らんかみち

童話から老話まで

彼の国の赤い便り

2014年10月31日 | 暮らしの落とし穴
               

 来島海峡大橋から海を眺めていると、奇妙な船を見かけることがある。写真の船を遠くに見たときは、どちら向きに走っているのか分からず、不安に駆られた。近くに来てようやく、船のブリッジを二つ運んでいると判明してホッとした。
 真っ黒な煙をモクモク吐きながら航行する船も見かける。今どきあり得ない、と見ていたらハングル文字が書いてあり、赤さびだらけなので、ははぁん、さては北の船か! 
 
 赤さびだらけの中国船が小笠原諸島に押し寄せ、赤珊瑚を密漁しているそうな。瀬戸内海でも珊瑚は採れるというので、中国から買い付けに来たとか、密漁しに来たという聞いたのは何年か前のこと。日本人が「白珊瑚ならあるよ」と見せたら、ほとんど値打ちがない、と拒否されたという。そっかぁ、中国の人たちは赤が好きなんだもんね。

 というわけで、赤さびだらけの中国船は手入れをしていないのではなく、彼らの美意識の現れ。その感覚は尊重するとして、日本人の感覚では、赤は淦(あか=船底に溜まる水)を連想させて縁起が悪い。あんな錆びた船に乗っているのは命が惜しくないからだ、となる。100隻もの船団なら一隻や二隻拿捕されても怖くない、ということなんだろうね。本国に武力で取り締まってもらうしか手は無い気がするよ。

イノシシソーセージは旨いが

2014年10月30日 | 暮らしの落とし穴
                

 イノシシは一年中いるわけで、狩猟と害獣駆除の許可さえあれば、ほぼ通年で狩りをすることはできる。
 しかし「ハンターは肉の旨くなる冬しか鉄砲を撃たんのよ」と地元の人は残念がる。もちろん夏場は、熱中症、スズメバチ、マムシ、蚊や虻といった、高齢のハンターを阻む要因が多いのも事実ではあるけど、全くやっていないわけじゃない。

 5年ほど前かな、お隣の島の有志が自分ちのミカン畑が荒らされるのに業を煮やし、イノシシを狩ってソーセージに加工して販売し始めた。
 食べてみると、豚肉も入っているらしく味は悪くない。いや美味しいといっても良いけど、価格がそれなりなので、なかなか手を出せない。それでもこの事業は儲かってはいないはず。
 いっそのこと価格を今の倍にして、サイクリストが喜ぶような付加価値を与えることができないものか。

郁子の味は万葉の味

2014年10月29日 | 酒、食
          

 アケビがあるならムベもあるはずだと探し続け、ついに見つけた。ムベ(郁子)もアケビの仲間らしいけど、食べたことはなかった。ネットでもアケビより入手が難しいのは、小さくて皮が食べられないからじゃないかな。

 郁子は茜さしたら熟れごろらしいけど、下の松茸を見て割れるアケビと違って割れることはない。熟柿のように皮が軟らかくなって落ちるらしい。だったら熟し切っていない郁子は食えないのかというと、そうでもなかった。

                     
 
 写真の断面を見る限りジューシーと思い込んでしまいそうだけど、ドロっ、ツルっとした食感は熟柿の種の回りの果肉と似ている。香りもわずかに柿のような気もする。味はアケビのような片栗粉を溶いて白濁した食感と味ではなく、もっと甘くて果汁らしさもある。どっちにしても、種が多くて食べづらい。

 このムベという名前の由来が面白い。667年、天智天皇が即位したときに、弟の大海人皇子(後の天武天皇)と、その元妻で今は自分の妻となっている額田王らと狩りに出たときのとこ。
 天智天皇は、とある老夫婦に出会い「なぜそんなに元気なのか」とたずねたところ「この不老長寿の霊果を食べているから」と差し出す。それを食べた天皇が「むべなるかな」といって合点したそうな。以来、霊果はムベと呼ばれるようになり、毎年朝廷に献上されてきたとのこと。

 そのときに額田王が大海人皇子に贈った歌。

 あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る

 古文の時間に教わってもピンとこなかったけど、今ならこの意味が分かる。つまり袖振るというのは求愛行動で、干潟のシオマネキが繁殖期にハサミをふっているアレね。当時は人に見られたら破廉恥極まりない行為だったろうね。
 で、「まだ夕焼けが明るいし、天皇に見られるじゃない。暗くなるまで待って」と、なまめかしい解釈もできるんだとか。
 万葉集にある歌だから万葉仮名で書かれていて、古代朝鮮語としても読むことができるといい、ここには書けないほどエロい裏解釈をする女性研究者もいたな。

 それはともかく、大海人皇子が返した歌。

 紫草の にほへる妹を 憎くあらば 人妻ゆゑに 我恋ひめやも

 かなりストレートな表現みたいだけど、この座には夫の天智天皇もいたというから、一触即発? いや、額田王はこのとき既にアラフォー。当時としては老境に入っているわけで、年寄りの戯れ歌というのが定説らしい。むべなるかな。

アヒージョって、なに?

2014年10月28日 | 酒、食
                 

 このところスーパーで良く見かけるアヒージョ。どんな料理か食べたことないので、アヒージョの素を買ってはみたものの、とても不安。ラタトゥイユは姉が作って見せてくれたので、これなら自分でも作れるとレパートリーになったけど、アヒージョって、なに?

 とりあえず缶詰を買ってみたけど、醤油を使っていない煮込み料理って感じかなぁ。スペイン人に醤油ってものを教えてあげたいね、ワインには合わないかもしれないけど。

サイクリング大会の事故

2014年10月27日 | 暮らしの落とし穴
              

 実は昨日、廃止されたフェリー航路が、サイクリング大会のために一時的に復活したので、懐古趣味で乗っていた。そこに白バイに先導される救急車が来たので、サイクリストの事故だと思ったけど、まさか報道のヘリ絡みの事故とは、まるっきり読みになかった。

 いくら日本最大級のサイクリング大会とはいえ、せいぜいローカルニュース止まりだろうと高をくくっていたら、あの事故で一躍メジャーかい。昨日のために地元の人たちも応援に出たりエイドステーションで活動したのに、ちょっと味噌をつけた感じかな。
 毎日新聞もついてないっちゃついてないけど、サイクリストを吹き飛ばさなかったのは不幸中の幸といえるのかねぇ。写真は事故現場に行く救急車が写っているんだけど……。