2007年10月から翌年の3月まで放送されたNHKの朝ドラ
「ちりとてちん」が再放送されるのだとか。余りにも要望が多く、放送終了からわずか2年で再放送に踏み切ったんだそうです。
確かにあれは良くできたドラマで、綿密に張り巡らせた伏線をことごとく回収したのは素晴らしい技術だと思いました。ダメ娘の成長ストーリーというのは、手練のシナリオライターでないと失敗に終わるとしたものなのに、見事な収束でした。
あのドラマが高く評価される要因のひとつに、登場人物全てのキャラが立って魅力的で、なおかつ心底からの悪役が一人も登場しなかったというのもあるんでしょう。その次のドラマ「瞳」ではヒロイン自身が悪役呼ばわりされ、掲示板の書き込みが次々に削除されていったのとは対照的に、「ちりとてちん」では掲示板が増やされたらしいです。
現在放送中の「ウェルかめ」は舞台とヒロイン役が魅力的なので観てたんですが、ドラマとしては緊張感を欠いていて、それはそれでほのぼのかも知れないけど、再放送をどうしても観たいとは思いませんねぇ。
何がいかんといって、登場人物のキャラは立っていて面白くても、全員が幸せすぎる。美男美女がいちゃいちゃしてたら、観てる方は妬ましくなってくるんですよね。
そうなると、ここは無くてもかまわないシーンだ、話の展開が不自然だ、あの方言はあり得ないなどと、しなくても良い粗探しに走ってしまうんですなぁ。
実を申しますと、このブログも他人事ではありません。先日大阪に行く前は日々200人前後あった訪問者数が、戻ってきて美女とデレデレした記事と写真をアップした途端、150人ほどに激減してしまいました。その後も回復の兆しが見えないということは、善良な女性読者に見限られてしまったのでしょうか。
顔出ししたのも原因の一つかもしれませんね。なんじゃこのスカみたいな男、似顔絵そのものやんけ! みたいなぁ。まあ過去にも下ネタとか書いて肘鉄を食らったことはあったし、ある程度は予期していたのでそれほどの心労は溜まっておりません。
しかしNHKとなると話は別でしょう。面白くないドラマなら観なければ良いじゃないかと言う人もいるけど、「受信料を取っているんだから、手抜きドラマを作ったら承知せんぞ」というのは正論でしょう。
人生の示唆に富んでいた「ちりとてちん」にはドラマを魅せる要素が一杯詰まっているので、再放送はドラマを書く側の立場に立ち、シナリオの書き方を考えながら鑑賞しようと思います。