らんかみち

童話から老話まで

純正品は結局、安くつく

2015年03月06日 | クラシック音楽
 バイクのパーツって純正品を買うと変に高い。四輪と違って趣味の乗り物という側面が強くて生産台数が少ないせいだろう。そこで修理するときは、いきおい社外品をネットで買うことになるんだけど、満足したことはただの一度もない。

           

 今回はインテーク・マニホールドという部品を注文したけど、怖ろしく粗悪な品が送られてきた。う~ん、大陸製らしい大らかな作りっていうか、見てくれは悪くないのに、内部があり得ない構造になっていて、こんなことでエンジンがちゃんと回るわけないだろ! 
 幸か不幸か、これを修正する工具とテクニックは持っていたので、返品することは考えなかった。やってやろうじゃないの!

 リューターという電動ドリルのような工具に砥石を付けて内部のゴムを削り初めてはみたものの、リューターの調子がイマイチ悪い。この期に及んで返品することはできん。やらなかったら良かったという後悔は先に立たず。行くところまで行くしかなくなって、終わったら5時間ほど経っていた。アホらしいことも夥しいけど、純正品より良いものになったはず。

             

 あとは取り付けるだけだったけど、寸法が合わない! 全体のサイズが微妙に小さくて、ガスケットみたいなものを作らないといけなかった。ねじ穴も広げ、気密を保つシリコンコーキングを施して取り付けたら、辺りは夕闇に包まれていた。
 テスト走行してみた限りでは不都合は感じなかったけど、もう二度と社外品、というか大陸で作ったパチモンなんて買うもんか!

ラフマニノフより、まだしも佐村河内か

2014年02月15日 | クラシック音楽
 高橋選手は残念だったけど、にせ作曲家のせいでもないし彼自身のせいでもない。羽生選手とか、他の選手があまりにも素晴らしかった。これから東京都知事選挙が行われるなら、羽生選手は当確、なわけないか!
 
 このところ会う人ごとに「佐村河内のCDもってないか」とか「佐村河内の楽譜持ってないか」と聞かれる。ぼくもCDは買いたいなとか思ったけど、楽譜を買って演奏したいとは思わない。ただ単に、時代の節目というか、記念になるなと、観光地に行ったときに土産を買うようなノリでCDを買っても良いかと思っただけ。まして投機目的ではない。

 パトリック・チャン選手とラフマニノフの組み合わせも素敵らしい。ラフマニノフの曲も嫌いというんじゃないけど、ぼくは技術的に弾けないのもあって、なんか好きにはなれん。
 難局なのは間違いないし、長くて柔らかな手じゃなかったら弾けないのもあるけど、あの作曲家の和音を聞いていると、脳みそがシャーベットになるような気がするんだよね……。

ゴースト騒動を逆手にとる商法

2014年02月11日 | クラシック音楽
「代作騒動 ランク上昇」と、今朝の新聞にあった。佐村河内さん作曲と詐称したCDは出荷停止になったけど、売り上げは急上昇しているらしい。

 ほぅらねぇ。ぼくを含めて、大衆ってのはこんなもんだよ。そのうちCDがネットオークションに出品されて、「偽物の偽物が横行するなか、ついに本物の偽物が入荷しました。もちろん未開封です!」なんてキャッチフレーズが付いて高値で落札されるんだろうな。CDを返品して返金を要求するような人、いないんじゃない?

 CDを販売する会社は偽物とされる本物を回収して「本物の本物」として売り出すだろう。しかも「告白本」とか、「暴露本」といった本と抱き合わせて。これも、「謝罪会見では明らかにされなかった真実」といったコピーに粧われ、売れに売れるだろうね。
 やがて「全聾を騙る佐村河内氏を裸にする」と、あらぬ誤解を招きかねないタイトルの週刊誌が好調な売れ行きを見せる。

 キャンセルとなった演奏会は、「トークショー いま二人が明かす制作秘話 あの作曲家もゴーストを使っている!」とセンセーショナルなフライヤーに踊らされ、ぼくもコンサートを聴きに行くだろう。
「売り上げの半分が広島の被爆者団体と3.11の被災地に贈られるチャリティーコンサート」と銘打たれたら、なんだか自分が良いことやっている気分になれるもんね。

