ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

ガリバー旅行記を観た。

2011年04月27日 | 感じたこと
 選挙が終って、疲れもピークに達しているようで、夜の眠りも浅くて早朝に、まだ選挙運動中のような気分で目覚めてしまい、昼時にとっても眠気が襲ってくる感じで、なかなか疲れが取れない様子である。

 そこで、気分転換にでもなればとゴールデンウイークに向けて公開中の3D映画「ガリバー旅行記」を観た。

 私自身が『ガリバー』と呼ばれて30年にもなるので、やはり「ガリバー旅行記」の映画は観ておかないとという気持ちと、冒険ファンタジー的なスケール観とわくわくドキドキの映画の娯楽的な映像を初めての3D映画の迫力も期待して観たのだが、映画としての観おわった感想としては、期待はずれであった。

 私の書棚には、J・スウィフトの原作で坂井晴彦訳の福音館書店の「ガリヴァー旅行記」をはじめ、各種の「ガリバー本」が並んでいるのだが、この映画の設定や脚本は現代版としてアレンジされていて、主人公のガリバーは、新聞社の郵便係りとして務める気の小さな、ちょっぴり太目の小柄な青年であった。

 そのガリバーがひょんなことから恋こがれていた旅行記の編集担当の女性から、謎のバューダ三角地帯を取材する仕事のチャンスを貰って、出かけたのだが途中で竜巻に呑み込まれて、小人の国「リリパット王国」に打ち上げられて、例のガリバー旅行記のイメージでもある、「縛り付けられた姿」で目覚めるのである。

 この「ガリバー旅行記」は、長年子どもから大人まで幅広く親しまれている童話ではあるが、実際は作者のスウィフトがイギリスの政治や状況を皮肉交じりに描いたとされる部分もあって、決して子どもたち向けの「御伽噺」ではないとは知っていたが、この映画で描かれている「ガリバー旅行記」は、リリパット王国と戦う隣の国との戦いと、お妃と青年との恋やガリバー本人の憧れの君とのラブストーリーも含まれていて、本来のガリバー旅行記のテーマとは違うものとなっていた。

 でも、イメージ的には「ガリバーと小人の国」をはじめとする世界の様々な遠方民族への旅を描いた1726年に発表されたスウイフト59歳のときの作品からのヒントを映画化したに過ぎないので、映画としての盛り上がりや3D映像の醍醐味もあまり感じない、平凡な二流映画でしかなかったことは残念であった。

 GWイチバンな映画で、元気が出る率93.4%、宣伝チラシによると満足度も高く、勇気が出たとか明るくなったとか、とにかくポジティブで元気がもらえたという観た人たちのコメントが出ていたので、ほんとうに期待して観たのにガッカリであった。

 小心者の大きなヒーローが日本をちょっぴり元気にする!なんていうキャッチフレーズに騙されちゃったわけだが、少なくとも映画を観ている間だけは現実を忘れていたのだから、ちょっとした気分転換にはなったのだろうと自己満足するしかないのだろう。

 平日の夕刻と言うこともあったが映画を観終わって劇場を出たら、なんと観客は私たち夫婦と、もう一人の青年の三人だけと言う寂しい観客であった。
コメント
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