らんかみち

童話から老話まで

もう祭りをやれる状況じゃない

2012年09月30日 | 暮らしの落とし穴
 ふぅ、疲れた。未明から降り出したのは恵みの雨と表現して叱られるものではなかったし、風も台風の影響と思えない穏やかなものだった。それでも潮位が高く、排水ポンプを作動させないとオーバーフローしたろうし、雨がいつやむのかはっきりしなかったし、「こんなに雨が降っているのに道役をやるのか?」と電話がかかってくるしで、中止にするかどうかで神経を使った。

 yahooピンポイント天気予報を信じるなら中止はあり得なかったし、それで正解だったのだが、他の天気予報では決断できなかったかもしれない。ブログがgooなのでトップページもgooにしているけど、天気予報はyahooに軍配が上がるようだ。

 明日は神社の掃除とかなんだけど、この定例行事を廃止しようかと考えている。猛烈な反対意見は覚悟の上だけど、村が高齢化して人口が減っているのに、伝統を踏襲できるわけがないのだ。
 ゆっくりやれば問題はないのだけど、あえて急激にやって村人の危機感を煽りたい。そこまで問題は深刻なんだよってね。

孤独ナスの味やいかに

2012年09月29日 | 酒、食


 長ナス畑でたった一つだけ真ん丸く生った米なすと思しき個体だが、そろそろ食べ頃じゃないかと摘んでみた。味噌仕立てにしようと思っていたのに、台風が近づいていると聞いた途端にモチベーションが下がり、輪切りにしてフライパンで焼いて市販のパスタ用ミートソースをかけてフィニッシュ。





 前のときは糠漬けにしたんだけど、一口食べて吐き出すほど不味かった。今回は秋ナスということもあるし、塩水でアク抜きをしたから絶対に美味しいに違いない。ロンリー・エッグプラントちゃん、さあいってみよっかー! というノリで食べ始めたんだけど、まっず~! 「そがなんは、おいしないとしたもんじゃ」という母の言葉通りだった。

 明日は村祭りに向けて道掃除なのに、台風がこのまま進んできたらどうしよう。予備の日を設定していないので、神様を草だらけの道にお通しすることになるやも知れぬ。それでなくとも祭りの存続が危うく、最後になるかも知れないというのに! 

このままじゃ村祭りができないよ

2012年09月28日 | 暮らしの落とし穴
 ちょっと勇み足かなとは思いつつ、このところの冷え込みに恐れをなし、扇風機を仕舞い込んでホットカーペットを敷いた尻から今日のこの残暑のぶり返しかい! まあ備えあれば憂い無しっていうから、少しくらいのフライングも世間様は大目に見て下さると念じている。

 そんなことより、問題は秋祭りだ! 少子高齢化によってどこの村でも祭りの存続が危ぶまれているんだけど、うちの村では今年が最後かも知れない。まずもって村人のモチベーションが低い。ぼくが損長を拝命する以前に村人同士のバトルがあったことは概ね水に流してくれているんだけど、一致団結しているわけじゃない。

 村が高齢化していくと思わぬところに影響が現れる。親類が亡くなると「ブクがある」といって祭礼に参加できなくなる。村中が親戚というところもあるので、ここまで少子高齢化すると、一人亡くなっただけで村祭りが成立しなくなってしまう。

 非公式だけど、「うちの村と、お宅の村の合同で祭りをしませんか」と提案されている。だがこれは我が村のアイデンティティーを蔑ろにするオファーであり、納得できるものではない。
 じゃあこのまま手をこまねいて衰退の一途を辿るのを容認するのかといえば、損長のぼくとしては何とかして抗わねばならない。でもどうやったら村の高齢化を食い止められるというんだ! AKBのメンバーとかが住んでくれないかな。

ぼくの蒔いた種、次に蒔く幸いの種

2012年09月27日 | 暮らしの落とし穴


 中秋の名月とまではいえないけど、今宵の月は明後日の十五夜を前に冴えている。立春から数えて227日目の今日だけど、ぼくの草だらけ畑の蕎麦はもうそろそろ収穫できそう。夏蕎麦のこぼれ種がお盆頃に発芽したものだから、かなり実入りは悪そうだけど。

 種をあげたお百匠(農業の師匠)さまは二百二十日に種を蒔いたはずで、その畑を見に行ってみると、おおさすがはお百匠さま、見事な出来じゃないか。雑草の一本も見逃さないという意気込みが感じられ、これがプロの仕業なのか!

