私の八百屋のお客様の中に、いつも何かを料理しては来客者や近所の子どもたちに「食べて行きや」と声をかけているご年配のご婦人がいる。
私が彼女と出会ってから、まだ一年少ししか経っていないのだが、もう十数年来の友人の如く、毎週夕刻に訪問すると「時間があったらお茶でも・・・」と私を誘ってくださるのである。
遠慮のない私は、それでは「お言葉ですから」と、そそくさとお台所兼ダイニングの部屋に入って椅子に座ると、彼女は「あなご寿司」や「鯖寿司」または獅子柚子のステーキなど、季節のものやちょうど料理したところだったということで、「小腹が空いたでしょう」と机の上に何やら「おいしいもの」を載せて下さるのだ。
遠慮なく、彼女の手作りのお惣菜やご飯やお汁ものをいただくと、とっても「ほっこり」する感じで、心からの安らぎと美味しさに幸せな気分になるのである。
先日、大きな海苔に包まれた「おにぎり」を「どうぞお食べ!」とテーブルに具たくさんの味噌汁と共に載せて下さった。
しっかりと握られた、大きな「おにぎり」に、暫し感動を覚えながら、彼女に「佐藤初女さん」のお話をさせていただいた。
佐藤初女さんは、ご存知の方も多いと思いますが、1921年青森市生まれの、現在88歳になられるおばぁちゃんだが、私が知ったのは今から10数年前に、映画「地球交響曲(ガイアシンフォニー)第二番」をはじめて鑑賞したときであった。
1992年に「自然の中に憩いと安らぎの場を」と弘前市の岩木山麓に「森のイスキア」設立し、心尽くしの手料理と自然な対話で、生きることに疲れた人の心に喜びと勇気を与える活動をされている女性なのである。
私が映画を観て魅せられた記憶と共に、彼女の講演を聴いていっそう、「食べ物の持つ力と生き物を食して生きる人間のあり方」を考えさせられるきっかけとなった「出会いのそ人」だったのである。
彼女の著書に、PHP研究所発刊の「おむすびの祈り・いのちと癒しの歳時記」という本があるのだが、私の聴いた講演でのお話のひとつが「おむすびの話」だったのである。
ある三十代の青年が「自殺を願望して」旅に出た途中に、彼女の主宰する「森のイスキア」に立ち寄って、三日ほど滞在したが、ほとんど何も語らずままに過ごした後に、「やっぱり死のう!」と佐藤さんたちに別れを告げて出かける時に、彼女は大きな海苔に包まれたお握りを三つ、竹の皮に包んで持たせたという。
彼は「死に場所」を求めて列車に乗ったが、途中で空腹を覚えて、貰った「お握り」をひとつ食べたところ、「何と美味しいのか!」と感動し、こんな美味しさを喜ぶ感動を感じながら、何故死にたいなんて思ったんだろうと自問自答し、自殺をあきらめ「生きよう!」と思い直したというのである。
たった一つのお握りが、一人の若者の「いのち」を救ったと言っても過言ではない、こんなエピソードが、佐藤初女さんの日常にはたくさんあるみたいなのである。
あなたの身辺にも「素朴で美味しい心を癒してくれるご馳走」があるはずです。
私が彼女と出会ってから、まだ一年少ししか経っていないのだが、もう十数年来の友人の如く、毎週夕刻に訪問すると「時間があったらお茶でも・・・」と私を誘ってくださるのである。
遠慮のない私は、それでは「お言葉ですから」と、そそくさとお台所兼ダイニングの部屋に入って椅子に座ると、彼女は「あなご寿司」や「鯖寿司」または獅子柚子のステーキなど、季節のものやちょうど料理したところだったということで、「小腹が空いたでしょう」と机の上に何やら「おいしいもの」を載せて下さるのだ。
遠慮なく、彼女の手作りのお惣菜やご飯やお汁ものをいただくと、とっても「ほっこり」する感じで、心からの安らぎと美味しさに幸せな気分になるのである。
先日、大きな海苔に包まれた「おにぎり」を「どうぞお食べ!」とテーブルに具たくさんの味噌汁と共に載せて下さった。
しっかりと握られた、大きな「おにぎり」に、暫し感動を覚えながら、彼女に「佐藤初女さん」のお話をさせていただいた。
佐藤初女さんは、ご存知の方も多いと思いますが、1921年青森市生まれの、現在88歳になられるおばぁちゃんだが、私が知ったのは今から10数年前に、映画「地球交響曲(ガイアシンフォニー)第二番」をはじめて鑑賞したときであった。
1992年に「自然の中に憩いと安らぎの場を」と弘前市の岩木山麓に「森のイスキア」設立し、心尽くしの手料理と自然な対話で、生きることに疲れた人の心に喜びと勇気を与える活動をされている女性なのである。
私が映画を観て魅せられた記憶と共に、彼女の講演を聴いていっそう、「食べ物の持つ力と生き物を食して生きる人間のあり方」を考えさせられるきっかけとなった「出会いのそ人」だったのである。
彼女の著書に、PHP研究所発刊の「おむすびの祈り・いのちと癒しの歳時記」という本があるのだが、私の聴いた講演でのお話のひとつが「おむすびの話」だったのである。
ある三十代の青年が「自殺を願望して」旅に出た途中に、彼女の主宰する「森のイスキア」に立ち寄って、三日ほど滞在したが、ほとんど何も語らずままに過ごした後に、「やっぱり死のう!」と佐藤さんたちに別れを告げて出かける時に、彼女は大きな海苔に包まれたお握りを三つ、竹の皮に包んで持たせたという。
彼は「死に場所」を求めて列車に乗ったが、途中で空腹を覚えて、貰った「お握り」をひとつ食べたところ、「何と美味しいのか!」と感動し、こんな美味しさを喜ぶ感動を感じながら、何故死にたいなんて思ったんだろうと自問自答し、自殺をあきらめ「生きよう!」と思い直したというのである。
たった一つのお握りが、一人の若者の「いのち」を救ったと言っても過言ではない、こんなエピソードが、佐藤初女さんの日常にはたくさんあるみたいなのである。
あなたの身辺にも「素朴で美味しい心を癒してくれるご馳走」があるはずです。