らんかみち

童話から老話まで

村人の望んだ損長になれなくてゴメン

2011年01月31日 | 暮らしの落とし穴
 蕎麦を食べる文化のない島に育ったわけですが、大晦日だけは律儀に年越し蕎麦を食べたものです。本日はその蕎麦を作っている製麺業者さんにお邪魔しました。写真撮影をしたいのはやまやまなんですが、そんなこと言える空気じゃなかったかも。いやそれどころか工場内を見せてもらえただけで有り難や有り難や。
 社長は若い人なので、ぼくが子どものころ食べた蕎麦を作っていた人じゃないでしょうが、ちょっとウルウルなりそうで、やばかった。だって40年前と同じ味を受け継いで麺を作り続けているんですから。

 本日はおばちゃんが怒鳴り込んできてくれました。村寄りで決めたことを損長が実施していないというのですが、村人に任せたままだから実現していないだけなのです。何もかも損長がやれと言われても、毎日会議やって稟議書を書き直して人材発掘に走り回っている現状では、堪忍どすえぇ!

地域活性化、おれは拗ねるぞ

2011年01月30日 | 暮らしの落とし穴
 地域活性化の会議は述べつ幕なしっつーやつでして、本日も3か所に出かけました。その一軒の家に行って、こんな男がこの島にいたのか! とぶっ飛びました。
 この男そのものがすでに島の資産というか、こいつを前面に出してメディアに訴えかけたら受けるぞってくらい、宮沢賢治を熱く濃く語ってくれるじゃないですか。次回の会議はそこで猪肉を食いながらゆる~くやりましょうってことに決定しました。

 ああしかしだ、活性化の予算を何とかしないといけないのに、ここにきて暗礁に乗り上げてしまいました。もし予算が通らなければあちらこちらに土下座をして回らねばなりませんが、ここは腹をくくって予算獲得の見込みが高い稟議書を新たに書きましょうかね。

 新たな企画はお役所の意向に沿った絵を描きやすいんですが、真面目くさった企画だから何の面白みも感じないんですよね。「とにかく面白いことをやろう」っていう会長が聞いたら「せ~がなぁ=がっかりだ」と、たとえ予算をもらえても落胆するに決まってます。けど、やるしかないか!

損長だって切れることもあるさ

2011年01月29日 | 暮らしの落とし穴
「損長ごときが、市会議長の運転する車の後部座席でふんぞり返っておった」なんていう心無い噂がリークされておるようですが、そんな恐れ多いことはしておりません。支所で会議中に本庁へ拉致されたというのが真実です。

 損長たる者、村人に対して説明責任はあるか知らんが、しょうもない話につきあっているひまはない。それでなくても怒鳴り込んでくる村人がいて、面倒だらけでプッツンしそうなんです。もっとも、今朝の怒鳴り込みは、「村人をなめとったら、損長が切れるぞ!」と返り討ちにしたけどね。

 いろんなことが行き詰まるのはぼくの不徳のいたすところ、とはいえ、お役人さんを相手に折衝するのは怖いものがあります。役所内で怒鳴り散らす議員さんもいるらしいですが、「そういうのは、いつか役人に嵌められる」だって!

 菅総理は「変節の人」という汚名を着せられてしまったけど、霞ヶ関の洗礼は霊験もあらたかってことでしょうか。もう一回歩き遍路して、みそぎをしたらどうなんかなって思いますよ。
 それは同情するにしても、損長ごときでも役所の方から他言できない話が聞こえてきて、しゃべったら最後、ぼくも嵌められてしまうんでしょうね、くわばらくわばら!

