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■中橋修展 立体・絵画・版画(2024年7月13~21日、札幌)

2024年07月20日 08時39分31秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 グループ展や個展など精力的に活動してきた札幌のベテラン中橋修さんが、札幌市東区で過去の作品も交えた個展を開いています。

 最も古いのは1972年の「親子」。ガッシュによる具象画で、中橋さんによれば、若さゆえの勢いのようなものが感じられて愛着があるそうです。
 ただし具象絵画はこの1点。
 お店の左側(テーブルが並んでいるほう)に展示されているのは、ほとんどが2019年以降の作品です。

 冒頭画像は最新作のアクリル画「流転」。
 中橋さんらしい、ギリギリまで要素をそぎ落とした構図です。
 三岸好太郎・節子賞で入賞した作品にも共通する画風だと思います。

 
 額にアクリル板が入っていて光を反射しています(写真が下手なことの言い訳で、すみません)が、「天と地と」のシリーズ。
 クリアな青と黒だけによる構成です。

 このほか、小さな青い丸を黒い背景に打っただけなのに哲学的なたたずまいを感じさせる「ここにいる」、淡い2色の色面を配置した「明日あすを信じて」などのシリーズがあります。
 最新作は「それでも明日を信じて」。
 シンプルな画面には、世界中で絶え間ない戦火や、日本の政治の堕落などを憂う作者の心境と「それでも絶望してはいられない」という思いが、静かにこめられているようです。
 


 メインの展示室には「内包」(2009)1点だけが鎮座しています。

 手前のスペースがあいているのは
「空間全体を見てほしい」
という作者の意向です。

 
 同じ大きさの白いアクリル板を組み立てた、いすの形をしています。

 240×140×140センチの大作。
 塩化ビニール板で補強しています。

 この画像は少し露出をアンダーに撮影しています。
 午前と午後では、カウンター側から入り込んでくる光の具合が異なります。
 
 
 これは、いすのゆめ (2009、コンチネンタルギャラリー)と、本郷新記念札幌彫刻美術館で開いた個展 (2013)に続き、3度目の発表になるとのこと。

 次の画像の青い立体も今年の新作。
 旧作をリサイズして作り直しました。
 


 ふだんはいろいろな作家の物販コーナーとして利用されている一角にも、1990年代以降のさまざまな立体などが、キャプションなしで並んでいます。
 
 ひときわ目を引くのは、昨年のらいらっく・ぎゃらりいでも披露したスタイルの、過去の展示記録。
 音楽演奏とコラボしたり、民家でインスタレーションを展開したりといった、さまざまな試みを展開してきたことがわかるようになっています。
 


2024年7月13日(土)~7月21日(日)午前10時〜午後6時 ※火曜日休み
茶廊法邑(札幌市東区本町1の1)

□ブログ「ある日のひとこと」 blog.goo.ne.jp/nakahashiosamu


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中橋修個展 (2001、画像なし)



茶廊法邑への道(アクセス=環状通東駅から)

・地下鉄東豊線「環状通東駅」2番出入り口から約800メートル、徒歩10分

・市立病院前、札幌駅北口などから中央バス「東63」(東営業所行き)に乗り「北8条東17丁目」で降車、約680メートル、徒歩9分

、バスセンターから中央バス「東3」(東営業所行き)に乗り「北8条東17丁目」で降車、約680メートル、徒歩9分

・地下鉄南北線「北18条駅」で、中央バス「東62 本町線 東営業所行き」に乗り継ぎ、「本町2条1丁目」降車、約470メートル、徒歩6分

※駐車スペースが店の前と後ろ側にあります


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