(承前。画像は2階の小展示室)
今回(って、もう1カ月近くたちますが)の札幌行きの大きな目的の一つは、山田大揮さんの個展で行われる、小田原のどかさんとのトークイベント「<制作>行為に潜在する加害姓」に足を運ぶことでした(もう一つは、札幌国際芸術祭2020の記者発表で、このふたつが日程的にそろったことから札幌に帰省することにしたのです。異動後、夏休みと年末年始以外では初めて私用でオホーツク管内を . . . 本文を読む
(承前)
3連休の最終日は、2月12日で終わる「無辜の民」展を、本郷新記念札幌彫刻美術館でもう一度見ることにしました。
いろいろ迷った末の選択でしたが、8日に学芸員によるスライドトークが午前11時からあったためです。
ところが、地下鉄の接続が悪い上、円山公園駅でタクシーをつかまえるのに苦労し、10分以上遅れて美術館に着きました。
ふだんはそもそもタクシーにほとんど乗らないのです。たまに . . . 本文を読む
本郷新の「無辜むこの民」といえば、石狩の海岸にある晩年の大作が知られているが、それより前の1970年、「無辜の民」シリーズとして小品15点が制作され、東京・銀座の画廊で発表された。今回の展覧会は、それをまとめて展示するとともに、石膏せっこう原型や、さらに旭川・常盤公園に設置された「風雪の群像」の模型も展示している。
筆者はこの展覧会を2019年の道内ベストワンに推したが、最大の理由は、196 . . . 本文を読む
札幌近郊の長沼町(空知管内)にアトリエを構えていた彫刻家の野村裕之さんが、今春から、オホーツク海側に紋別市に拠点を移している。
さっそく、紋別の市立博物館が個展を企画した(なぜか、タイトルに野村さんの名がないが)。
紋別地方には立体や彫刻の作家が少ないこともあり、同館としては、今回の展示が、絵画など他ジャンルの作り手にとって刺戟になれば―という思いもあるようだ。
たしかに、 . . . 本文を読む
札幌市南区郊外のアトリエを拠点に鉄の彫刻を作る浅井憲一さんが、上川管内東川町の「せんとぴゅあ」の前に新作の野外彫刻を設置しました。
その作品については別項で後ほど紹介するとして、それが縁になって、せんとぴゅあIの中で個展を開いています。
せんとぴゅあIは、東川小の旧校舎を改修した施設で、町立日本語学校のほか、織田コレクションとして知られるいすなどクラフトや故藤野千鶴子さんの絵画の収蔵・展示 . . . 本文を読む
主に鉄による力強い造形の彫刻やインスタレーションを手がけてきた石狩の川上りえさん。
今回の個展は、作家自身と、会場の札幌文化芸術交流センターSCARTSの両者が主催し、同センターの「オープニング公募企画事業」の一つとして開かれた。道銀文化財団の助成を受けるとともに、クラウドファンディングで必要経費を補った。
作者のステイトメントは次の通り。
私は時々、土と岩だけからなる広大な土地に一人 . . . 本文を読む
室蘭の隣町、登別市の彫刻家、北村哲朗さんの木彫展。
札幌ではギャラリーエッセで毎年のように展覧会を開いており、これらを見た人はわざわざ室蘭まで行くには及ばないと思いますが、同ギャラリーを上回る広さの会場に、近作の大作が並んで、迫力たっぷりです。
26点すべてが2017年か18年の作品というから、その旺盛な制作意欲には、驚くばかりです。
出品作は次の通りです。
2017年
地平(レ . . . 本文を読む
名寄の国際雪像彫刻大会を兼ねて2010年に始まったさっぽろ雪像彫刻展が10回目を迎えました。
筆者は昨年など、これまで見ていない年もけっこうあって、あまり断言はしにくいのですが、今年はなかなか見応えがあると思います。
造形の確かさももちろんですが、始まったころに比べて高さも増しています。
佐藤一明(彫刻家)「大型犬」
佐藤さんがストーブ型以外の作品をつくるのはとても珍しいです。 . . . 本文を読む
(承前)
中央は「踊」(1979、ブロンズ)
後ろに見える立像は「抜海 鳥を抱く」(1982、ブロンズ)
「抜海ばっかい」は本郷新の、釣り人としての号。
稚内近傍におなじ名の駅がある。
それにしても、相当ふざけたというか、ユーモアあふれた作品である。
本郷新の代表作に「鳥を抱く女」があるが、少女のかわりに本郷本人がニワトリを抱いている様子を彫刻にしているのだ。
ちなみに、後列 . . . 本文を読む
戦後道内を代表する彫刻家のひとり、本田明二の業績を、わかりやすくまとめた回顧展。
多くの人に見てほしい展覧会だ。
本郷新記念札幌彫刻美術館は折に触れて、彼の作品を展示してきたが、本郷新などとセットの場合が多く、個展を開いたことはない。
他の美術館でも、1991年の札幌・芸術の森美術館、2010年の中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館で開かれただけだから、これほどたくさんの作品をまとめて見たのは . . . 本文を読む
空知管内長沼町の彫刻家で、近年はインスタレーションの制作・発表が増えている伊藤三千代さんが、道銀本店1階らいらっく・ぎゃらりいで、道銀文化財団企画による個展を開いている。
最近、たまにこの会場で行われる、入り口を施錠してガラス越しに中を見るという形式の展示。
あいている時間帯が長いのが利点だが、やはり、近づいて見られないのが残念。
2018年は災害の多い年だった。
胆振西部地震の陰 . . . 本文を読む
岡沼淳一さんは十勝管内音更町の彫刻家。
9月から12月にかけて、音更町の隣町の帯広市にある道立帯広美術館で
「神田日勝と道東の画家たち & 岡沼淳一木彫の世界」
という展覧会が企画され、作品を運び出したあとの工房に空間が多少生じるため、期間中の9日間限定で、自作を展示することにしました。
ただし、同美術館には、15点ほど(ほとんどが大作)が並べられているにもかかわらず、工房がすっからかんと . . . 本文を読む
抽象彫刻の大作6点のみ。
素材は、聞いていないが、発泡スチロールやスタイロフォームといった軽くて扱いやすい(成形しやすい)樹脂だと思われる。着彩した作品もある。
床に直接置いているのは「雪の庭」と「眠れる庭」。
いずれも白く、底部をのぞいて自由な曲線で囲まれている。公園にこういうフォルムの遊具が設置されていたら楽しいだろうな、と思う。
天の側(上方)の表面に、やはり曲線で囲まれた平らな . . . 本文を読む
カビラヤスヲさんは、40年ほど前に沖縄県から北海道に移住し、留萌管内羽幌町で木彫に取り組んでいる。
極東コンテンポラリーアート(北見市留辺蘂町)やハルカヤマ藝術要塞(小樽市)などに出品したが、札幌での個展は、じつに35年ほど前に、今はない大同ギャラリーで開いて以来という。
ギャラリー門馬のサイトに、詩のような言葉が載っていた。「蟲」は、虫と同じ。
蟲跡
歩行する時
あれだこれだと悩む時
. . . 本文を読む
毎年札幌で彫刻の個展を開いている数少ない作家である、登別の北村哲朗さん。
ことしは病気で入院したため「実質3カ月ぐらいで準備した」というからすごいエネルギーです。
入院中、あらためて自分や世界に思いをいたしたことと関係があるのかどうかわかりませんが、チェーンソーの荒々しい痕が残っていた表面は、のみ痕に変わりました。ただ、表面を磨き上げた作品は1点しかなく、依然として、木という素材の質感を存分 . . . 本文を読む