地元のB級グルメ探索

2011年01月28日 | 暮らしの落とし穴
 正直に打ち明けないといけませんが、地元B級グルメ・イズムを標榜しておきながら、実は島の焼き鳥屋さんに入ったことはなかったのです。地元の店に行くのはお客さんが来たときか忘年会などがあるときくらいのもんで、関西に住んでいたときみたいに、今では一人で飲みに出かけるなんて考えられません。飲み友達がいないからです。

 写真は今治風鉄板焼き鳥の皮です。鉄板を傾けてガスであぶるのが今治流で、鉄板の上に置いたコテを上から重しのようにかぶせて上下から素早く熱を通すのをよく見かけます。この店では美人の女将さんが、横60cm、縦50cmくらいの鉄板でマタ~リマタ~リと片面で焼いてました。見た目は芸がないみたいだけど、や実際に芸はないけどアーモンドのような香ばしさがあって美味しいかったです。地元の味も捨てたもんじゃない。

村に立ちはだかる鬼はそと

2011年01月27日 | 暮らしの落とし穴
 地元企業との折衝も、まずまずのムードで終了し、よっしゃ本格的に島おこしプレゼン資料を作り直そう、と思った矢先のこと、またもや村人につまづいてしまいました。
 そりゃね、12使徒でもイエス・キリストにつまづいたんだから、ぼくが村人につまづいても許されるでしょうけど、村人性善説を採ってたらダメなのかあ? ミスター・マリックも悄然となりそうな鮮やかな手の平返しを見せられ、ほとんど憤死寸前の損長です。
 渡る世間は鬼ばかり、おにわあそと、おにわあそと。福は来なくても我慢するから、とにかく鬼は外! 

カスカス会議という連鎖

2011年01月26日 | 暮らしの落とし穴
 ミーナさんうさこさんが落としそうになったほっぺに喝を入れながら「イタリアン、ボーノボーノ!」と騒いでおられますが、なるほど、それがA級グルメってやつですかい。

 ぼくの方はB級グルメも食うひまがなく、今治市役所の本庁と支所を往復して夜もまた急な会議が入ってしまいました。一つの会議を終わらせ、やれやれと思う間もなく会議が二つに増殖していたのです。

 一つの会議で地元の製麺業者に会うと、「よっしゃ、近いうちに麺の会議やろう」みたいな、本家から少し外れた傍系の会議も生まれたりしてます。家系図のように、下に行くに従ってクローンが増殖して連なっていく形態をカスケードといいますが、どうやら会議の連鎖が始まってしまったようです。こんな状態じゃあ5月まで体が持たんぞ!

会議と喧嘩の狭間にて

2011年01月25日 | 暮らしの落とし穴
 島興しの見積りなど作成して、夕方からお役人さんと会議でした。限られた頭数で春と秋の大きなイベントを企画しようってんですから、かなり厳しいものがあります。その上にメンバー一人一人の思いに若干のズレと温度差があって、これらのマッチングとお役所の意向を整合させるのに時間がかかってしまいました。しかしここにきてようやく助成金という光明が差してきました。

 地元企業との会談も控えているというのに、本日は新たな書類を渡されて早急に仕上げなくてはいけません。お役所と敵対しているわけではないので問題はありませんが、もしかすると企業とはそれなりのやりとりが必要になるのでしょうか。
 ぼくだって喧嘩をしたいわけじゃないけど、背中にしょっている代紋が黙っておらんのです。いい加減なところで妥協したら、村人がねじ込むのは企業じゃなく、ぼくのところなのですから。

損するマスタープラン

2011年01月24日 | 暮らしの落とし穴
「いったいどういうことじゃ?」と朝から村人に怒鳴り込まれ、というか語気はそれほど荒くないけど、だめ押しが長かった。

 午後からは「今治市景観マスタープラン」の説明会に出かけました。何のことかいいますと、瀬戸内の多島美や、人と自然の共生景観を保全していこうという取り組みで、平成16年に公布された景観法を受けてのルール作りだそうです。

 罰則や共生執行力を持つ条例なのかどうか不明で、条例の特例を設けるのかどうかも分かりませんでした。(質問者もいなかったし、ぼくも市側に面識のある人がいたので質問せず)
 とはいえ、かつてのように行政自らが乱開発に手を貸していたことを考えたら、こりゃ前進したんじゃなかろうか。

 帰ってきて地元企業と「いったいどいうことじゃ?」について会談したんですが、簡単に解決できる問題ではないのかもしれません。損長としても損のし甲斐ががあろうってもんで、くっそう!

