お師匠さまによると、テレビのメジャー番組でテレビ金沢の美人局アナが「とり野菜みそ」を紹介したところ、売り上げが急上昇したとか。「とり野菜みそ」もついに全国ネットで知らしめられるほどにまで有名になったか、それともテレビ局もネタに困ったか、いずれにしても「とり野菜みそも」が関西方面でも入手可能になるのは、名古屋の味噌煮込みうどんがメジャーになった次にうれしい。
能登の郷土料理「とり野菜みそ」は今から10年ほど前にもブームがあり、大阪のファミリーマートで「とり野菜みそラーメン」を謳ったカップ麺が発売されたものの、冬場の2ヶ月ほど売っていただけで、「カップヌードル」のようにロングセラーにはなり得ず終いでした。
そりゃそうです、あれは単なる味噌煮込み、いうなれば豚汁みたいなものとさして変わらんのです。ただ、あの味は
まつやさんの「とり野菜みそ」用味噌でしか味わえないのも事実。
「野菜をとる」の意味で名づけられたとのことですから、野菜は何をチョイスしても味噌に拒まれることはありません。地元能登ではキャベツで食べさせる食堂もあり、これがまた旨い。鶏肉は定番ではありますが、豚肉を使っても構わないどころか、オージービーフを奢ったからといって「うし野菜みそ」とは呼ばれることはありません。能登で「まつや」さんの「とり野菜みそ」用味噌を使う限り、どこまでいっても「とり野菜みそ」なのです。
入手方法などは「まつや」さんのHPでつまびらかにしていただくとして、ぼくは下の姉から送ってもらって「とり野菜みそ」用味噌を常備しているので、通常のを母向けに作り、「ピリ辛味」をブレンドしたのを自分用にこしらえました。
あり合せの野菜と若鶏のもも肉、トッピングには「とり野菜みそ」の尊厳を貶めない程度にキムチを頂き、キムチ・チゲ風を気取ってみることとしました。
作るときのポイントは特にありませんが、味噌は能書きにある分量を使ってください。かなり味が濃いと感じるかもしれませんが、だからといって薄めると凡庸な味に成り下がるでしょう。スープを飲み干すべきか、やっぱり塩分取りすぎるから止めようか、とラーメンの麺を食べ終わってどんぶりに残された汁を前に考え込むような濃さがベターかと思います。