らんかみち

童話から老話まで

童話の夢想が現実になる日は

2009年05月31日 | 童話
 JOMO向けの5枚童話を3作用意していたけど、今日になって全部没にして夕方から新たに書き下ろし、今しがた投稿しました。受領メールが届いたのでとりあえずは良し。発表が10月中旬ということは、遅くとも9月の末には入選通知(入選していればの話)が届くはず。佳作に選ばれたとして、授賞式のスピーチは……。
 
 まあホント我ながら能天気ぶりには嫌になりますが、出した直後はたいてい授賞式のことを夢想してるんです。選考委員の選評まで聞こえて来た日にゃ、自分でもぞっとします。でそのうち、一月もするとどこに出したのかすら忘れてしまう体たらく。いや忘れているというより、他の公募に出してそちらの授賞式を夢想しているというか……。
 
 昼前まではお遍路さん関係の用事を頼まれ、午後からはバイクの調子が今ひとつなので乗り回してテストしてたんですが、両方とも慣れないことなので非常に疲れました。とくにバイクはエレ足くんをこぐより疲れるんです。嘘みたいな話ですが、自転車より重くて速い車体を制御するので足腰がパンパンに張って背中も痛むし、何より風に当たり続けると体全体が疲れます。
 
 童話を書き始めたころってあんまり憶えてないんですが、慣れないことでかなり苦労してたんじゃないかな。それこそ書いていると肩が凝って耳鳴りがするし、書き終えたらホッとするのも束の間、教室で合評の俎上に乗せられてメッタ切りにされ、ほうほうの体で帰宅してたんでしょう。
 まあそれを思えば、未だ入選ならずとはいえよくぞ慣れたもんです。これがエッセイだと書いてて楽しいんですが、童話はまだその境地には達していません。夢想が現実になるのはいつのことやら……。

モア・プアマンズ・ハーレーを買いました

2009年05月30日 | 釣り船とバイク
 かつて「プアマンズ・ポルシェ」と呼ばれたMAZDA/RX-7の外観はたしかにポルシェ924に良く似てはいた。だからといってRX-7がオリジナリティーを欠いた贋作のようなものかといえば、決してそうではない。それどころか他に類を見ないロータリーエンジンを搭載した、いわばMAZDAスピリッツ溢れる名車だったと評価する向きも少なくないのだそうです。
 
 バイクの世界にも「プアマンズ・ハーレー」という言葉があるのかといえば、それは「スポーツスター1200cc」という本家ハーレーの1車種に与えられた愛称なのだとか。高価なハーレーなら300万円もするらしいけど、ベーシックモデルなら80万円から買えるというので、まさに貧乏人のハーレー。そのモデルは、アメリカンスタイルの大型バイクに限っていえば、国産バイクを押さえて日本での販売台数ナンバーワンだそうです。
 
 こらハーレー、日本人を貧乏人呼ばわりしたいのか! なんて言葉のアヤに食ってかかれるほどリッチマンでもないモア・プアマンなぼくとしては、この際だからモア・プアマンズ・ハーレーを買いました。
 中古のYAMAHA/Virago(ビラーゴ)125cc、正式名称XV125。いわゆるアメリカンタイプの、日本では売っていない逆輸入車というやつです。バイク屋さんが納車に来てくれたので半日ほど乗り回してみた結果、なぜ日本で売られていないのかが理解できましたけど、その話はまたボチボチと。

JOMOの表彰式で会おう

2009年05月29日 | 童話
 JOMO童話の花束公募の締め切りが31日。ここは歴史と権威があるだけでなく、公募する側に対して実に優しいシステムが構築されてます。インターネットと郵便で応募できるだけでなく、受け付けたら必ず受領証がそれぞれの方法で送られてきます。何の音沙汰も無い公募が多いなかにあって、当日消印有効のぎりぎりに普通郵便で出す往生際の悪いぼくみたいな者には、たいそうありがたいです。

 それに甘えているわけじゃないんだけど、この期におよんでもまだ作品がフィニッシュできていません。たったの5枚なので、三作品ほど書いてみてはいるものの、どれもこれもおもしろくない。なのでぐずぐず推敲してるのは、着地のポーズをとる前のムーンサルトやってる段階でしょうか。
 