 そうやって渦中の二人が謝罪コンサートを2年くらいやって日本列島を縦断したら食っていけるよ。その間に「交響曲第二番 罪と罰 そして復活」みたいな曲を作ればいい。佐村河内さんはプロデューサーとしての才能は世間に知らしめたし、新垣さんは作曲の実力を認められたんだから、必ずや成功すると思う。
 ただ、楽曲の売り上げの一部を寄付するというのが絶対条件だけどね。間違っても全部を自分たちの懐に入れちゃいけない。「一生をかけて謝罪の曲を作り続けます」と宣言したら許されるだろう。ぼくなら、あの二人がこれから創る曲に、うんと興味がある

裏切られたけど、影武者には同情をするよ

2014年02月06日 | クラシック音楽
 外は雪が舞いっていたけど、会館内は十分すぎる暖房の効いたなかでの告別式に出た。比較的新しい神道の儀式は仏教に比べて簡素で、これくらいの長さがいいよね、みたいな声も聞かれる。
 興味深かったのは、仏教でいう導師様の装束だ。宮司さんの着る平安朝貴族風の装束と似てはいるけど、もうちょっと時代が下った時代の印象を受けた。新興宗教なら、それなりに新しい装束なのかと思っていたけど、むしろ伝統を重視しているんだね。

 さて、今日は佐村河内さんの影武者による謝罪会見があった。影武者は招待を明かしちゃダメだろうって思うけど「共犯です」と名乗り出たんだから、質したくなるのが人情か。
 でもあの会見でのメディアの有り様はどうよ。まるで、視聴者の意見を代弁しています、みたいに自分たちメディアのことを棚に上げて糾弾する姿勢に唖然となる。

 高橋選手が金メダルをとれなかったらあんたのせいだ、みたいに聞こえる質問って、一流のアスリートである高橋選手に失礼だろうが。そんなことがスケーティングに影響するわけがないだろう。もやもやした疑惑はずいぶん前からあったんだから、むしろスッキリしたんじゃなかろうか。

 突発性難聴に苦しんでいるぼくとしては、聞こえなくなる恐怖というのは良く理解できる。中途失聴した人の体験談も聞いたりしているけど、聞こえなくなって数年で言葉が聞き取りづらくなる。自分が正しい発声をしているのかどうか分からなくなってしまうから。

 ぼくの場合でいうと、最近は耳鳴りすら聞こえにくくなってきた。耳を患った当初は悪あがきしていたけど、難病と告げられてからは音楽と関わりたくなくなった。
 片方の耳ですらそうなんだから、中途失聴して全聾となったなら絶望してもおかしくない。それを乗り越えてなお佐村河内さんは作曲したのか、と驚嘆していたんだけど……まぁ、公共放送も、あんなもんだろ。

佐村河内さんのCDを買いたくなった

2014年02月05日 | クラシック音楽
 インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」の発明者は「サトシナカモト」という名の日本人とされているけど、それが誰なのか明らかになっていない。京大の教授とする説もあるし、複数の人が書いた論文という説もあるらしい。
 おもしろい話だ。あの非凡集団のグーグルでさえ為し得えないエポックメイキングを実現したのが誰なのか分からないというんだから。

 世間って、分かっているより分からないことに興味を惹かれるものじゃないだろうか。そういう意味で佐村河内守さんが、「自分が作曲したのではなく、別人に依頼して作曲してもらっていた」と告白した件は実に興味深い。
 あの作曲家を取り上げた番組を観たけど、それほど面白いとは思わなかった。バッハへのオマージュらしい無伴奏バイオリン曲も聴いたけど、バッハの曲を切り貼りして所々に現代曲が挿入された感じ。バッハへのオマージュというより、イザイのマネみたいな……。

 佐村河内さんに対する非難や失望の声が上がっているらしい。でも音楽の世界でゴーストライターのことを言い出したら猫のしっぽ、じゃなくて虎の尾を踏むようなことにならんか? 
 あのバッハの最も有名な曲、トッカータとフーガニ短調BWV565でさえ偽作、つまり別人の作曲だという説があるくらいだしね。バッハが盗作したというのではなく、大先生の作品を誰かがオルガン曲に編曲して後世に伝えた、ということだろうか。原譜が残っていないので、編曲されていなかったら我々は聴くことができなかったはず。
 
 一方、「ヴィヴァルディ先生による“忠実な羊飼い”の楽譜出版しました」なんてのは、出版社が人気作曲家にあやかって(ヴィヴァルディーの真曲も挿入してある)新人の楽譜を売りまくったというケース。ちなみに、ぼくの大好きな曲集。
 また、「ヴィヴァルディの新作見ぃつけた!」といったように、自分を売り込むために他人名義の自作曲を演奏し続けたクライスラーのようなバイオリニストもいる。

