らんかみち

童話から老話まで

「死ぬ」は禁句だろうが!

2011年08月31日 | 暮らしの落とし穴
 母が退院したのは目出度いけど、しばらくは外を歩けそうもないし風呂ですら危ない気がして、「じゃあデイサービスを申し込んであげよう」という先生の言葉にすがることにしました。
 社会福祉協議会に連絡していただき、ケアマネージャーさんに来ていただくことになったんですが、連絡も無しに約束の時間に遅れてくる。一通りの説明は良いとして、「死んだときのことを考えると、レンタルベッドにした方が良い」とか、「わたしの受け持ちでこの前死にました」なんてことを、こっそりぼくにいうならともかく、母に向かっていう。

 死ぬとか来年のことは分からないとか、人間は明日のことも分からないとかいうので、よっぽど文句を付けてやろうかと思ったけど、他に人材がいないとしたら事を荒立てるのも具合が悪かろう。母の前でケアマネさんを叱責したところで、母にとってもぼくにとっても胸のすく話でもなかろう。そう思ってフンフンと肯いていたんですが、今夜になって母の元気がなくなり、食事もとろうとしません。

 どうしたもんかなぁ……今後あのケアマネさんと喧嘩せずにお付き合いする自信はない。我慢しながら付き合って途中で爆発するより、最初からお断りする方が良いのだろうか。
 それともケアマネさんっていうのは皆さんあんな風なんでしょうか、あんな物言いして年寄りはショックを受けないんでしょうか。少なくとも息子はショックを受けたわい!

軍配は赤いきつねに彼のうどん嫁のおでんに舌鼓打つ

2011年08月30日 | 酒、食
 同級生が脱サラしてうどん屋を開いたと風の噂に聞き、手打ちうどんのことなら力になれるかも、と出かけました。
 店の佇まいは及第点、立地条件も悪くないと思うけど、昼時を過ぎたこともあってか客はいない。数ヶ月前に会ったし電話でも話したので挨拶は抜きにし、かけうどんを注文したんですが、こ、こ、これぇわぁ……。

 目が点になるような飲食店って、世の中に結構あると思う。麺は辛うじて一口だけ食ったけど、スープは一口たりとも飲めなかったラーメン屋。焼き飯にゴキブリも炒められていて、店長に文句を付けたら、「それがどないしたんや?」というリアクションが帰ってきた中華屋などなど、この歳になるまでずいぶんと修羅場をくぐってきたもんです。

 オニオンスライスの件についてはさておき、世の中に存在するはずのない店が、有るはずの無いものが実存する不条理には、人は見て見ぬ振りを決め込むことで耐えようとするのでしょう。
 どうやったらこんなうどんが打てるのだろう? 美味しくなくても、いやむしろ、美味しいうどんを打つ方が易しいのではないか、と自問自答したほどエキセントリックな麺が丼に沈んでいたのです。

 友だちなので見て見ぬ振りをするわけにもいかず、さりとて嫁の前でこき下ろすわけにもいきません。沈黙の時間がややあって、「おでんは美味しいね」と嫁の味付けを褒めることに思い至りました。
 彼がうどんに愛を注いでいないのは明らか。まるで我が子を虐待するかのような麺の扱いは痛々しい。厨房に入って手打ちうどんの何たるかを諭してやりたかったけど、彼にはそれ以前の気がしてやめました。

「今度さ、オレが打ったうどんを持ってくるからさ……」
 嫌らしいかなぁとも思ったんですが、遠回しなことをいいましたら、
「おうとも、良いもんだったら使ってやるよ」という明るい答えが返ってきて、帰りの道々歌を詠みました。
 

