまいたいからです。
 
 19時ころに鍵を返却すればいいので、暗くなった部屋で独り瞑想に耽ろうと、カーテンの無くなった窓に向かって座りました。
「……って、痒いやんけ!」
 カーテンが無くなると蚊が団体で押し寄せてきたのでした。その数が余りにも多いので、予定を30分ほど繰り上げて部屋を退散しようと最後の点検をしたら、
「ま、まだこんなものが残ってるやんか!」
 水道の蛇口に付けた洗濯機用の継ぎ手がそのままだったんです。
 
「忘れ物があったら処分費用を請求させていただきます」
 先日の立会い査定で脅されるまでも無く、ぼくが住んでいた跡形も無いようにして出て行きたいのです。ですがそれを取り去るには、せっかくキチキチに詰め込んだスーツケースを再び展開しなくてはいけなかったのです。
 
 そんなわけで予定通りの出発になったのですが、かなり余裕をみていたのでこうしてフェリーの待合室で日記を書いています。すると、あそこの飲み屋に挨拶してないな、こっちの飲み屋にも声をかけてないな、と不義理ばかりやらかしているのを思い出してしまいました。
 まあそのうちぼくのことなんか思い出すこともなくなるでしょうが、たまに思い出したら、「あいつ、霧と共に消えてしまったのかな」と、蒸発したとでも思ってくれたら幸いです。

最後の童話講座で総括されました

2007年08月23日 | 童話
 現役の童話作家に3年も教鞭をとっていただきながら、未だかつて入選することが叶わず、逃げるようにして講座を退会して田舎に蟄居するのも不本意ですが、「時運われに利あらず……」ってこともあるわな、と自分を諭すようにして最後の童話講座に臨みました。
 
 合評作品は二点で、一作目は戦争体験を皮切りに、「街」をテーマにした二枚のエッセイです。
 堺市に生まれた「私」は、物心付いた頃に爆撃を経験し、焦土からの復興と爛熟を経て、衰退の今に至るまでを、自身の経験を語ることによって象徴的に謳い上げた作品でした。それは確かに示唆に富んでいて感動的ではあるんですが、読み手である我々が、たまたま作者の時間と場所にオーバーラップしているからこその反応かも知れません。つまり普遍性を欠いていそうで、世代も境遇も違う読み手を、「うんうん、そうだよな、分かる分かる!」と唸らせようとすると厳しいものがありそうでした。
 
 次はぼくのホラー作品でしたが、「え! これってホラーなの?」と、普遍性どころか「不燃性」の作品と断罪されました。もう一つのぼくの中途半端な作品も槍玉に挙げられたのですが、そちらも直すべき部分をどっさり指摘されました。
 まあそうは言っても、童話を書き始めた3年前は箸にも棒にもかからないものを書いていたのですから、合評して下さる皆さんにも苦労をおかけしたと思います。そのことを考えればずいぶんと成長しているのでしょうか。
 
 最後に皆さんとお茶を飲みながら別れを惜しんだのですが、今頃になって「え、そうだったの!」と、案外お互いを良く知ってなかったことに思いが至りました。
 人間って自分を表現するのは難しいです。ひと月に2回も会っていながらそうなのですから、見ず知らずの人に童話作品を読んでもらって思いを伝えようとすると至難です。素敵な文章を書こうと思う前に、先ずは分かり良い文章を心がけないといけないのです。3年間の修行で、それがやっと身に沁みて理解できたひと時でした。

団地でペットを飼う犯罪

2007年08月22日 | 暮らしの落とし穴
 引越しも滞りつつ終了して、ついに昨日で手続きの面もクリアしたのですが、敷金は補修費用に充当されるので、少しばかりの返金があるだけらしいです。
 部屋の明け渡しに関して立会い査定をされるんですが、はなっから無駄になりそうな備品(電球の傘)を失っているとかで5000円、エアコン取り付けの穴を塞ぐ蓋5000円、ガス水道の蓋5000円、ふすまの穴開き、等などで合計60000円も差し引かれたんです。
 