 蕎麦を収穫して粉にした暁には「蕎麦会をやろう」というオファーがいくつか来ている。4年前に蕎麦栽培に手を染めたときは村人から奇異な目で見られたもんだけど、ぼくを変人扱いするもう人はいない。それどころか「自分も蕎麦を蒔いてみたい」と名乗り出る人がいる。なんか面白そうなことをやっていたら追いかけて抜こうとする人は、必ず現れるんだね。

 ぼくの蒔いた種はここに来て少しずつ実り始めた。もちろん比喩だけど、次に蒔く種はもう決めている。実際に種を蒔くわけだけど、その名は「アーティチョーク」。チョウセンアザミとも呼ばれ、江戸時代に渡来したというが、日本の土地に合わないのか日本人の口に合わないのか、生で売られているのは見たことがない。
 昨日書いた畑にはこのアーティチョークが植えられていて、「勝手に持って行ってかまわない」と許しが出たので遠慮無くいただこう。来年の春にはアーティチョークのマリネで乾杯を目論んでいる。

英会話・・・始めてみました

2012年09月26日 | 暮らしの落とし穴
「パソコン始めました」というのに似て、どこか変な言い回しだけど、英会話始めました。趣味はと聞かれ「ドライブです」と答えたのも今は昔。「パソコンされるんですね」と一目置かれた時代もあったけど、パソコンは今や趣味でもなければ特技でもない。
 それと同じで、英会話も教養と見なされた世は過ぎ去った。なんだけど、ぼくはそういったトレンドから取り残されてしまった。心憂く思っていたところへ、今回のお誘いがあったという次第。

 講師の顔は知っている。ALT(Assistant Language Teacher)の制度で中学生を教えているハンサムな青年だ。カリキュラムといったものは特に無いようで、一週間のうちにあった出来事を報告したりのフリートークなんだけど、何年も英語に接してなかっただけに緊張するわい。そこそこしゃべれる生徒もいるけど、まあこのレベルならついて行けそう。

 英会話のことはさておき、4人いた生徒の誰とも面識はなかった。少なくとも授業中はそうだったが、終わってからゆっくり話してみたら、色んなことが急につながり始めて驚いた。
 この畑の作り主と一度会ってみたい、と日頃から気になって何度か訪ねたのに会えなかった人が生徒の一人だった。また、先日酒を酌み交わした人の奥さんがいたりする。

 友だちを増やしたいとか付き合いを広げたいとか、積極的に地域社会に参画したいとは思っていないのだけど、非常に限定された地域なので、一つのピースを移動させると全体に影響が出る。
 まるで過去にタイムトラベルして、本来は屠られるはずだった肉牛を種牛にしたみたいな(これって大きい影響があるのか?)未来への変動を感じる。まあそんなこんなで、賽は投げられた。

本日の酒はカワウソの祭り

2012年09月25日 | 酒、食
 先日のニュースで「ニホンカワウソは絶滅したらしい」と知った。以前「日本カワウソ友の会」みたいなWEBサイトを覗いたとき、愛媛県の南予で目撃されたのを最後に情報が途絶えた、とあった。
 カワウソで思い出すのは向田邦子さん短編小説「かわうそ」だ。妻は何かの動物に似ていると思った主人公は、いつか動物園で見たカワウソだと気づく。興味があれば聞いて下さったらいいけど、作品のラストは陰鬱で切なく、非常に怖い。

向田邦子『かわうそ』奈良岡朋子朗読 #1 of 3


 で本日の酒は山口県の「獺祭」で、日本よりも海外で人気の高さを誇っているという。獺はカワウソのことで、カワウソが魚を捕って並べる様子が祭りのようだ、というところから獺祭というらしい。この蔵は、古くから取引している信用のある酒屋さんにしか卸さないのだろう、ネット以外では簡単に買える代物ではない。
 これを置いている最寄りの酒屋さんは、新居浜市というバイクで1時間半ほどかかる町に一軒あった。店の名前も酒屋さんらしくなかったけど、店構えもおしゃれなレストランといった風情だった。



 高級とか幻とかプレミアム付きといった酒も飲んできたけど、この酒はそれらとベクトルを異にして、日本酒という印象からは遠い。白ワインをいくつかグラスに入れて試飲するとき、この酒の入ったグラスを紛れ込ませておいたとしよう。我々クラスの味覚の者が「おれは今、白ワインを飲んでいるのだぞ」という先入観を突き破り、「これは日本酒じゃないか」と指摘する勇気があるだろうか。せいぜい「白ワインらしくない濃厚な味と芳醇な香りですね」みたいな利いた風なことを言えるのが関の山かも知れない。いわゆる日本酒臭さを感じさせないところが海外で認められる理由なんだろう。恐れ入りました。

生七味とゴーヤ・チャンプルー

2012年09月24日 | 酒、食


「かんずり」がスーパーの店頭に並ぶには、季節がまだ夏を引きずっているのだろうか、今治市内じゃとんとお目にかかれない。そのかわり讃岐で本鷹生七味に出会うことができた。
 これは、日本一小さなデパートだった今治大丸が営業していたころならいつでも買えたのに、閉店してしまってから手に入らなくなっていた。見つけたときは、昔の彼女にバッタリ会ったみたいで、うれし恥ずかし、微妙~。

 小さな瓶の割には結構な値が付いているんだけど、他では味わえないと思えば、やむなしか。これ単味で食べて美味しいものではなく、何かに付けて初めてオブジェクトの味を引き立て、本領を発揮する。
 調味料といえるのかどうか分からないけど、先頃亡くなった地井武男さんのような、料理の名脇役といえようか。

 もうそろそろゴーヤも終わりなので、チャンプルーを作って本鷹生七味で食べてみた。今は瑞泉の古酒43度でやっているけど沖縄料理ってのは、ぼくが知っている限りではどんな酒でも合うような気がする。生七味も全く違和感がないどころか、互いを引き立て合って昇華する。
 それにしても、なぜ讃岐の土産物屋さんに? ラベルの裏を見て、なるほど、香川県の会社で作っていたんだ、知らなかったなぁ!