 今回のケースは、NHKやCDの発売元が「知らなかった。CDは出荷停止。憤っている」としているが、どうよ。じゃんじゃん売りまくったんだから、「今までありがとうございました」じゃないかねぇ。
 佐村河内さんに肩入れして儲けた人はいるだろうが、損をした人はいるんだろうか。クライスラーは儲けたろうけど、ヴィヴァルディの作品より素敵な曲を聴いて得した気分になる人だって多いはずだ。

 どういう経緯での告白だろう。もしかして、ギャラのことでゴーストライターとの関係がうまくいかなくなったってことかね。別人が名乗り出たらしいけど、ゴーストは表に出ない方がいいんじゃないの。「作曲者が全聾」とのプロパティーがなかったら、CDはそれほど売れなかったのでは、と思うから。

 大統領の演説原稿だって別人が書いているんだから、ゴーストには言及せず、謎は謎のままにしておいたらどうか。せっかく「別人は誰だ?」というプロパティーが追加されて興味が増したんだ。スーパーマンが正体を明かさないのとは意味が違うかも知れないけど、隠されているから知りたいってこともあるよね。

 ああしかし、今度の件でかえってCDを買いたくなったよ。

Glass harp-Toccata and fugue in D minor-Bach-BWV 565

中田聖子チェンバロ・コンサート

2013年12月16日 | クラシック音楽


 恒例となった中田聖子女史による年末チェンバロ・コンサート。今回はバッハのフランス組曲全曲らしい。フランス組曲は全部良い曲、というかバッハの曲で駄作と評されているのを知らない。なので是非とも聴きに行きたいけど、今の体調では荷物は持てないし、満員電車にも乗れないだろうね。車っていう選択肢、それはもっと怖いぞ!

 今年最後の診察だったけど、薬はまだしばらく飲んでくれとおっしゃる。傷口が化膿しているわけじゃないし、レントゲンや血液検査でも感染の兆候はない。抗生剤の点滴で功を奏して治癒したというエビデンスを認めないというんじゃないけど、傷口を洗浄してマキロンで消毒したあげく、リンデロンVG軟膏を塗って治ったと自分では思っている。しかも使用期限切れ!

 ドクターとしては、埋め込んだプレートの直ぐ上の皮膚がトラブったということで、チタンから感染した可能性を疑ったんだろう。ぼくとしては、傷口を保護するテープにかぶれた皮膚疾患だと考えている。もし皮膚科に行ったら患部を清拭して軟膏を塗られていたと思う。田舎の整形医でもそうするんじゃないかな。昔のやり方といえばそうかも知れないけど、臨機応変に傷と向き合ってほしいね。


バッハ/フランス組曲第1番 Bach/Französische Suiten Nr.1 BWV 812 武久源造


 曲は盲目のチェンバリスト、武久源造さんによるフランス組曲第1番BWV812のクラビコード演奏。ややエキセントリックな感じを受けるんだけど、こういうのもありなんだろう。中田聖子先生だったら多分やらない、いや絶対にやらないんだろうね、鎖骨を折るとか、よっぽどの体験をしない限り……。

日本人の作ったバイオリンを買いたいが

2013年11月04日 | クラシック音楽
『至高のバイオリン ストラディバリウス』という番組、まぁだこんな番組が成立するのかって、腹立たしく観た人も多かったんじゃなかろうか。当代のバイオリン製作家にとっては侮辱だよね。

 現代の一流バイオリン製作家で、ストラディバリの技術に劣っていると思っている人はいないはず。ストラディバリの時代ですら、ドイツのヤーコプ・シュタイナーという製作家の方が評価されていたんだから。

 ぼくは二人のバイオリニストに師事した。お二人とも1000万円以上といわれるバイオリンを弾いていたけど、音は良くなかった。最初の先生のバイオリンは低音が弱かったし、次の先生は高音が下品だった。どちらも100年以上も前に作られたバイオリンだったけど、現代のバイオリンの方が良く鳴ると思えた。

 その理由は、実は先生も分かっているんだけど、古い弾き込まれたバイオリンは音が出やすく、新作バイオリンは鳴らないからだ。バイオリンは名手に弾き込まれれば弾き込まれるほど真価を発揮する。新作バイオリンは怖くて使えない。

 でもストラディバリの師匠であるニコロ・アマティの制作したバイオリンは「枯れ始めているのではないか」と30年ほど前からささやかれていた。
 ストラッドもいずれ枯れるときが来るだろう。それがいつなのかは分からないけど、日本人バイオリン製作家の作品がもてはやされる日は必ず来ると信じている。今買うなら日本人の作ったバイオリンだ。ぼくには買えないけど。

