らんかみち

童話から老話まで

お接待は、祭りだ!

2013年04月30日 | 暮らしの落とし穴
 当地にとって遍路市というのは200年続く、祭りみたいなもんか。宿屋を営んでいる人は別として、札所でお接待に励む一般の人たちにとっては何の実利もない。にもかかわらず、お接待競争が過熱してお遍路さんたちを甘やかしてしまった苦い過去がある。

 良く云われるように、お遍路さんと共に歩く御大師さんに対して「同行二人だから、お接待をすると現世利益がある」と思ってお接待する人は多くない。ただ単にお接待が好きなんじゃなかろうか。義務だと感じていたら、朝の4時からおにぎりをにぎるなんて辛すぎて200年も続けられないと思う。
 
 ぼくが子どものころ、お遍路さんは歩いていた。二泊三日で回れる島四国八十八か所とはいえ、結構厳しかったんじゃないかな。だからこそ無料の善根宿があったし、お接待がなくては歩けないような人たちが回れていたんだろう。

 ボロボロ、ドロドロのお婆ちゃんが一夜の宿を求めて戸口をたたく。断られることも多いけど、「うちに来てくれるなんて、あら嬉しや!」と、喜んで迎え入れられる。そうやって年に一度の生涯に亘る付き合いが始まったりするんだよね。
 
 お接待に実利は無いわけだけど、感謝の言葉はいただける。それは嬉しいわけだけど、それぐらいの満足では島を挙げてのお接待には繋がらないと思う。年に一度だけ、御大師さんと一緒に歩く人たちが大挙してやって来るという非日常性が素敵なんじゃなかろうか。うん、やっぱ祭りなんだ!

遍路市の初日は・・・

2013年04月28日 | 暮らしの落とし穴


 遍路市の日、晴れて良かった。明日も明後日も遍路市なんだけど、当地のお接待は本日限り、それも午前中でほぼ終わり。おばちゃんたちはおにぎりなんかを接待するんだけど、納経印を押すのは爺ちゃんたちの役目。

 おばちゃんたちを指揮しているのが誰か知らないし、そういう人はいないのかも知れないけど、爺ちゃんたちを指揮するのは、ぼく。
 爺ちゃんたちはこの地に住んで何十年のなので今さら指揮ってことも無いはずなんだけど、意外なことに新参で門外漢のぼくがタクトを振らないと上手く行かない。女性陣と違って、日頃から親密な付き合いが無いからだろうか。

 
 天候に恵まれたこともあって人手は例年を上回ったかも知れない。だけど大型連休にかかってしまったので、ハワイとかに洒落込んだ方も多いかったのかな。
 来年からは御大師さんの命日である旧暦の3月21ではなく、4月の第三土曜日からの3日間となる。お遍路をする側もお接待する側も、続けやすくなると信じているんだけど……。

生きるために、ぼくは狩るし釣る

2013年04月27日 | 暮らしの落とし穴
 ブルーギルという魚は食べたこと無いけど、ブラックバスは美味しい魚だと思う。でも琵琶湖の鮎より美味しいのかと問われたら、NOぉぉぉ~!
 
 琵琶湖の畔に住む姉から、小鮎の飴煮が送られて来た。これは今の時期の最大の楽しみなんだけど、小鮎が高級魚になってしまったので簡単には食べられない。琵琶湖が生活排水で汚染されたこともあるけど、ブラックバスやブルーギルの餌になっているんだね。
 筍の季節なのに、まだもらったことが無く、買って食べている。筍は猪の餌になっているんだね。

 猪の問題とブラックバスの問題は一見すると似ているように思うけど、ブラックバス釣りがスポーツの一つとして認知されているのと違って、猪は猟の対象か駆除の対象として見られている。が、どちらも生活の主な手段でないことは明白だ。
 
 思うに、猪猟をやる人とバラックバスを釣る人の立場を取り替えて実施してみたらどうなるか。ブラックバスのキャッチアンドリリースをマナーと考える人が猪をキャッチアンドリリースする。猪猟をする人に、決してバスを殺すなと警告する。
 マタギに魚を釣らせ、漁師に猪を撃たせる。両方に順応できる人はいるだろうけど、イデオロギーみたいなものを自己消化できるだろうか。ぼくは釣ったら食うし、狩っても食う。生きるために、そうする。