 軍配は赤いきつねに彼のうどん嫁のおでんに舌鼓打つ

だだちゃ豆よりも

2011年08月29日 | 酒、食
 予定通りだだちゃ豆が届いたので早速ゆでてみたけど、やっぱ匂い強すぎぃ! 昨日の今日で慣れているはずなんだけど、それでもだめだ。
「米の炊ける匂いが仄かに香り、そう……上品なゴボウの土臭さ……栗の花の匂いも少し……最も印象的なのは、髪の毛の焼ける臭い……これは紛れもなく鶴岡産、2011年のだだちゃ豆ですね」
 ワインソムリエならぬ野菜ソムリエならこんな表現になるのでしょうか。利き酒ならぬ「利き豆コンテスト」があったなら、鶴岡産だだちゃ豆だけはぼくにも分かりそう。

 当地、愛媛県東予地方では冬になるとマンバと呼ばれる高菜の一種を良く食べます。野沢菜みたいにシャキシャキ感を楽しむ野菜ではなく、煮込んで良し炒めて良しの万能だから万葉? いえいえ、野菜の少ない冬場にも次から次へと葉を出すので万葉と呼ばれている説が有力なようです。

 このマンバはアクが強く、ゆでているときの臭いといったら頭が痛くなるほど強烈で、子どものころ母がこれを早朝からゆでると目覚めの悪いこと。
 しかしおひたしになって食べる段には臭いも収まり、醤油と花鰹だけで十分美味しくいただけます。でも、ゆでているときに家にいたくない。だだちゃ豆も自分ゆでず、冷めたのを食べる分にはとても美味しいと思います。

 しかしマンバの匂いにも慣れてきたのか、直接フライパンで炒めても良いのかなって最近思えるようになりました。それもごま油かなんかで。
 いずれはだだちゃ豆を平気でゆでることができるようになるんでしょうが、今しばらくは普通の枝豆で良い。だだちゃ(オヤジさん)の豆より、おばさんの豆が良い!

初めての、だだちゃ豆

2011年08月28日 | 酒、食
 ホームセンターのお姉さんに「薄皮は黒いけど、実はパステルグリーンです」と勧められるまま早生の枝豆の種を買い、母に渡しておいたら畑で良く生ってました。
 お盆には収穫して食べてしまったけど、これが結構美味しかったんです。それに味をしめたというわけで、山形県は鶴岡市の「だだちゃ豆」を注文してみました。

 とても美味いという評判の枝豆なので期待して袋を開けると、ぇえ~? 豆臭いというか、ゆでる前から匂いが……。熱湯に投入するなり、うあわ~すごい匂い! 台所中が豆臭くなって閉口しました。
 味は甘くて深みがあるけど、なんといっても香りが眼目のようです。しかし良い香りなんだけど、ややくどいなぁ~。冷蔵庫で5日も保存してたのがいけなかったのか? 来週もう一回届くはずなのので再挑戦です。

女子力のその後

2011年08月27日 | 釣り船とバイク
 女子会のことを書いたら、たまたま童話仲間のミーナさんが「女子会に行ってきた」とブログに書いていて、あれまっ! ほんとに偶然だったし女子会を愚弄する目論みもないのですが、記事の翌日辺りからおよそ80名ほどの女子会系であろう読者に見限られ、淋しい限りです。

 で、そのときに書いたエレナ・マイヤーズさんのその後ですが、目出度くMotoGPマシンの試乗が叶ったようです。

Elena Myers


 気の毒なくらい慎重なライディングです。それもそのはず、彼女が普段乗っているのは市販車ベースの600ccマシン。MotoGPのマシンは800ccで重さなどは違わないけど、パワーから何から全くの別物なんです。しかも彼女のために準備されていたのは、レギュラーライダーであるA・バウティスタ選手のレース用マシンですから、本番の前に転倒でもしたらドえらいこと。
 1台3億円ともいわれる価格もさることながら、秘密ハイテクを満載したメーカー渾身のバイクをライドさせてもらえるなんて、女子でなくても快哉ものですよね。

