(長文のため、2項目に分けました)
ことし2016年をふりかえるとき、冬の谷口明志展(市立小樽美術館)と並んではずせない美術展が、野又圭司展だろう。
野又さんの作品の意義については、考えるところを【告知】の記事に書いておいたが、もう一度繰り返しておくと、半径5メートルの身近な感情に寄り添ったり、大自然と向き合ったりする作家が北海道には多い中で、彼は数少ない、社会と渡り合う美術家なのである。 . . . 本文を読む
この2、3年ほど札幌では人形の展覧会が盛んになっている。
筆者は個々の人形のよしあしはあまりわからないけれど、今回の8人展は、展示の仕方がなかなか独創的でおもしろいのでアップします。
(作者、作品名など、もし間違っていたらご面倒でもご教示ください)
左は青鬼紫杏「マリエル」。ドラマ的、演劇的な感性を漂わせていると思う。
右は天井からつり下がっている月郎雪「星降る泉」。
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帯広生まれ、NY在住の彫刻家の個展。
六花亭福住店の前などに作品が設置されているので、名前を知らずに見ている人も多いだろう。
冒頭画像は、屋外に展示されている「造形」。
リストには「ブロンズ」となっているが、水色なのでどうしてもスタイロフォームに見える。
材質が軽そうだと、どうしても、フォルムのよさとは別に存在感が薄れるような感じがしてしまう。人間は目で重さも感じているのだろうか。
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どこか遠くを見つめているような人形をつくる経塚真代けいづかまさ よさんが、吹き抜けや段差など複雑な構造をもつギャラリー門馬(札幌市中央区)の空間をうまく生かした個展を開きました。
もともとギャラリー門馬には、故・門馬よ宇子さんや、現オーナーの大井さんがが陶で作った立体が保管してありました。
ギャラリーの下見に来た経塚さんが、この球や立方体のオブジェを見つけて、個展のテーマはこれで . . . 本文を読む
鈴木吾郎さんは小樽のベテラン彫刻家。
数年前から道展や小樽市展をやめ、創作に集中しています。ここ数年もっぱら取り組んでいるのは、テラコッタの少女像です。
札幌時計台ギャラリーでの個展は2009年以来とのこと。
人物像というのは、単なる写実に見える人もいるかもしれませんが、なかなか奥の深い世界だと思います。
ただ、人間から型を取ったみたいな描写をしても、それは「リアル」ではなくて「グロテ . . . 本文を読む
加藤宏子さんは札幌の彫刻家。
もともと石を素材としていたが、2009年ごろから紙による作品に転じた。楮こうぞで自ら漉いた紙で制作した作品は、紙らしい軽やかさと、紙とは思えないほどの存在感とを両立させている。
とくに今回のメインの作品は、これまででも最大級で、会場に入った瞬間、圧倒される。
ガラス張りのギャラリーなので、南9条通からも非常によく目立つ。
先日、札幌のチ・カ・ホで開かれた「 . . . 本文を読む
本郷新記念札幌彫刻美術館は、わかっているのだと思う。
美術館は「いつ行ってもおなじものが展示されている」と思われたらおしまい、ということを。
だから、所蔵品の展覧会でも、若手作家に焦点を当てたミニ個展のシリーズ「In My Room」を開いたりして、何度も来たことがあるファンにも、あらためて足を運んでもらえるよう、あの手この手を尽くしている。
この積極的な姿勢には、ほんとうに頭が下がる思 . . . 本文を読む
遅くなりましたが、画像だけをアップして放置していたので、簡単に紹介しておきます。
手短にいうと、本郷新記念札幌彫刻美術館の前庭で、彫刻家や高校生チームなどが雪像を公開制作するもの。完成後はわずか3日間の展示ですが、さっぽろ雪まつりとはひと味異なる、造形力の高い作品が並びます。
冒頭画像、左は佐々木仁美「繋ぐ」。
右は北海道芸術デザイン専門学校「凍解―いてどけ―」。
奥は清水宏章「P . . . 本文を読む
昨年末に見た展覧会のうち、どうしても忘れられないものの一つ。
2014年、同じギャラリー犬養で、ReguReguと飴屋さんが行った「ぷうちゃんマーチ」で筆者は、「かわいらしさ」と「おぞましさ」の絶妙な同居という意味のことを書いたけれども、その思いは、いまも変わっていない。
Twitterではこの展覧会について「かわいい」という讃辞を多く目にした。ぬいぐるみがかわいいことを否定す . . . 本文を読む
展覧会の正式名称は井越有紀個展「Pequeñas obras para Eréndira エレンディラのための小作品」。
ト・オン・カフェのカウンター席の後ろに設けられたキャビネットが、小さな個展のできるスペースとして新たに誕生したのだ。
もっとも、とうてい大きなタブローなどは展示しようのないささやかな空間なので、アクセサリーの展示販売などに向いているだろうなと思われるの . . . 本文を読む
雲に標した風光をほのかに憶えている。
そこは、駅。それとも、海。
旅にでましょう、あの月まで。
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青錆に魅力を感じ日々制作しております。
この度は“旅”がテーマの作品展です。
どこかで見たことがあるような、
遠くの世界を感じていただければ幸いです。
筆者は、六花亭福住店の個展も見ているが、そのときは「月だね」ぐらいの感想しか抱かなかった。
ところが、今回は、文句 . . . 本文を読む
絵画や版画に比べると、彫刻の個展を定期的に開く人は、札幌では非常に少ない。
これは、作家の数がそもそも少ないという事情もあるが、保管や運送に手間取ることも一因だろう。
登別の北村哲朗さんは、毎年札幌で彫刻の個展を開いている、非常にめずらしい人である。しかも、木彫の大作が何点も会場に並び、たいへんエネルギッシュな作家だ。
いずれも抽象だが、さまざまなものを聯想させる、自然な形状をしている . . . 本文を読む
(承前)
谷口顕一郎さんは年、札幌生まれ。
道教大在学中からグループ展などで作品を発表していた。
「凹み」の作品に取り組み始めたのが2000年。
前項で取り上げた、篠路での「出会い」が元らしい。
(これは、おそらく同年の「篠路アートプロジェクト」のことだろう。ただし、これをネット検索しても、武田浩志さんの経歴などに出てくるだけで、全体像がよくわからない)
道路や、建物の壁などに、風 . . . 本文を読む
岩間隆さんは1947年生まれ、札幌に「アトリエ木夢」を開いている木彫家。
こんどの個展は、岩間さんの代名詞ともいえるシリーズ「哲学するブルドッグ」を一堂に並べた、ちょっと変わった展覧会です。
立体17点。このほか、レリーフが数点、会場入り口に展示されています。
右の画像は、シリーズ第1作「夏の日」。
恰幅のよい女性に、散歩に連れられているブル君です。
このほか、お手をしている . . . 本文を読む
札幌で、鉄を素材に彫刻を作っている浅井憲一さんの個展。ギャラリー門馬に、5点のみという、非常にぜいたくな空間の使い方をしている。
ここでは、一部の画像を掲げたが、実際に会場に足を運ぶと、今回の個展のキモは
「動き」
と
「影」
ではないかと思う。
前者は、写真では表現することができず、後者もなかなか写ってくれない。
したがって、興味のある人は、ギャラリーに行ったほうがいいと思う。
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