ガリバー通信

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「内閣官房報償費」って?

2009年11月21日 | ちょっと可笑しいよ
 20日の衆議院内閣委員会で、麻生前政権下の内閣官房報償費(官房機密費)の支払いの資料を基に共産党の委員が指摘したことで発覚した、8月末の総選挙後に自民党が大敗し、政権交代が確実となった時点、すなわち9月1日に、当時の河村建夫官房長官名で、何と2億5千万円もの突出した多額請求があったことが明らかになった。

 そもそも、正式名称は内閣官房報償費というそうだが、所謂官房機密費そのものが領収書や使い道を明かすことなく、自由に五千万円単位で官房長官が請求できる経費だそうで、過去麻生内閣の今年度では、4月以降の毎月1億円が内閣府会計課長宛に請求されて支出されていたらしいが、総選挙後の突出した2億5千万円の使途が自民党の当落線上の候補者に対する支援費として使われたのではないかという疑惑が浮上している。

 河村前官房長官は、「今は政権内におらず、答える立場にない」とのコメントで詳細な実態の説明は避けたのだが、現平野官房長官も、就任時には「官邸の金庫には機密費はなかった」とコメントし、いずれも「官房機密費」の使途や具体的目的などは明らかにしなかった。

 機密費そのものは、官房長官の判断で国益に直結する情報収集などに使われ、「非公開」扱いを原則としているものだそうだが、2009年度は14億6165万円が計上されていて、麻生政権下で計8億5千万円が支出され、鳩山政権下でも既に2億円以上が支出されているという。

 以前から、この「機密費」は、「権力の潤滑油」などと呼ばれていて、不透明な支出に疑惑の目が注がれているのだが、外遊する国会議員の選別や野党議員への国会対策費などにも使われていると言われ、マスコミ対策、一部有名人や評論家にも「権力批判」や「政府批判」を少なくするためにも用いられているとの噂もある。

 こんな不明瞭な国費の支出が政治家のパーティー券購入や会食、紳士服の購入など私的な目的にも乱用されている疑惑も噴出していて、2001年の外務省機密費流用事件が発覚したことから世間の注目を集め、「機密費流用防止法案」を民主党が提出したのだが、廃案となっていて、今回の政権交代で実現するのかと思いきや、透明化への動きはどうなったのか、民主党も政権につくと、「機密費をオープンにすることは考えていない」と表明した。

 確かに外交上、止む得ない状況下での「国策」的支出はありえると思われるが、せめて「私的流用」や「国会対策」「議員や評論家、有名人」への批判回避への「報償」などには使ってほしくないと思うのである。

 これに似た性格の経費として、各都道府県の警察が「捜査報償費」として支出している、有力な情報提供者に対する「謝礼」などがあるが、いずれも警察署での「裏金」としてプールされていたり、行政府の長の都合のいい支出を秘密裏に行うものとなっていてはいけないのである。

 「政治には金が要る」という権力の輩の、自由な税金流用に使われてはならない。
コメント (2)
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