来年から遍路市の日程が変更になる

2013年04月26日 | 暮らしの落とし穴
 めちゃくちゃ忙しいというほどじゃないけど、今月の頭からパラリ、パラリと行事や会議続き、ゴールデンウィーク開けからまたポニョ、ポニョと会議などが連なっている。本日は自治会連合会のちバラ祭り会議。



 今年の遍路市は例年通り、御大師様の命日である旧暦3月21日を最後とする3日間だけど、来年からは新暦4月の第3土曜日を初日とする土・日・月の3日間となる。通称「堂守」と呼ばれる札所の責任者はもとより、お接待などに関わる周辺の方々が高齢化して、「もうやってられなくなるよ」と危機感を訴えているんだね。



 この日程を変更したらどんなことになるのか、やったことがないので誰にも分からない。休日が絡むので来場者が増えるであろうことは予想しているけど、もしかしたら「こんなの遍路じゃない。自分は昔の通り巡拝する」という方もおられるだろうか。
 お接待する側としても伝統は大事にしたいんけど、精神だけを受け継いで当代に即した遍路市の有り様を模索していこうと思っている。

人は誰しも自然破壊に手を貸している

2013年04月25日 | 暮らしの落とし穴


 雪国に住む姉から山菜が送られて来た。写真左から、タカノツメ、コゴミ、コシアブラ。コゴミというのは今回ぼくも初めて聞いたし、タカノツメを唐辛子のことと思っている人も多いだろう。姉に教わるまで全て知らなかった。

 これらを天ぷらにしてみた。悪くはないんだけど、コシアブラ以外は特徴が良く分からなかった。これだったら柿の新芽だって同じくらい美味しいといえるし、同じくらいどうでも良いといえる。

 天ぷらにしたら良く分からない味もバター炒めにすれば、くっきりした味の輪郭が見えてくる。アクというか雑味も残るけど、春の恵みを頂いているんだなと感じる。特にコシアブラは素晴らしく、肉を食べているような旨味がある。育ちすぎたものは獣臭いけど、それさえタラの芽などにはない旨さだと思う。

 コシアブラの苗もくれたんだけど、既に植えているので他の人に託した。寒い地方に自生する木らしく、当地では栽培の難易度が高いかも知れない。それに、こういうことに手を下すこと自体が自然破壊に手を貸していることになるのかも。ブラックバスを野池に放つほどではないかも知れないけど……。

老人会に出席して、自分の立ち位置に気がつく

2013年04月24日 | 暮らしの落とし穴
 ご祝儀だけ誰かに託せば、ぼくなどが遅刻しようが欠席しようが表だって咎め立てられることは無い老人会総会だけど、地域で最も強大な組織であることを考えたら万難を排してでも出席しないわけにはいかない。
 昼間から酒を飲むのは本意じゃないけど、自分の歳の倍近い方から「わしの酌に不満があるのか」と、保命酒を注がれたら、断れんよぉ~!

 カラオケ、日舞、詩吟などなど最後まで捕まって臨席してしまったんだけど、発表会って趣か。なんもかんもミスだらけで、真剣に聞いたら腹が立つ。金を払ってこれを見せられたら逆上……というか、ご祝儀は出しているけど……。
 プロの演奏家じゃないんだから、失敗を楽しむくらいでないとやってられない。爺ちゃんたちが受けを狙ってバカを演じるんだけど、思っていたより面白かった。たぶん、自分が老人会へ入会する資格を満たし始めているんだろうな。

行列の出来るコイン精米

2013年04月23日 | 酒、食
 とても美味しいという評判の地元米が手に入った。生産者の爺ちゃんとは親しい。だからといっ、米をすんなり売ってもらえるかといえば、そう簡単な話じゃない。今夜食べる米が無いから只で欲しいと懇願すれば譲ってくれるだろうけど、30kg欲しいと申し出たところで「それは無理じゃわい」と断られるだろう。出荷先は決まっていて、毎年のように注文していない者が割り込む余地はない。

