らんかみち

童話から老話まで

忘却は老いの友だち

2011年10月31日 | 暮らしの落とし穴
 愛媛新聞に「拾ったお金を警察に届けるのはさておき、愛媛の人はお金を拾ったら物を買い、高知の人は酒を飲み、徳島の人は商売を始め、香川の人は貯蓄する。本日は、世界勤倹デー」といった旨のコラムが載ってました。
 ざっくりと四国四県の県民性を言い表しているらしいですが、香川県だって「東讃」と「西讃」ではずいぶん気質が異なっていると聞けば、ひとくくりには出来ないでしょう。でも、高知の人は酒(日本酒)を飲む、というのにはウンウンと頷いてしまいます。

 今治人に関してなら、お金を拾ったら散髪あるいは美容院に行くかもしれませんね。それだけ美容院の数が多いような気がします。これは静岡市も似ていて、あそこは喫茶店がない代わりに美容室がやたらと存在するのです。
 徳島県に関していえば、お金を拾ったらとりあえず病院に行く、という気がするほど病院が多く、人口比で言えば全国3位だそうです。

 閑話休題(それはさておき)朝から母が「入院する」と思い出したように訴えます。鎮痛剤の注射が効いているのは1週間ほどであるらしく、退院してから10日なのでちょうど痛みを感じ始めたのでしょうか。しかしぼくとしては、どれほどの痛みが襲ってきたんだろう、と慌てて入院準備をして病院に連れて行きました。

 母は自分で歩いて病院に入ったくらいだから大したことはなかったんですが、今朝は叔母も別の病院に連れて行く予定だったのです。ところが叔母の家に電話しても出ない。心配になって家に上がり込んで探してもいません。
 受診するはずだった病院に行ってみたら「診察を終えて帰られました」と受付さんがおっしゃるではありませんか。どうやら介護タクシーで行ったようですが、それならそうと言え! すんでのところで捜索願を出すところでした。

 母に食事をさせて洗い物をしていると、「お腹が空いてないからご飯はいらん。なんでこんなにお腹が大きいんじゃろのぅ」と、ベッドから母の声。
「たった今ご飯を食べたから、お腹が空いてないんだろうが!」
 とまあこんな有り様ですから、こっちは見た目以上に疲れるんですなぁ。叔母のこともですが、この先もっと老いが進んだら一体どんなことが待ち受けているのやら……。

同人誌が届き、圧倒されました

2011年10月30日 | 童話
       


 童話講座とんぼ組の同窓生から「安芸文学」が届きました。えっ、これが同人誌ですか! なんと立派な、しかも定価800円とはすごい。同窓生の作品を読ませていただいたんですが、あの方にしか書けない昭和の空気感が素晴らしい。

 驚いたのは、東北大震災を取り上げながら、広島の被爆を見つめて問題提起しているところです。恐らく、3.11から2か月ほどで書き上げ、推敲を経て安芸文学に掲載が決まったものと思われます。
 震災を取り上げることも難しいと思われますが、戦中戦後の考証など、到底短期間で書けるものではなく、相当な研究量があるとのだろうと行間から伺えます。

「損長さんにおかれましては、何か書いておいででしょうか」
 あららら、何も書いてないのだろう、とお見通しの上で問いかけられ、書きます書きます。安芸文学を読ませていただいた上で書き始めたいと思います。色んな意味でありがとうございました。

危機的状況からは脱したようです

2011年10月29日 | 暮らしの落とし穴
 叔母を退院させ、ガン治療まっただ中の親戚を見舞いました。叔母の方は、飲む必要性の低い薬が処方されていたようで、その効果が裏目に出た結果、手術が必要になったと思われます。
 手術を担当した医師から叔母の主治医に対し「この薬を止めるように」とのチェックが入りました。この件に関しては、一年前にぼくも主治医に確認したんですが、いつの間にやら白紙に戻っていたようです。

 おっちゃんの方は、こんな病院に入院させていて大丈夫なのか、と医療過誤を疑いたくなる、というより病院側もおおむねミスを認めているようです。
 おっちゃんと同じ病気で友を亡くしたぼくとしては、患者のQOLを考えると危なっかしい放射線治療をすべきなのかどうか。抗がん剤にしてもジャストミートすれば良いけど、そうでなければ徒に体力を消耗させるだけなのだから。
 そんなこと言っても、自分がその立場になったら出来る限りの治療を受けたいと願うはず。その結果がたとえ裏目に出ようとも。

「病院は選ばにゃいかんよ、あんたも他の病院を受診しなさい」と、ある病院の待合室で患者さんに言われたことがあります。助言してくれた方も同じ先生にかかっているくせに、信頼しないとやってられんでしょうが?
 このところ色々あったけど、とりあえず母の具合は日々快方に向かっておりますので、ちょっと一段落ってとこです。

