らんかみち

童話から老話まで

初の活字刊行物に胸は小躍り

2007年06月04日 | 暮らしの落とし穴
 治る可能性を示唆する医療関係者の一人もいない中を、たった独りぼっちで退院するのは侘びしさを禁じえないもんです。結果として10日間ベッドを埋めて10万円払いました。ぼくのささやかな社会貢献となったでしょうか。
 
 退院して帰ってきたら疲れるのは当たり前ですけど、「残念でした」が影のようにくっついてきたので、めでたさも中位ですかね。でも郵便物の溜まったポストに素敵なものが入っていました。エッセイで優秀賞をいただいたところから受賞作品集が出版されたので、5冊も送られてきたんです。
 
 エッセイの公募は今回が最後だったらしく、それに滑り込めてラッキーでした。さっそく開くと、あ、ぼくのの写真や! と変装して写したのが飛び込んできます。ペンネームを使っているので、ぼくの近影を知らなければだれも気がつかないと思いますが、やっぱり不細工です。
 
 それはともかく、初めて自分の書いた文章が活字となって出版されたわけですから、うれしくないわけはありません。さっそく一族郎等に送り付けようかとも考えたんですが、まだ自分でも読み返すのが気恥ずかしい作品を、これ見よがしに自慢できるはずもありませんから断念しました。
 
 最優秀賞でなかったからではなく、まだ書き上げたときの気持ちをぼく自身が引きずっていて、単なる1作品として客観的に読み返して評価することにためらいがありますし、もちろん「まだまですね」が影のようにくっついて来る気もするのです。退院と同じく中途半端な喜びに、少しだけ胸が躍ります。