 ということで別ルートで手に入れた。いうなら闇米なんだけど、それでも30kg単位の玄米なので、20kgは米所に暮らす姉家族に送った。嫌味かなとも思ったけど、「普段食べているのよりワンランク上の米だ!」と賛辞をもらった。
 ブレンドするのが基本といわれる米だけど、爺ちゃんの米は一枚の田んぼで作ったコシヒカリの単一種だ。コシヒカリ単独のブレンドというのは多いかも知れないけど、一枚の田んぼから採れた米というのは市場に出回ることが少ないと思う。



 玄米で保存されているため精米をしなくてはいけないのでJAのコイン精米機に出かけたところ、並んでいるじゃないか! たまたまだろうけど、2台の軽自動車が精米に来て並んでいる。




 初めてのことなので失敗したら恥ずかしいので、ちょっと時間をずらせ、まずは玄米を10kg投入する。100円で10kgを精米してくれるので、精米歩合は「標準」のボタンを押す。



 ガーっと音がし始めて3分くらいで精米は終わったろうか。途中で手を出してみると、温かい! 精米された米は、ぬる目の風呂くらいの温度で落ちてくる。米を受けた手はネチャネチャして、米がいかに油を含んでいるかが分かる。終わってみると、8.5kgの出来上がり。味は、まだ食べていない。

てっきり北がミサイルを撃ったとばかり

2013年04月22日 | 暮らしの落とし穴
 淡路島を震源地とする先日の地震による被害は無かったけど、精神的ダメージは相当なものだった。防災無線がけたたましい音を鳴らしたので、二日酔いの寝ぼけた亜頭でも地震が来ることは分かった。
 ベッドの下にでも潜れないかと、ベッドに腰掛けて考えようとしたが、揺れが来ない。その代わり頭上を、ジェット機のような轟音を発しながら何かが飛び去って行くのが聞こえた。打ちやがったか!

 てっきり北朝鮮がノドンを打ったと震え上がったんだけど、よく考えたらあれは弾道ミサイルなので、一回大気圏外に出た後は引力によって落ちるだけだから、真上から音もなく(ということもないけど)やって来るんだよな。あのときはそこまで考えなかった。けど、確かに大きな音が聞こえた、気がするんだけど……。

 イスラエルには「アイアンドーム」という、パレスチナからのミサイルを迎撃するシステムがあって、ほとんどのロケット弾は打ち落とせるらしい。しかし北朝鮮の弾道ミサイルはそう簡単に迎撃できるもんじゃないのだとか。
 う~ん、あちらさんはハリボテのミサイルを配備して「打つぞ」とジェスチャーしているかも知れないけど、迎え撃つ側は実戦を想定して万全を期さねばならない。割に合わんと分かってはいても、経済制裁は解除出来ない。難しい話だ。

道役に出ないから罰金を取るってことは考えてない

2013年04月21日 | 暮らしの落とし穴
 島四国八十八か所、遍路市という年に一度の行事があって、全国かどうか分からないけど、遠方より巡拝のお客さんたちが来られる。遍路道が草ボウボウでは同行二人の御大師様にも申し訳がないということで、毎年この時期には村総出で草刈りなどを実施して巡礼の方々をお迎えするのが恒例となっている。

 このタイミングが結構難しくて、早く草刈りをやってしまうと、お遍路さんが来るころには草が伸びている。直前が望ましいけど、雨が降ったら中止にしなくてはいけない。予備日を設けたいところなんだけど、当地では水路掃除を同時にするので、干潮の時間に合わせるのでスタート時間に悩む。
 損長になった当初はこれがうまく出来なくて、「潮が満ちてきたぞ!」と、村人に中止を勧告されたこともある。

 本日は天候に恵まれたけど、奉仕活動に出てくれた人が少なくて苦労した。10年前、いや5年前でもこの行事に苦労することはなかった。それが今や、人を雇いたいくらいの状況なのだ。しかも活躍してくれているのは後期高齢者と呼ばれる人たちだ。「もう帰ってくれて構いませんよ」と、労わざるを得ない。
「奉仕活動に出ない家からは罰金を取れ」という意見もあって、そんなのは今まで無視してきたけど、考慮しなくてはいけない状況になったんだろうか。だれか良いアイデアを教えてくれ。