本日の箴言

2011年10月28日 | 暮らしの落とし穴
 5回の神経ブロック治療を受けた母が退院して明日で一週間ですが、良く効いたと見えてあまり痛がらなくなりました。食欲も回復しつつあり、母お得意の五目豆が食べたいと頼んだら、杖をつきながらも作ってくれました。茹でた大豆や筑前煮の材料をストックしてあったし、干し椎茸の水戻しその他の下ごしらえはぼくが済ませてはいましたけど。

 近所の友だちの家にも一人で遊びに行くこともできたので、ちょっと楽観しているんですが、デイサービスに関しては相変わらず「気をつかって疲れるので行きたくない」と申します。
 日がな一日天井を眺めて寝ていても、昔のように年輪を数えられる天井でもあるまいし、こちらとしては外に出して気をつかわせたいのですが、頑として言うことを聞きません。

 明日は叔母を退院させたその足で入院中の親戚のおっちゃんを見舞います。こちらは叔母や母よりもずっと重篤の上に病院食を一切食べないらしいのです。じゃあどうしているのかと聞けば、家族が毎日来島海峡を渡って食事を病院に届け、ベッドで食べさせているのだとか、なんてこった!
 母は気ままな性格だから仕方ないとして、おっちゃんは生真面目な性格が入院による不安を増幅しただけでなく、頑迷というメタモルフォーゼを成し遂げたのかも知れません。

 ついさっきまで母のケースは最悪だと思っていたんですが、おっちゃんの状態を聞き、最悪にどん底というものは無い、掘り下げていけばどん底はどこまで行ってもどん底なのだと気づかされました。
 うちはなんて幸せなのだろう、デイサービスに行きたがらないくらいのことは愛嬌ではないのか、いやむしろ母は幸せをもたらしてくれているのではないか、とさえ思うようになってきました。

「隣の芝生を見て暮らすより、隣のドツボを見て暮らせる人は常に幸福である」

 本日ぼくが捏造した箴言です。

ようやくのことでETC

2011年10月27日 | 暮らしの落とし穴
 叔母の手術が終わったとき、「2、3日入院していただきますが、退院後は週に一度の通院となります」とドクターのおっしゃる。なんと、病院まで往復するのに来島海峡大橋を渡ったら軽自動車で2700円もかかるんですぞ。これはもう飛行機で同じ距離を飛ぶよりコストということになるわけで、冗談じゃない!

 世界一高い通行料金を誇る我らが橋、なになに、ETCを取り付けたら最大で50パーセントoffだって? それを早く言えよって、島の人はみんな知っててETCを取り付けてるの、え゛~!
 という体たらくだったので、早速ネットでETC車載器を発注しました。カードは以前から用意していたので、品物が届いたら即戦力となります。

 昨日から「配達追跡」を何度試みたかしれませんが、「配達店に輸送中」となっているだけ。細かい進捗状況が分かるのはクロネコが最も優れているようです。今か今かと追跡をしてたんだけどそのうち飽きてしまい、すっかり忘れていた今日の昼に届きました。送料やセットアップ料金込みで8240円。

 ネットの「ETCの取り付け方」を参考にして車の前面パネルを引っぱがし、手持ちのパーツで配線を間に合わせたので費用は発生しません。それは良いとして、取り付場所を決めるのに30分ほど費やし、終わってみれば2時間もかかっていました。
 車屋さんに頼むことも考えたんですが、「このおっさん、知った風な口を叩く割にはこの程度か」と恥をかきそうだったもので……。

蕎麦の収穫をにらみながら島おこし

2011年10月26日 | 酒、食
 ったくぅ、秋のバラ祭りが終わってやれやれと思ったら、文化祭だの会議だのと、次々に予定を入れて下さりやがって、オレは市の職員じゃないっての! 島おこしの前に自分とこの家おこしせにゃならん状態っつうか、直ちにどうのこうのではないにしても叔母夫婦がそろって入院している危機なのです。

 そうこうしているうちに蕎麦の実が入り始めているではありませんか。2009年に蕎麦栽培をしたときは、8月26日播種したものの雨が降らず、台風メーローが過ぎ去った9月13日に隣の畑に播種、10月1日に開花、11月15日に収穫しているようです。

 ということは今回とほぼ同時期に芽を出したはずで、この調子で行くと来月の半ばか、その翌週の勤労感謝の日あたりに収穫となりそうです。
 3か所の畑で2反と四分の一ほどの作付けですから、200㎏も収穫できたら夢のようですが、ハードルを下げて半分の100㎏を及第点としますか。

花じゃないよ、実だよ

2011年10月25日 | 酒、食
       

 ソバの花は白いとしたもんですが、中には濃いピンク色の花を咲かせる種類があって、観賞用に栽培されることが多いようです。だからといって食べられないわけではなく、「ルビー色の絨毯が広がっている赤そばの里で、美味しい蕎麦が食べられます」と、町おこしの一助を担っているケースもあるようです。