 UR都市機構さんには少なからず言いたいことはあるんですが、立つ鳥は跡を濁さずと云いますから、忍の一字で気持ちよくお金を払います。とはいっても実際は少しぐずったんです。そしたら係員さんは、
「HALさんなんてまだ少ない方なんですよ。先日の方なんか50万円を超えてましたから」
「はあ? いったいどんなことをしたら補修費用に50万円も……」
「それがですね、本来はいけないのですが、犬を飼ってたんですわ。その飼い方というのが、まるで垂れ流し状態! 臭いがひどくて、消毒の上に床もたたみも全部やり替えですわ!」

 ペットを飼うのは厳禁のはずの団地なんですが、ルールを守らない人はどこにでもいます。この団地のエレベーターが臭うのは、そういった犬の飼い主が小便をさせるからなんです。そういうのってタバコの吸殻をポイ捨てするのと同じ感覚なんでしょうか。
 
「おいお前、自分の家の庭にタバコの吸殻を捨てたりせんのやから、自分の家の前に吸殻を捨てられたら腹がたつやん。それ考えたらよその家の前でタバコ捨てられへんやろ」
 ヘビースモーカーの知人にそう言って注意したら、
「いいや、自分の家の前でもタバコ捨てて平気やで」
 と言われ、そいつの家に行ったら確かに吸殻だらけで、家の中ときたら、「この辺りにゴミを捨ててええねんな?」というほどでした。
 
「ぺっとを飼うなと、何回も注意しに行ってるんですが、駄目ですね」
 係員さんはそう嘆きましたが、当たり前です。入居する前からペットを飼ってはいけないことが分かっていながらやるんだから、そういう人は自分勝手と言うより人のことなんか考えてないんです。
 そればかりか、自分の家の中で犬が垂れ流して平気なんですから、常識で注意できる範囲を超えています。
 
 飼っているペットを処分しろなんて言えるはずもないですから、猫アレルギーや犬嫌いの人に保証をしてあげるべきでしょうが、そんなことするような人ならルールを破ったりしないでしょう。
 つまり手の打ちようが無いから、法整備をしようとなるんでしょうが、実に馬鹿げたハナシです。

赤道直下より熱帯な国、日本

2007年08月21日 | 暮らしの落とし穴
 日本で37度も記録するくらいだから、赤道直下のシンガポールなんかはきっと40度を超えていて、連日のように焼け死ぬ人のニュースが報じられているかと思いきや、日本より涼しいのだと分かって驚きました。
 
 それよりもっと驚いたのは、北海道よりもはるか北に位置するモスクワが30度を越えていると聞いたからです。モスクワこそエアコンなんて無いでしょうし、熱中症なんて言葉すら無いように思えるので、暑さに慣れてないモスクワっ子こそ焼け死んでいるんじゃないかと心配します。
 
 世界中の気温を調べていると、アフリカの一部で最高気温が40度を超えているのを除けば、今この時点で最も暑いのは日本かもしれません。しかも夜と昼の寒暖差が少ないですから、世界中で最も寝苦しい思いをしているのは日本人に違いないと思うんです。
 
 そんな中でエアコンも無しで生きていけるぼくも立派なモンですが、今日送られてきた旅行代理店のカタログは、松茸や紅葉に彩られた秋の旅行プランがめじろ押しです。そればかりか、スーパーのビール売り場にはもう既に秋物が並んでいるではありませんか。

 このクソ暑いのに紅葉色の缶ビールが飲めるか、ばか者! と言いながらついつい買ってしまうのですが、いっそのこと「冬将軍」なんて名前の、雪の結晶をあしらった冬物を、秋物の前にとりあえず飲みたいぼくなのです。

さすが林葉直子さん、期待してますよ

2007年08月20日 | エンタメ
「月刊アフタヌーン」(講談社刊)で連載中の漫画『しおんの王』(原作:かとりまさる/安藤慈朗)が、TVアニメ化される。

放送開始は、2007年秋頃を予定。
『しおんの王』は、幼い頃に両親を殺された主人公・安岡紫音(やすおか しおん)が、心に深い傷を負いながらも、将棋を通じ、多くの人に出会いながら成長していく姿を描いた作品。詳細は未定。

http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view_c.jsp?x=C&sakuhin=4677&mag_id=000007