 童話を書くに当たっては、まず頭の中をそちら向けにフォーマットしなくちゃいけません。いつも童話ばかり書いてたらその必要はないんでしょうが、エッセイとか怖い話とかに集中していた頭で童話を書き始めると、将棋盤を見慣れていた目で碁盤を睨むような気分になります。
 個人メドレーを泳ぎ切れるほど器用でないなら、公募締め切りの早い時期に切り替えるか、でなければどれかに専念すべきなのに、他で入選してしまうだけになかなか踏ん切りがつかない。

 童話で入選する極意さえつかめれば、苦手なラブストーリーもクリアできそう。あとほんの少しの隠し味さえ分離できればエッセンスが見えてきそうなのに、いまだもってカオス漬けのありさま。「JOMの表彰式で会おう」なんてライバルに大見得切った手前、あと二日なんとか頑張ろうっと。

お爺ちゃんのビーナスは仏との和解の証

2009年05月28日 | 陶芸
 古道具屋めぐりしてバイオリンやカメラを探していたのも今は昔。最近では陶磁器なんかに目を奪われるようになって、写真のような徳利を買ってしまいました。
「先生、これは磁器だと思うんですが、いったいどんな手法で作られたものでしょう」
 300円で買ったことは伏せて陶芸クラブに持って行って尋ねたところ、思いがけずお爺ちゃんたちに受けたようです。
「うむっ、これはまさしく磁器じゃ。おそらくは型にはめて作ったものでしょう」
「しかし先生、型を外すのは良いとして、くっつけた跡が外側はもちろん内側にも見当たらないんですよ」

 二つの割り型から作ったに違いないんですが、非常に巧みにできていて他の手法、たとえば紙人形のようなものの上を粘土で覆って、焼いたら紙粘土は焼失するといったやり方なのかわかりません。もっともそんな方法にしたって、紙人形を作るのにはやはり型がいるし……。
 
「君ぃ、手捻りの達人ならこの程度のものをこしらえるのは造作も無いこと、見ていたまえ!」
 ぼくがうっかり口を滑らせてしまった言葉、それともこの徳利ビーナスがストイックのアウト・オブ・バウンズにいるであろうお爺ちゃんたちの創作意欲を刺激したのか、一斉にレプリカ製作が始まってしまいました。
 
 徳利ビーナスの行く末はさておき、クラブの皆さんは先週からの「バラ祭り燃え尽き症候群」をまだ引きずっているのか、ぼくの回すろくろの前に来て話かけてくれたりしてさっぱり集中できません。大皿も徳利も失敗する有様で、湯のみ一つが形になっただけ。ところが終わってみると、電動ロクロがそれほど汚れておらず、服も顔もいつもなら泥だらけなのに綺麗なもんです。
 
 もしかしてぼくも腕が上がったか? 三々五々退部する人を見送ってほくそえみつつふと見ると、お爺ちゃんたちは嬉々としてオブジェに取り組んでいます。
「む、難しそうですねぇ」
「うむぅ、オッパイはやはり難しい……」
 ああでもないこうでもないとやっていた一人のお爺ちゃんが、
「儂が前にこしらえた最高傑作は、お寺に奉納したんじゃが、あれはどうなったかのぅ……」
 なにやら女体をモチーフにした作品を菩提寺に納めたらしいけど、お寺の境内でそんなの見かけたことないので、どんなものかちょと興味を惹かれました。
 
 お昼時になって皆さんが引き上げ、最後のぼくが教室を閉めようとしていたら隣の部屋で会食が始まり、そこへなんと菩提寺のご住職が。法話にでも来られたのかもしれませんが、これ幸いと聞きました。
「○○さんがお寺に奉納なさった作品とは?」
「あぁ、数年前にいただいた……あれは、あれはそう、秘仏、ですかね……」
「ひ、秘仏? あ、つまりご開帳不可能と……」
「そう、秘宝、の響きの方がより分かり易いかと……」
 どうやらエロチシズムの横溢したあられもない姿態のオブジェを奉納したらしく、倉庫の奥深くに鎮座しておられるのだとか。おそらくは仏との和解を済ませたであろうお爺ちゃんの、タガの外れた作品をますます鑑賞したくなりました。陶芸はかくあれかし、自由自在が良いようです。

バイクのメットに神との和解を促され

2009年05月27日 | 釣り船とバイク
 バイクのヘルメットを捨てずにとって置いたはず、と子どものころに使っていた(こう見えて、中学のころモトクロスのレーサーを目指していた)ヘルメットを探すのに見つかりません。
「40年になんなんとする過去のヘルメットに命を委ねるなんて、神との和解を済ませた御仁のすること」
 そういう意見も当然で、ヘルメットは一度コンクリートの地面に落としたらアウト、ともいわれるし、プラスチックは紫外線に当て続けても劣化します。まして13歳のころに買ったのなんて、外側はともかく内側のスポンジはボロボロになっていたのを思い出しました。
 