島おこしロードを歩く

2011年01月23日 | 暮らしの落とし穴
 伊予国、愛媛県の南部を南予と呼ぶんですが、南に位置する甲斐もなく、うちの島よりずっと寒いです。内陸にあって標高も高いせいか、内子町もかなり寒かった。歩き直し遍路のとき、早朝から21時すぎまで歩いて泣きそうになったけど、素敵な出会いがあって掬われた土地でもあります。

 あのときは先が読めず内子の町並みを観る余裕は無かったので、今回のB級グルメシンポジウムに参加する前に立ち寄ってみました。
 白壁の古い町並みは地元の方々の努力によって保存されているのであって、長浜市の黒壁スクエアのように復刻された観光スポットではありません。卯之町の白兎ロード(ぼくが勝手に呼んでいる)のように生活の匂いを感じる情緒豊かな一角です。
 ただ土産物はいけない。余所から仕入れた商品と思われるものが多く、和蝋燭のように地域に根ざした伝統的商品は少ないのです。

 内子から八幡浜へ向かいましたが、森進一が歌ったのを考えても分かるように、かつては栄華を誇った港町です。九州との交流が盛んなこともあってか、八幡浜ちゃんぽんが有名です。
 もっとも、初めからちゃんぽんが有名だったわけではなく、地元の商工会青年部の仕掛けたブームで、だからこそB級グルメのシンポジウム会場に選ばれたようです。

 会場には地元メディア各社が集っていましたから、新聞やテレビなどで報道されたでしょうか。B急なだけにゆるめの会だったんですが、地元高校生の努力作なんかも食べさせていただきました。
 会は緊張感ビシビシという雰囲気ではなかったものの、皆さん生真面目に一生懸命地域おこしを考えている姿勢に打たれました。我々の島おこしはもっとぬるま湯なのでございますぅ~はい~。

A級戦犯とかB級グルメとか

2011年01月22日 | 暮らしの落とし穴
 B級グルメとはなんぞや? いいましたら、A級グルメではない、という意味なんだそうです。血液型B形の人がA型の人より劣るのかといえばそうではないのと同じで、B級グルメはA級グルメに劣るわけではないのだそうです。
 B級映画というのは、低予算で短期間に撮影されたという定義はあっても、高予算で長期にわたって撮影された映画より劣るわけではないのだそうです。とはいっても、これがA級映画でこっちがB級映画であると、はっきり線引きできるものではないのだとか。

 しかしなぁ、そもそもぼくはA級グルメというのを知らんのですよ。ファストフードをB級と呼ぶのは簡単だけど、ハンバーガーを作るにしても、パンの原料となる小麦を植え、牛を育てて一から自分で作れといわれたら気が遠くなるような時間と労力が必要になりますよね。歩きながらでも食えるという点でならファストフードかもしれないけど、作る立場に立ってものをいうなら、ハンバーガーはスローフードに違いない。

 じゃあ蕎麦はどうなんだろう。自分で蕎麦を育てて収穫し、石臼で粉にして自分で打ってみた限りでは、案外ファストフードに分類できるかも。じゃあA級なのB級なのと聞かれたら……どっちか分からん!
 A級戦犯とかいうじゃないですか。英語の原文で級はクラスではなくカテゴリーで、本来の訳は「A種」となるのだそうです。F1カーとインディーカーはどちらが早いのかという疑問と同じく、A級戦犯とB級戦犯のどちらが重い罪なのかと、同じ土俵で考えてはいけないのだとか。

 蕎麦屋さんに行って「蕎麦はA級かB級か」とたずねたら、「てめーこのやろ、うすらとんかちのこんこんちきめ、こちとら江戸っ子でぃ!」みたいな反応が返ってきそうじゃないですか。だけどラーメンがB級なら蕎麦もB級で何の不都合がありますか。
 というより、時代はBを求めているのではないか。島おこしするならBに乗っからないと取り残されそう。島おこしのためなら、B級だろうがC級だろうが、プライドなど捨ててやろやないか。