ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

人生の特等席

2012年11月29日 | ファミリーイベント
 先日の勤労感謝の日に記したと思うのだが、自分への勤労を感謝する意味もこめて、久しぶりに妻と映画を観に行った。
 
 最初は私たちの世代の男性の永遠のマドンナでもある吉永小百合主演の「北のカナリアたち」を観よう思ったのだが、妻は気乗りではなく、いずれテレビでも放映するから「ええわ」と誘いに乗らないので、妻も若い頃からよく知る、クリントイースドウッド主演の「人生の特等席」を観ることになった。

 古くは1960年代のテレビに登場していた懐かしの「ローハイド」にも出演していたイースドウッドなのだが、その当時のモノクロテレビを通じての小さな画面だったが、かっこいいロディというカウボーイ姿はとても魅力的な俳優だと、多くの日本の視聴者がファンになったことだと思うのである。

 このロディというニックネームは、ROWDYつまり「荒くれ者」という意味であるのだが、テレビ西部劇として約7年間にわたり150話近くが製作された人気シリーズとなったので、イースドウッドの知名度と人気は世界的に高まり、その後イタリアに招かれて「マカロニウエスタン」の代表作ともなった「荒野の用心棒」に出演し、「夕陽のガンマン」「続夕陽のガンマン、地獄の決闘」と都合3作のセルジオ・レオーネ監督作品で、名無しの男を演じヨーロッパでの名声を得て、アメリカに逆輸入された形で、その後は「ダーティー・ハリー」シリーズで型破りの刑事、ハリー・キャラバンを演じて、人気アクションスターとしての地位を不動のものとしたらしい。

 彼は、映画制作会社設立し、監督業と俳優をこなして、「許されざる者」や「マディソン郡の橋」「ミスティック・リバー」等を製作し、「許されざる者」では、アカデミー賞の監督賞、作品賞を受賞し、2004年の「ミリオンダラー・ベイビー」で二度目のアカデミー賞、作品賞と監督賞を74歳という最高齢で受賞している。

 2006年に「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙」を製作し、日米双方からの視点で太平洋戦争を描き、ゴールデン・グローブ賞、最優秀外国語映画賞を「硫黄島・・・」で受賞している。

 今回の「人生の特等席」は、老いたメジャーリーグのスカウトマン役であり、スタッフとしてではなく俳優としての4年ぶりの出演であるが、82歳という高齢での演技は渋くて見ごたえはあるのだが、ロードショーの映画館でのアップ画面は、少々皺が多すぎて厳しいところたが、映画に対する並々ならぬ情熱と人間性はすばらしい表現者としての姿からにじみ出ている。

 彼は、政治的活動にも積曲的で、1986年にはカリフォルニア州の西海岸のカーメル市の市長に当選し、1期2年間だけ市長を務め、その後も民主党のカリフォルニア知事の退陣を迫る投票を呼びかけたり、民主的な政治家の政治参加を求めるテレビCMを製作したりし、2003年5月には開戦したばかりのイラク戦争に対して、「極めて重大な過ちを犯した」と批判したりもしている。

 話は「人生の特等席」に戻るが、野球好きな私にとっては、とても楽しくもあり、また幼い時に別れてしまった娘との再会、そしてその娘が老いた父を労わりながら、少しづつ自分の父との7わだかまりを解消しつつ、昔父がスカウトしてメジャーリーガーになった男だが、肩を壊して現役選手としてはリタイアしている青年との恋に何とかゴールインし、父としてのイースドウッドが車ではなく、バスで一人で帰るといったラストシーンで終わるのである。

 老いて目がしっかりと見えなくなった主人公は、娘が幼い頃に連れまわした野球場や試合の状況から、いつの間にか野球通になっていて、彼女が最後には無名の選手のスカウトをして、球団関係者を唸らせるという「おまけ」もついていて、さすがアメリカ映画のサービス精神も兼ね備えた秀作であったと思う。

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