 使えないからといって青春の1ページを飾るあのヘルメットを捨てるはずがないのになぁ、と一生懸命探しても見つからないものはしかたない。そんなおり、培倶人(ばいくじん)という、中年男性のバイク乗りを対象にした雑誌のプレゼントにヘルメットが! 老眼鏡をかけて応募葉書のアンケートに答えながら、でもこんなの当たるわけないよな、というわけでネットの通販を調べたら、高ぇ~!
 
 ヘルメットはライダーにとって唯一の命綱、かどうかしらないけど、AraiとかSHOEIといったトップブランドには6万円とかのプライスが。スクーターの新車が12万円ほどで買えるなら、足元見とりゃせんか!
 ゴルフのドライバー同様、より遠くに飛ばしたいというゴルファーの願望に付け込んだ値がまかり通るように、ヘルメットの値段は、命を守るものだから最高の物をと、金に糸目をつけないバイク人の心理を巧みに衝いているといえるでしょう。
 
 腹立ちまぎれにネットを検索していたら、ありましたありました、6000円! こりゃ安いわいとさっそく注文したんですが、後からちびちび心配になってきました。高級品は殻の部分が4層構造とかになっているらしいけど、安物はたぶん建築現場のメットの強度に劣るとも勝らない程度でしょう。だからといって、このメットに命を預けて大丈夫かなぁと心配する前に、さっさと神と和解すべきなのかも。←どうすりゃいいの……。

担任の顔も分からない教え甲斐の無いぼく

2009年05月26日 | 暮らしの落とし穴
 何かの行事でときどき会うお爺ちゃん、見かけは紳士然としているだけでなく、地域教育界の要職を歴任なさったらしいだけど、とても気さくな話し好き。何を教えていたか訊ねたら英語だとおっしゃる。
 中学で英語の教師をなさって……このお爺ちゃん、ひょっとして、ぼくのクラスの担任だった先生では? 話の途中でそう疑ったけど、担任の名前もお爺ちゃんの名前もわかりません。
 
 先生ばかりか、同級生に会っても分からないんです。30年以上も会っていないなら、どんなに嫌いな奴だろうが好きな人だろうが、よほど印象的でない限り憶えていないと思います。
 ところが先日のバラ祭りでのこと、隣のブースの人がうちのクラブの先生を見て「○○先生では?」と声をかけてきたのには驚きました。しかも担任ではなかったといいますから、じゃあ担任の顔も分からないぼくって……。
 
 もしかしたら今日のお爺ちゃん、担任ではなく全くの別人かもしれない、と願いつつ家に帰ってアルバムを見たら、微妙ぉ~。当時メガネはかけてなかったし今よりふくよかだったみたい。「秘密の質問の答えは?」みたいな合言葉も先生との間には無かったと思うしぃ……もし担任だったら何かアクションを起こさないといけないのでしょうが、師の顔も分からないような教え子ではねぇ!

自衛隊を軍隊にしないで

2009年05月25日 | 社会
 日曜の自衛隊創立54周年記念行事を右大臣たちと観に行ったら、なんとまあ松山駐屯地には新型インフルエンザをものともしない方々の熱気が充満しており、おかげで屋台には長蛇の列が。こんなことなら愛国弁当でも作ってくりゃ良かったな、と思いながらも焼き鳥に並び、不謹慎にもビールを飲みながら訓練展示を観させていただきました。
 
 行く前は、北朝鮮の軍事パレードみたいに殺気立ったものかな、と考えていたんですが、来賓席、父兄席にはやはりアルコールを持ったお客様もおられ、文化祭とか体育祭の趣も楽し。
 しかし155mmの大砲が撃たれたときには、空砲とはいえさすがにビビリました。幼い子は驚いて泣き叫び、トラウマにならなきゃ良いがなと余計な気遣いまでしてしまいます。
 
 訓練展示が終われば装備品展示の時間となり、若い隊員さんたちが家族や彼女かもしれない人を案内して回る姿もほのぼのとして、この平和を保つためにも自衛隊を軍隊にしちゃいかんよな、と改めて思ったのでした。