お婆ちゃんの輪の中で

2011年08月26日 | 暮らしの落とし穴
 入院している母の病状が改善の兆しを見せ始め、「今月いっぱいで退院しましょうか」と、院長先生に打診されました。食事は規則的に食べられるし、メニューもバランスを考えてくれているし、薬も正確に飲ませてもらえるので、そういう面では入院は正解でした。

 ただ、狭いクリニック内で運動不足になっているのは否めません。痛みがマシになったのなら早く家に戻したいんですが、本人の意思が今ひとつ分からない。同室の患者さんたちが話し相手になってくれるので、家で独り寝ているよりは気が紛れるようにも思えるし……。

 その同室のお婆ちゃん、良く話を聞いたら、知り合いのお母さん! お婆ちゃんとはずっと会っているし、息子さんとは昨日も会っていたのに全く気がつきませんでした。
 これで盛り上がったんですが、平均年齢88歳の中でくつろいでいる自分を発見した落胆をご想像していただけたなら幸いかと。

名探偵コナンを見て断捨離モード

2011年08月25日 | クラシック音楽
 アニメ映画「名探偵コナン」は、クラシック演奏会を舞台に事件が起きるという設定でした。建物の焼け跡からフルート胴部管がが発見されたシーンで、おいおい、そんなフルートたとえ売っていてもだれも買わないよ、と突っ込みたくなりました。
 おっと、ピアノの鍵盤とかバイオリンとか、絵が少々ラフなだけで本筋は推理だろうが、みたいな反省をしてしまいました。疑問点もいくつかあったけど、とても面白かった。

 そんなわけでフルートを思い出し、バッハの名曲を一つ。無伴奏フルートパルティータ BWV 1013です。
 現代のフルートで演奏するのなら技術的な足枷はないと思いますが、演奏家は曲の解釈で苦しみつつ、オリジナリティーを出そうと頑張ります。

Kaori Fujii: Allemande BWV 1013 - J.S. Bach


Partita in A minor BWV 1013 2nd mvt. Corrente for solo violin


Bram van Sambeek - J.S. Bach/ Uit: Partita voor fluit Sarabande


Bouree Anglaise


 アルマンド、クーラント、サラバンド、ブーレ・アングレーズのそれぞれを違う楽器で演奏してますが、どの曲もその楽器のために書かれたと思い込みそうです。それにしても、楽しそうに弾いてるな~、コンチキショー!ぼくもフルートを取り出したくなったけど、若いころと違ってオッサンの時間は経つのが早い。
 このところ断捨離モードに入っていて、毎日のように捨てる物の吟味をしてます。新聞すらじっくり読めないのに、昔録画したクラシック演奏のビデオなんて今後も見ることもないでしょう。じゃんじゃん捨てます。

大韓民国の冷麺

2011年08月24日 | 酒、食


 昨日食べたのは、韓国語で「ピビムネンミョン=混ぜ冷麺」でしたが、今日発見したのは「ムルレンミョン=スープ冷麺」という、探し求めていた本場、大韓民国の冷麺?
 ただし主原料は小麦粉であり蕎麦粉ではないので、まだ本家本元である北朝鮮の平壌にまでは行けてないのでしょうか。

 なんで冷麺にこだわっているかというと、北朝鮮から韓国に亡命した人の開いた料理店で、平壌冷麺がソウルで大人気というニュースを見たときのこと。そば粉屋のオヤジさんが教えてくれた「大阪の鶴橋じゃ、冷麺は蕎麦なんよ」につながり、枚方市の焼き肉屋さんで「注文を聞いてから機械で練るんよ」と聞かされたことにもつながったからです。

 十割蕎麦を手打ちしようとすると、どんな名人技をもってしても歩留まりは二八蕎麦に比べて悪くなります。(本来の意味では八二蕎麦と呼ぶべきだけど)
 しかし十割蕎麦を機械で押し出し、そのまま茹でればロスは出ません。手打ちでも半分を熱湯で練ったらビシッとつながるけど、蕎麦の繊細な風味が落ちてしまうし色も黒ずんでしまうのが難点です。