シルバーの磨き方

2013年02月25日 | クラシック音楽


 フルートが真っ黒になっている悪夢を見たので、約5年ぶりに取り出してみたところ、やっぱり! いわゆる燻し銀になっているのは一部だったけど、ちょっとショッキング。
 もしこれが銀食器だったなら、アルミホイルと塩と熱湯という組み合わせでジャブ漬けにしたら還元するらしいけど、フルートを水に漬けるわけにはいかない。こういう場合のために、良い商品が発売されてたんだね、知らなかった。

 管楽器を扱う店なら「BUZZ SILVERCLEANER」という商品を置いていて、これを使えばフルートのメカニカルな部分を傷めないでクリーニングできるらしい。銀は酸化して錆びることはあまりないらしいけど、硫化して黒ずんでしまう。
 クリーニングするにはシルバーポリッシュという研磨剤で黒ずんだ表面を磨く手もあるけど、フルートの精密なメカニズムを磨くのは骨が折れる。ところがこのクリーナーは、液体に浸した脱脂綿が容器に入っていて、少しちぎって銀の黒ずんだところを軽く拭くだけで良いというじゃないか。

 今治市内の楽器店にも置いてあったので早速買って試したところ、こいつは便利だぞ! 綿をちぎってピンセットでつまみ、メカニズムの複雑な部分に突っ込んでいける。化学反応で黒ずみを取るので、ポリッシュのように力を入れて擦らなくても、液が乾いて白くなったのを拭き取るだけで良い。
 完璧に光らせたいと思ったけど、細かい部分はいいや。そんなことより、フルートは吹かないと役に立たないよねぇ。どこかに練習場でも借りられるならやりたいけど、現状では難しいな。

漫画ピアノの森がいよいよクライマックス

2012年06月27日 | クラシック音楽
 漫画「ピアノの森」がショパンコンクールのファイナルという佳境にさしかかっているのだが、現実のコンクールで日本人が優勝したことはない。アジアではダン・タイ・ソンというヴェトナム人が優勝しているし、李雲迪(Yundi Li)という中国人は18歳の若さで優勝している。ちなみに第1位が輩出されたのはスタニスラフ・ブーニン以来15年ぶりという難関だから、ユンディ・リがどれほど持て囃されていることか。

 しかし優勝はおろか、本選にも進めなかったのに持て囃された人がいる。それはダン・タイ・ソンが優勝した1980年のことで、、イーゴ・ポゴレリッチというコンテスタントが本選に進めなかったことに抗議した審査員、マルタ・アルゲリッチが席を立ったことによる。

Bach ; Bouree from English Suite No.2 - Pogorelich.mp4


 語り草にはなっているが、イーゴ・というピアニストをYoutubeで初めて聴いた。このバッハ演奏を聴く限りではエキセントリックじゃない、というか様式を踏襲した保守的な演奏じゃなかろうか。
 ユンディ・リもそうだけど、ポゴレリッチもなかなかハンサムじゃないか。優勝したダン・タイ・ソンよりも人気が出たってのも、なんとなくうなずける。ピアノの森は中国人と日本人の一騎打ちとなりそうな雰囲気だが、果たしてその結末は。

そろそろピアノのリハビリを始めるか

2012年01月31日 | クラシック音楽


 そ、そんなバカな! 今までの我々の血の滲むような努力、それをことごとく水の泡にしてくれたのはプロの掃除屋さんだった。どういう手口を使ったのか知らないが、朝9時に仕事を始めたNPO事務所の床掃除は、昼飯前には終わってピカピカになっていたのである。
 スクレイパーでガリガリ削ったり、様々な薬品を使っても床のワックスを取ることができなかったのに、彼らの手にかかれば朝飯前だったようだ。

 床掃除が上手くいかなかったので家具類(客席など)を設置できずにいたが、今日を以て概ね完了した。その中に、メンバーさんのカップライトのピアノを仮置きし、とりあえず掃除して鍵盤を拭いた。
 調律履歴を見ると最後に調律されたのが平成元年ってことは、ぇえーっ! 四半世紀も前に忘れ去られたピアノだが、全てのキーを叩いてみた限りでは良好な状態のようで、調律だけで即戦力になると思う。

 家では音を出してピアノの練習などできる環境になく、電子ピアノを物色していたのだけど、これで音を出して練習ができそう。オープニングセレモニーで何かを演奏をするにはリハビリの時間が無さ過ぎる。おいおいピアノ教室に通って昔日を思い出すとするか。