 だぁが、うちの島そばは赤くなってもらっては困る。というか、これは花ではなく実なんですがぁ。本来なら白い花が咲いて緑色の実を付け、やがて茶色に変色して完熟といったコースをたどるはずなんですが、ここまでルビー色だと花に見えてしまいます。

「ルビー蕎麦はじめました」なんて看板が掛かる蕎麦屋に入りたくなるでしょうか。赤そばと言っても蕎麦の実は普通のソバと同じで基本は白、その中にへそとか胚芽の茶色と甘皮の緑色が混り、新蕎麦は特に緑っぽい。
 緑っぽいのが新蕎麦なら、クロレラでも入れてそれっぽく見せてやろうか、と考える不届き者がいると聞いたこともあります。

 ではルビー蕎麦なんて色の蕎麦は無いのかというと、変わり蕎麦でトマトとか桜餅の葉を使う手もあるようです。茶蕎麦や柚子切りと同じで、難しいと言えば難しいのでしょうが、やってみたい気はあります。

 この赤い実、たぶん窒素・リン酸・カリ肥料の14号をバラ播いたせいかもしれません。堆肥を使うのが蕎麦にとって最も良いとは聞いていても、今回は見送ってしまいました。それより、白い花から赤い実を付ける方法があって味が同じなら、是非とも試したいと思います。

スーパー・シッチを悼む

2011年10月24日 | 釣り船とバイク
 月曜日って、たいがい憂鬱なものだけど、いつにもまして憂鬱だったのは叔母を病院に連れて行って手術してもらったからではありません。オートバイの世界選手権最高峰であるMotoGPのレース中にアクシデントがあり、有力なライダーであったマルコ・シモンチェリ選手が亡くなったからです。

 チャンピオン候補と目されていたダニ・ペドロサ選手を転倒させて大怪我を負わせ、「危険なライダー」と警告を受けたほどアグレッシブなライディングスタイルゆえ、ファンも多かった。
 母国イタリアでCMに引っ張りだこだったのは、陽気で少年のように純真なキャラだったから。実際24歳という若さだったんです。

 シモンチェリ選手の母親がたった一言、「マルコのために泣かないで下さい、息子は皆さんが泣いているのを見たがらないでしょうから」と、衆目の中で気丈に振る舞っていたそうです。
 親族の悲しみは察するに余りあるけど、レーサーたちだって各々悲しみにうちひしがれているはず。ペドロサ選手が地元スペイン紙から「マルコのことを許す日が来るのか」と聞かれ答えをはぐらかしたのは、ほんの数週間前のこと。今じゃ許すことすら叶わぬペドロサ選手も辛かろうて。

 ぼくにとってもバイク業界にとっても、なんとも沈鬱な週明けとなりました。「あの世で鬼でもブッチ切れ!」と、どこかで聞いた台詞を思い出しながら、「スーパー・シッチ」と呼ばれて愛された彼の冥福を祈りたいと思います。

秋のバラとグルメ祭り最終日

2011年10月23日 | 酒、食
 午前5時に目を覚ますはずが午前2時に目覚めてしまい、ゴルフに出かける錯覚にもにた自律神経失調感に抗いながらの蕎麦打ちです。たかが4㎏の蕎麦粉を捏ねて打つのに5時に初め、終わってシャワーを浴びたら9時になってました。

 昨日は3人で苦しみながら蕎麦をゆでて販売したけど、今日は一人少ないことに危機感をおぼえ、知り合いのご夫婦に来ていただいたんですが、それでもお客さんがひっきりなしに来てくださって、とても厳しい。
 
 イベントそのものを少ないスタッフでやりくりしているなか、飛び入りの助っ人も来て下さって何とか凌ぎ、2時間で110食を完売できました。
 嬉しかったのは「昨日も食べたけど、美味しかったので今日も下さい」というリピーターの声です。信州の新蕎麦なんだから誰が打っても美味しいのだけど、我が意を得たり!

       

 どちらかといえば「キモカワ」の範疇かもしれない「ちりめん丼」に子どもたちが群がっています。「にゃんよ」に比べてかなり背が高く、傅いたときに脳味噌がずり落ちそうな気にさせるのが、不気味さに拍車をかけていました。

いよにゃんにも癒され、と思っていたら「にゃんよ」でした

2011年10月22日 | 酒、食
 B級グルメの会場で手打ち蕎麦もなかろう、そう思って控えめに信州新蕎麦を打っておいたのですが、10時の開始から1時間と少しで売り切れてしまいました。現場で蕎麦を打つことも考えたんですが、三人のスタッフでは茹でて販売することが出来ないので諦めました。

     

写真は伊予市を代表するゆるキャラ「いよにゃん」です、と紹介したら、「宇和島の、にゃんよである、バカめ!」とのお叱りをいただきました。宇和島を代表するゆるキャラ、「にゃんよ」さん、ごめんなさいい。
 カメラを向けたらポーズをとってくれました。この後豪雨に見舞われたので、束の間の安らぎでした。