 今日買った二種類のうち鶴橋の徳山冷麺は、蕎麦粉の量を少なくして機械に熱をかけながら押し出すそうです。それは到底できないので、ぼくは手回しミンチにかけて押し出そうかと考えてますが、いかんせん本物を食ってないので。
 それにしても、あれほど探して見つからなかったものが、今日の店では山積みになってました。「あの川を渡ってごらん、たぶん見つからい」と教えられ、向こう側の町に行っただけなのです。

ビビン冷麺の実力とは

2011年08月23日 | 酒、食
 魚戸おさむさんといえば漫画「家裁の人」で知られていますが、このたびビッグコミックオリジナルで「ひよっこ料理人」の連載を始められました。
 若い主婦? が子ども向けの料理教室を開いたものの、生徒は小学生の男の子がたった一人来ただけ。父子家庭のその子に、「料理を美味しくするコツは、食べる人の顔を思い浮かべること」と、おまじないを教えます。
 
 家裁の人は原作があったわけですが、本人曰く「ひよっこ料理人は料理漫画に見えて、実はラブストーリーです」とおっしゃってますから、ご自身でストーリーを紡いでいくおつもりなのでしょう。料理の蘊蓄とラブストーリーの蘊蓄を同時に獲得できるとあっては、今からとても楽しみです。
 
 さて本日は懸案の「本場の冷麺」にトライしてみました。パッケージを破ってみたら、トレーの中に茶色く細い乾麺がとぐろを巻いており、なんだかカツラのように見えます。やや異国情緒を感じさせる匂いは、蕎麦粉じゃないよな~。



「添付の具と面を熱湯に入れ、2分30秒ゆでる」とあったので、3分ゆでました。ゆで汁が白濁したので飲んでみたけど、蕎麦湯じゃないよな~。

 氷水で締めて盛りつけようとして、これを食べる兄のツラを思い浮かべたのですが、本場冷麺の尊厳を貶めるような気がして、結局自分で食べました。食べる人の顔を思い浮かべてはいけないケースもあるようです。

 水に浸さず、コチュジャンで食べろという指示なので、ちょっと辛いかなと想像したのは裏切られました。むしろ甘かったのです。具は棒鱈と何かの青野菜のみで少し寂しく、サッパリ目のキムチをトッピング。



 コチュジャンは美味しかったんですが、麺は例によって輪ゴムを噛み切るような食感で、下手をすると長いそれがノドに詰まりそう。風味はというと、その気で味わっても、蕎麦じゃないんだよな~。
 決して不味くはない、むしろ美味しいのですが、何度も食べてみないと「ビビン冷麺」の実力を知ることはできそうもありません。なので、残りの一袋は兄貴に食べてもらおっと。

ノドグロやアイゴとか

2011年08月22日 | 酒、食
 シシャモに限らず魚をガスグリルで焼くときは、目の細かい網を重ねて使えば良いのだと、魚を何度も落としてようやく気がつくとは、愚かなり。にしても、なんでうちのコンロにはあんなずさんな網しか付いてないのでしょう。

 ああそれと、開いた干物を焼くときにはどちら側から焼けば良いのでしょう。試してはみるけど、どっちだって構わないような……。

 いま最も楽しみにしている干物は「ノドグロ」です。下の姉が送ってくれた干物セットの中にあって初めて食べたんですが、そりゃもう大ファンになりましたがな。

 瀬戸内海だから魚は美味しいんですよ、でも北陸方面の干物も素晴らしい。ノドグロは赤むつとも呼ばれるらしいですが、当地では売られてません。生協のカタログに見つけて買うくらいのもんです。

 欲をいえば「アイゴ」の干物も食べたいのですが、万人向けではない味なので生協のカタログには掲載されんでしょう。自力で釣って干すしかないようです。