 将棋の漫画がアニメ化されるなんて珍しいと思うんですよね。これってたぶん「ヒカルの碁」の影響じゃないでしょうか。優れた物語だったら、野球やサッカーみたいなメジャーな趣味でなくても世の中に受け入れられて儲かるのが分かったんでしょう。
 
 実は公募にも「囲碁マンガ原作大賞」というのがあって、ヒカルの碁の二匹目のドジョウを狙ったものかと思いますが、将棋の原作募集でもあればぼくも書いてみたいと思います。
 それにしても、囲碁人口と将棋人口を比べたら、というか比べ物にならないほど囲碁人口の方が多いのに、マンガとなると将棋の方がずっと多い気がするのは不思議です。
 
 ところで「しおんの王」ですが、原作者の「かとりまさる」さんというのは、誰あろう先ごろ破産宣告をした「林葉直子」さんのペンネームなのです。
 最近はタロット占い師を名乗っているらしいですが、いやはや実に多才な人です。全部が全部彼女が書いているかどうかは知りませんが、著書も数多く出版されていますし、もちろん将棋の指導もされていて、3時間で3万円なのだそうです。
 
 元女流プロに教わる授業料が3万円って、高いのか安いのか分からないですが、ヌードを披露したというのに恥ずかしくないんでしょうか、やっぱり大物は違いますね。え! ひょっとしてヌードで将棋を指導してくれる? いや、それでもやっぱり高いのか安いのか、ぼくには分かりません。

もしも侘しさコンテストがあるなら

2007年08月19日 | 酒、食
 昨日の続き
 
 行きつけの場末の飲み屋では、ぼくはとうの昔に過去の人にされてしまっているので、正直なところあんまり顔を出したくはありません。というのも、送別会を断って不義理をしたのなら、「なんや、まだいてるんかいな」なんて嫌味の一つも聞かされそうだからです。

 しかし今月末の料理レシピコンテストに応募するなら、調理器具どころか食器も無い今の部屋ではいかんともしがたく、場末の飲み屋のマスターに力を借りることにしたのです。
 
 店ののれんをくぐると案の定、「あれ~? いったいどないなってんの、またこっちに帰ってきたの?」なんていわれる始末。
 いやそれくらいならいいのですが、「送別会やらなくてごめんな、これは少ないけど選別代わりに……」といってビールの栓を抜かれたりすると、なんともやるせない気持ちになってしまいます。それが日ごろから付き合いのある人ならいざ知らず、ときおりしか飲み歩かない人だったなら、なおのこと申し訳ない気持ちになってしまいます。
 
 さて、料理といっても、主婦でもないぼくにまともなものが出来ようはずもありません。早い話が独身男の酒の肴レシピなんです。つまり電子レンジでほとんど完成するような、スローフードではない、かといってファストフードでもないといった、実に中途半端な食い物なのです。
 
 出来上がったものをその場で食べてみたら、案外といける味だったのですが、帰って撮影した写真を見ると、いかにもモテナイ男が一人寂しく夜中に食って似合いそうな、余りにも侘しく哀愁を禁じえない写りでした。
 
 料理の撮影は難しいです。というより、事前にぼくが思い描いていたのと、出来上がったものとが、かけ離れたものにしかならなかったというだけのこと。経験不足から来る想像力の欠如が招いたエラーだろうと思います。
 
 文章を書くのもこれと同じで、いくら素敵なシーンを夢に見ても、文字に書き写すのは至難です。主婦なら頭で考えなくても体が勝手に動いて出来てしまう料理と同じように、毎日書いて書きまくって、勝手に筆が進んでしまうようになるのが理想でしょう。といっても、ぼくには遠い先のことかもしれませんが、とにかくやれるだけやってみましょうか。