「ナイロンと綿によるスタッフィング」という技法で、立体造形に取り組んでいる井越有紀さんの個展。ストッキングに詰め物をして縫い合わせるーといったイメージでしょうか。
これまではインスタレーションの個展もありましたが、今回は「一個一個を見せたかった」ということで、それぞれの作品が独立して展示されています。白い台も、会場にあわせて自作したとのことです。
部屋に入って、向かって左側は、昨秋に函館で . . . 本文を読む
伊藤隆弘、伊藤三千代、菅原尚俊、野村裕之、藤田尚宏、山本良鷹、渡辺行夫、渡部陽平の8氏による、ギャラリーレタラの企画展。
画像は、手前が菅原さん、その奥が渡部さん、さらに奥の台座に載っているのが伊藤三千代さんの作品。
昨秋、展覧会企画を思いついたときにリストアップしたところ、札幌圏でいまもコンスタントに石の彫刻を作っている人は、この8人しかいないことがわかったという。
札幌の野外彫刻 . . . 本文を読む
棒状の鉄を連続させて躍動感のある動物の彫刻を作る、札幌の彫刻家。
団体公募展には所属せず、おもに個展を発表の場としているため、おそらく最もさかんに道内で個展を開いている彫刻家のひとりだと思います。
今回は作者の許可を得て、メイン作品の動画を撮影してYouTubeにアップしたので、ご覧ください。30秒です。音声はミュートしたほうがいいです。
この作品は「弧空」。
馬をデフォルメ . . . 本文を読む
個展のタイトルにはいつも「木彫三昧」とつけている札幌の木彫家、小笠原み蔵さんは、プロフィルによると1939年生まれだから、ことしで78歳ということになる。
それで、年に数度にわたる個展を開いているのだから、驚くべきエネルギーである。
冒頭画像は、カーリングで、いかにも時宜を得た新作である。
冬季オリンピックで銅メダルを得たLS北見の選手はもっと美しいぞ―という声が聞こえてきそうだが、小笠 . . . 本文を読む
苫小牧を拠点に、現代アート、金工、彫刻など幅広い分野で精力的に制作・発表を行う一方、「樽前Arty」としてアートと地域をつなぐ活動にも取り組む藤沢レオさん。
2月に、札幌の西28丁目駅近くにあるカフェの壁で1カ月間、小品11点による個展を開いていました。
作品はいずれも、太い針金を曲げてつくった壁掛け型の立体です。
線を空中に走らせたような、シンプルな美しさが光ります。
半数は、一部 . . . 本文を読む
昨年の展覧会ですが、まだ書いていなかったので、簡単に紹介しておきます。
北広島在住あるいはゆかりの4人によるグループ展。
上ノ大作、谷口明志、藤沢レオ、武藏未知(藏は蔵の正字)の4氏が出品しています。
「北広島のコンテンポラリーアート」という副題がついています。この展示内容が果たして contemporary なのかどうかはちょっと留保したい気持ちがありますが、それはあとで書くことにしま . . . 本文を読む
(承前)
前項が長くなりすぎたので、続きを別項にした。
藤戸竹喜さんは1934年(昭和9年)、美幌(現オホーツク管内美幌町)生まれ。
1歳になる前に母親と死別しており、その後、旭川の近文コタンに移る。
近文の国民学校(小学校)は2年で中退。父親に熊彫りを習うが、図録によると、息子の作って持ってきた木彫りを黙って火にくべるような厳しい指導だったようだ。
その後、阿寒湖の土産物店で腕を磨 . . . 本文を読む
美術館学芸員が図録の文章に「神技」とか「藤戸に表現できないものはない」「あまりのリアルさに目が釘付け」などという表現を連発していれば、「いくらなんでも大げさでは」と眉をひそめたくなる人もいるだろう。
しかし、実物の作品を目の当たりにすると、学芸員の大仰な形容もあながち的外れではなく、むしろいくら称賛の辞を書き並べても足りない―という思いを抱くのではないだろうか。
阿寒湖畔に住み、自ら . . . 本文を読む
最後の開催となった「ハルカヤマ藝術要塞2017」ファイナル・カットの様子を、6回に分けて紹介します。
これまで、帯広コンテンポラリーアートの紹介も終わっていないし、ハルカヤマ藝術要塞についても、きちんとアップしているのは第1回だけで、かなり気が引けます。
しかも今回は過去の「ハルカヤマ」に比べると、人数、作品サイズとも小規模です。
とはいえ、言い訳ばかりならべていてもしかたないので、さく . . . 本文を読む
(ギャラリーの許可を得て撮影しています)
先ごろ、第2回「本郷新記念札幌彫刻賞」に選ばれたばかりの、札幌の彫刻家、加藤宏子さん。
控えめな性格なのか、授賞式の席上でも触れていなかったのですが、じつはギャラリーミヤシタで個展を開いていたのでした。
案内はがきも、筆者が見た範囲では市内の画廊でも会期後半に少し出回ったぐらいなので、知らなかった人が多いのではないかと思います。
見ることがで . . . 本文を読む
notice : All photographs are permitted by the gallery.
「三昧ざんまい」という語がある。
古代インドで用いられたサンスクリット語に由来し、一心不乱に夢中になるような状態をさす。
道内を代表する彫刻家のひとり、國松明日香さん(札幌)の個展会場で脳裡に浮かんだ語が、この「三昧」だった。まさに「彫刻三昧」と形容したくなるような境地がそこにあ . . . 本文を読む
札幌のデザイナー、畑江俊明さんが、昨年8月のギャラリー門馬アネックスに引き続いての個展を開いています。
フレームワイヤを熔接したり、折り曲げたり…。
それらを自立させたり、天井からつるしてモビールにしたりして、いかにも遊び心いっぱいの作品が並んでいます。
「モダンな会場なので色を塗ってみました。好きな色ですけど」
と、はにかむように笑う畑江さん。
幾何学的なかたちが並ぶなかに、「サー . . . 本文を読む
(3月12日夜、画像を追加しました。ギャラリーの許可を得て撮影しています)
渡辺行夫さんは1950年生まれの彫刻家。
地元・小樽市銭函に近い春香山で、2011年から隔年で開かれている大規模な野外美術展「ハルカヤマ藝術要塞」の実行委員長を務めてきました。
実作面でも、故郷の紋別市にたくさんの野外彫刻(このページ下方のリンクを参照)にあるのをはじめ、洞爺湖ぐるっと彫刻公園に設置された「風待ち」 . . . 本文を読む
札幌彫刻美術館の前庭で、毎年3日間だけ開かれている催し。
テレビのキャラクターなどが並ぶさっぽろ雪まつりにくらべると、彫刻としての造形を意識した作品が並びます。
児玉陽美(造形作家)「大きな命のたね」
クジラのようなやさしいかたちをしています。
佐々木仁美(金属造形作家)「風の通り道」
ぱらぱらとめくれる本をイメージした作品。
風を目に見える形にするのはむずかしい . . . 本文を読む
(承前)
前述したように、野又圭司展の展示点数は8点。
すでに5点について紹介したので、残るは3点だ。
奥の、少し低くなったスペースいっぱいに展開されている巨大なインスタレーションが「「経済」という全体主義」(2015)。
この原型は昨年、リノベーション直前のホテルで開かれた帯広コンテンポラリーアート「マイナスアート」で発表されたものだと思われる。
建物は、型に入れた砂にボンドを混 . . . 本文を読む