宝である子どもを守るために

2012年09月23日 | 暮らしの落とし穴
「富士山もついでに噴火するんだぞ」といわれている東南海地震だけど、いったいどうすりゃいいんだ! 3.11以降、想定外という言葉は禁句となったわけだから、自治会としては最悪の事態を想定して災害に備えないといけない。防災研修に忙しいのもやむを得ないんだ。
 なにも地震に限ったことではなく、竜巻や豪雨、爆弾低気圧にも警戒しなくてはいけない。当地のように海面下の平野に住居が集中しているれば尚のこと神経をとがらせて然るべきなのに、住民はみんな、すっごくのんびりしているんだよなぁ。

 都会の殺伐としたコミュニティーで神経をすり減らした人は島に来てごらん、竜宮城で暮らしている気分になるよ、少しのお金さえあれば。美人がいるかどうかは、まあ来た男の判断にゆだねるけど、誤解を恐れずにいうなら、美人の比率なんて全国どこでも大して変わりはない。
 しかし当地は、かつて海賊が東アジア一帯に遠征して美女を強奪してきた歴史があるので、北はサハリン、南はフィリピン辺りの血を引いた美女の産地であることは保証する・・・してもいいかな。

 防災というのは、住民にいかに危機意識を抱いてもらうかだと思う。危機意識に欠けているうちの村で防災訓練の招集をかけても、期待するほどの人は集まってくれない。
 昔は行事が目白押しで否応なく集まったんだけど、神道を中心とした宗教的求心力も今はない。「部活がある」、「試合がある」、「試験がある」などと、子ども中心の社会が形成され、地域の絆はないがしろにされている。

「最近じゃあ、子どもは宝物らしいな」と、ある爺ちゃんが訝った。「自分も口減らしの対象だった」らしく、大事にされないはずの命だったのに90歳まで永らえた。震災や戦争をくぐり抜け、シベリア抑留から帰還した。
 これってすごい話だと思うのに、次の世代に語り継がれていない。地域の世代間で交流がない。酒を飲みながらでもいいと思うんだけど、ここら辺りから地域の絆を再生していく必要がありそうだ。

ひれ酒フライング

2012年09月22日 | 酒、食
 物思う秋、といった感傷に素直に浸れる歳じゃないけど、いやこの歳だからこそ
行く夏に未練が残るのか。本日は夏の名残の野菜天ぷら。夏野菜攻勢にあえいでい
た時期が懐かしい。

 しかしここまで来たら、そうやね、ひれ酒が待ち遠しいじゃないか。いやもう待
ちきれずにトラフグのひれが手に入ったのを良いことに、フライング決行! 

 かぁ~、ひれ酒は安酒に限るな。純米だの吟醸だの、自己主張の強い酒はいただ
けない。三増酒のような無個性なのがフグのひれの味を引き立たせる。というか、
高い酒にひれを入れる気にならんのだよな、あぁ単に貧乏性なだけか……。

iphone5 に逃げられてしまった

2012年09月21日 | 暮らしの落とし穴
 本日の画像はiphone5、となるはずだったのに……。数日前からauIDを取得してアドレス帳をWEB条に保存し、アップルIDも取得してiphone5の4購入に向けた準備に抜かりはなかった。auショップに行く前にiphoneのマニュアル本680円まで買ったんだ。

 ショップでの手続きは対応も良かったしスムーズだったのだけど、「島で本当に使えるの」と聞いて返ってきた返事は重かった。「通話は問題ないんですよ」と再び聞いたら、「通話と通信は別物なのです。しかもiphoneは他の機種より……」みたいな切れの悪い回答を聞かされ、目まいがぁ。。。。

 東京じゃ徹夜でストアーの前に並んだり、大阪では盗難が相次いだりする人気のiphone5なのに、ここ愛媛ではそんな喧噪からは蚊帳の外らしい。なにしろ売りの4G(LTE)の電波が出ていないし、いつ発射され始めるのかも分からないのだ。

 4Gはおろか3Gですらままならない状況でスマホに乗り換えられるのだろうか。「アプリのアップデートはWi-Fiを使ってください」に至っては、何のための高速通信だぁ!
 auさんが悪いんじゃない、島に住んでいるぼくが悪いんだ。だから「他の方にお譲りしてくださいな」と店を出た。

 夕方になってauさんから電話があり「2週間取り置きしといてあげるから気が変わったら来て下さい」と。
 ぼくの知り合いで、ナンパに成功して女の子とホテルに入り、風呂まで一緒に入りながら本懐を遂げる前に逃げられてしまった男がいる。ほとんど語りぐさになっているんだけど、ぼくの今回のざまも五十歩百歩なんだろうな.