多々羅大橋に登頂してきました

2009年05月23日 | エンタメ
 登頂体験イベントで多々羅大橋の天辺、高さ226mから井口島を臨んでみました。正面が観音山472mなので、山の五合目ほどもある橋脚の頂から瀬戸の多島美を讃えて「ああ吊橋や 吊橋や。えっ、これは吊橋じゃなくて、斜張橋?」
 JB(本四高速)の先達によると、「しまなみ海道で一番最後に架けられた橋(1999年)なので、計画当初の構想から架橋の技術が進歩して、世界最長の斜張橋を架けることができたのです」
 そう答えた男の目には、光るものがあった……♪ジャジャンジャジャン♪ジャジャンジャジャン♪風のなかのスゥバル~……なんて、NHKのプロジェクトXのテーマが聴こえてきそうなほど、聞きしにも勝りて壮大な橋にぼくは感動しました。
 
 ところでこの橋に登るのに、自宅からおよそ20kmくらいかな、2時間かけてエレ足くんをこいで行ったんです。YAMAHAのPASの旧型ですが、バッテリーは容量が小さいだけでなく、本来の性能の半分ほどしか発揮してくれない老電なので、行きは良い良い帰りは怖い。自足ライディングで節電しながらの行ったにもかかわらず、帰り着く寸前でウルトラマンのエネルギー切れよろしくアラームが点滅しました。まだ明るかったので良かったものの、バッテリーが上がるとライトも点かなくなるので、こうなったら田舎の夜道を走るのは怖い。
 そんな痩せる思いをしたにもかかわらず、体重はたったの500g減。ダイエットには報われなかったものの、橋上からの眺めには癒されました。

コシアブラは山菜の女王様

2009年05月22日 | 酒、食
 島の人々は山菜を好まないのか、スーパーでも朝市でもめったにお目にかかることはありません。なんが辛うてそがなもん食わにゃならんのぞ、瀬戸内の魚を食うとりゃええが! そういうスタンスなのもうなずけるし、実際ぼくもそうだったんです。ところが先日コシアブラという木の若芽を送っていただいてから、270度くらい考え方が変わりました。
 
 その辺の野良で見かけるような若枝からは、異臭とまではいわないけどやや油臭さを放っています。天ぷらとバター炒めの両方で味わってみると、天ぷらはアクが抜けて食べよいものの、バター炒めほどの旨みを楽しめません。旨みとは、そう……何か肉を食べているのかと錯覚しそうな感じ。酒がすすむのなんの。
 
 すっかりコシアブラのファンになって、無理をお願いして再び送ってもらったら今度は、獣臭い! 1時間ほど水に浸けておいたら臭いがマシになったのでまたもやバターで炒め、わずかな醤油でフィニッシュ。旨すぎてたまりません! 
 天然のタラの芽も美味しかったけど、経験したことの無いコシアブラの味わいに感動して、いろんな酒を合わせてみるに、ウイスキー、ワイン、日本酒、ビール、どれでもやれます。
 樹脂を絞っていたからコシアブラという。なるほど濃厚な味。ああ、でもコシアブラはもう育ちすぎて食べられないのだとか。山菜の女王様とやら、来年の今ごろまた会おうぜ。

大島城ってあるのか

2009年05月21日 | 社会
 大島城というのがあるのか、無いのなら作っちゃいましょう、と自分で設計施工なさった方がおられます。お城みたいな家なら他にもありますが、この建物には、鎧兜、火縄銃、日本刀などが揃っているというだけでなく、それらの多くが国宝級!?
 
「この大太刀、いつごろのものですか」
「うむ、それは南北朝時代のものでね、研ぎ賃だけで150万円かかったよ」
 中に入れていただいて城主さまと話したんですが、このお城が消失でもした日にゃ、博物館が一つ焼け落ちたくらいの宝物が失われそうです。このお家には実際に当の主が暮らしておられるんですが、
「ほぅ、これは有田焼ですかね」
と、ぼくも少々陶芸のことが分かるようなつもりになってきたので問いました。
「おぉ、分かるかね、それは古伊万里といってね、本当に良いものは手に入りにくい」といいつつ、そこら辺に転がしたり道端に展示してたりするんです。
 
 なんとまあ、あるところにはあるというか、お城を丸ごと「なんでも鑑定団」のロケに使えそう。ちょうど陶芸の日で、挽いた大皿に絵付けをしてみたくなりましたが、その前に絵画教室に行くべきか否か……。
 ちなみにこのお城、夜にはライトアップするんだとか。お金持ちと話していると非常に疲れるもんなんですねぇ、また按摩に行かなくては。