ガリバー通信

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次期首相選び?

2011年08月20日 | 日本の課題
東日本大震災から五ヶ月余が経過したが、昨日も震度5弱の余震がまだ続く東北地方を中心に、福島原発事故の放射能汚染、被害は延々と続き、いつ終息するかという目処は全く立っていない現状の日本は、アメリカ経済の不安感の煽りも受けて、円高の兆候に止めがきかず、経済、雇用、エネルギー問題をはじめとした政治的課題が山積している。

 そんな状況下のニッポンなのに、政府を担っている責任政党である「民主党」は、ようやく菅直人首相の退陣という道筋を明らかにしつつ、八月下旬から九月にかけて、次期首相となるべき民主党代表選挙を行うぺく、立候補を予定する候補者たちが推薦人確保をはじめ、党内外で色めき立っている様子である。

 一方、福島、宮城、岩手の東北三県を中心に、震災、津波からの復興事業は徐々には進んではいるものの、原発事故による放射能災害は益々影響が広がり、多大かつ残念な結果が拡大する状況となっている。

 無添加、有機農産物のやおやの取引先の中にも、福島県いわき市の魚介類加工会社や福島県郡山市の鶏肉生産会社があり、魚介類加工に関しては、わかめ、のり、昆布類が全く震災後三陸産は入荷しないばかりか、在庫にあったものも仕入れ値で二倍と高騰し、今後の見通しも立たないし、鶏肉会社は鶏たちの飼料としての米、野菜、草、そして土の上に敷くオガ粉などの放射能汚染が懸念され、五ヶ月間は格闘されてきたのですが、止む無く生産を休止することになった。

 これらはほんの一部の現実的事実に過ぎませんが、事業者にとっては生活のかかった一大事であり、自分たちの命、健康が大事ではありますが、今後の生活再建のための仕事、事業が立ち行かないという現状判断に至っているケースも多々あり、本当に原発災害は大きな人災、しかもいつまでという限度のない危機的状況を各地にもたらしてしまっています。

 今後、政府、東電、原子力事業者を中心に、多種多様な被害に対する賠償保障が遅まきながら進められようとしていると思われますが、ただ端にたお金で解決してしまえるものでもありません。

 長年培ってきた事業への投資、努力、人間関係、、技術、ノウハウなどを持っていても、もう「ここでは出来ない!」と断念した個人や事業者にとっては、今後の生活設計がたたないケースが続出しているはずです。

 目には見えない、こころの痛手や内部被曝的症状もあいまって、長期的なケアが必要なのでありますが、いずれも少しだけ見たり聞いたりした状況判断だけでは、十分な支援には届かないものばっかりではないでしょうか。

 こんな「国難」とまで言われている状況下で、国会は何をしているのかと多くの国民は思っているのですが、永田町を中心とした国会周辺の報道では、全く被災地や被災者の目線、心で支援や復興助成に当たっている人たちの姿や顔が見えるよりも、「私も代表選に出る!」という民主党のいろいろな候補者の姿、顔が連日の如く報道されていることが多くて、なんともやりきれない思いになってしまっています。

 二年ほど前に、歴史的な政権交代を総選挙によって勝ち取った「民主党」のはずですが、鳩山由紀夫首相が沖縄普天間基地の辺野古移転問題での迷走をめぐって退任した後、小沢一郎氏と代表選を争って代表に選出され、首相になった菅直人氏は震災復興への対応振りと指導力のなさからか、、野党だけでなく民主党内からも反発をかって「一定の目処がたったら・・・」という退任宣言を余儀なくされて、ちょっと粘った感はありますが、ここに来て目処の3条件がクリアされたことから、今月末の退任が見えたというのです。

 いずれにせよ、野田財務大臣、海江田経産相、北沢元環境相、鹿野農相や馬渕氏、樽床氏など、党内からの代表選出馬の意向が伝えられる人がたくさんいて、党内での推薦人確保にしのぎを削っているらしいのだが、肝心の「国難」に立ち向かうための、政治信条、政策なとが全く見えてこない中、「原発、エネルギー」、「増税、消費税」「経済政策」、「TPP(環太平洋パートナーシップ協定)対応」、「震災復興」問題への考えが不明確なまま、ただ代表になって首相になりたいだけでは国民は大変困惑しているのである。

 彼らの頭の中はどうなってしまっているのだろうか。最近のマスコミ報道では、何とまたあの実力者「小沢一郎」氏は例の4億円の不正土地購入資金問題などで民主党内での「党員資格停止処分」をされていたのだが、海江田氏も鹿野氏も、いずれも小沢詣でをして、彼の影響が大とされる140人前後の党内国会議員の支持をとりつけたいばかりに、その処分撤回を公言するに至っては、自己中過ぎる発想にしか見得ないのである。

 少なくとも、これから代表選挙までの期間に、民主党内議員に対してだけでなく、国民に対して明確な施策とビジョンを掲げ、懸案の国難に対して、如何に立ち向かうかの具体策をはっきりと示した上で、乱立の感の強い現状から、候補者を絞って少なくとも3、4人でお互いの考え方や政策の違いを議論した上で選挙に臨んでいただきたいと切に願うのみである。

 最後に京都出身の前外務大臣、前原氏の代表選出馬も決断の時期に来ているらしい。

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2 コメント

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Unknown (ハヤシ)
2011-08-21 00:31:35
先日、テレビで太平洋戦争末期の大本営の原爆に対する無策振りが報道されていましたが、現在の官邸・与党(野党も)と重なります。彼らに共通しているのは無責任さです。リーダーの一番の仕事は保身に走らず責任を取ることです。歴史的な政権交代も私には理念なき政権交代としか見えませんでした。経済政策一つをとっても大きな政府にしたいのかどうか全くわかりません。
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ほんまに (シラハマ)
2011-08-23 12:35:11
8月は、終戦のあれこれの番組が多い中、戦争後どうするのか?いわゆるGHQが全てを仕切っていくわけですが、その中でも日本らしさも随所に入れられているのです。それは、戦争中から「もし負ければ・・・」(もともと勝つ見込みのある戦争ではなかったわけですから)みたいなことが、研究されていたわけです。玉音放送でさえ、アメリカ製のレコーダーで録音されていたわけですから。
新しい首相には(誰がなって良いのですが。誰がなっても”一緒”ではないですよ)未来の明暗についての研究の指示のできる人。暗になった場合は、暗を明に変えられる創造力のある人になってもらいたいです。
間違っても現首相のような、自分の手柄だけを目指す人ではなく、適材適所に人材を配置して「ちゃんと指示の出せる人」になってもらいたい。
国民栄誉賞で、自分たち夫婦の手紙を渡すパフォーマンス。もらった人も気の毒やなあ。
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