ガリバー通信

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「食の安全」法案とは。

2008年03月10日 | 日本の課題
 最近、多くの人たちが「食の安全」について、何を信じたらいいのかがわからないとおっしゃることが多くなった。

 昨年のミートホープ社の牛肉偽装事件に端を発した感のある「食の安全性」を揺るがす各種の事件が、消費者の不安を煽っているのだ。

 「雪印乳業」「不二家」「白い恋人たち」「赤福」、そして老舗料亭と称された「吉兆」など、数々の「生産地偽装」「記載以外の食材」「賞味期限切れ」などの、業者が食品の情報を偽っても売りたいとの「商魂」から出た事件が続けて発覚した。

 そこで、与野党を問わず、「食品の安全」を重視した政策の必要性を主張しだして、民主党は「食の安全」に関する合同部門会議を開いて、「食品安全庁」の新設や加工食品の安全性確保策を柱とする「食の安全・安心対策関連法案」をまとめて3月中にも国会に提出するそうである。

 「食品安全庁」とは、現在の農林水産省の消費・安全局と厚生労働省の食品安全部を一元化して設置するもので、閣僚が同庁長官を務めるらしい。

 具体的対策は、
 ①食品の生産、加工などの記録を残し、流通過程を追跡できる「トレーサビリテ  ィー(生産履歴)システム」の構築
 ②加工食品製造業者への主要原材料の原産地、原産国の表示義務付け

 の二点だそうで、輸入食品に関しては海外製造工場の実地調査などの安全対策を、食品安全庁長官に届け出ることを盛り込んでいるらしいが、これで「食品の安全性」を確認、確保できると本当に考えているのだろうかと思ってしまうほどの内容であった。

 中国産餃子のメタミドボスなどの殺虫剤混入による中毒が起きた事件や食品産地の偽装などの再発防止策にはなるケースかもしれないが、根本的な「食品の安全」を確保したり、保証したりするものにはほど遠い感がある。

 事件の再発防止や対症療法のような対策に終始していて、本当の「食品の安全」を確保するための「農薬」「遺伝子組み換え」「多量の添加物」などの、長期間の摂取や体内への蓄積による「人体への影響」などを含むリスクに対する、厳しい防止策は全く含まれていない。

 「中国産餃子」事件は、「殺虫剤の混入」だけが問題だったのかを検証する必要があるし、生産地偽装や賞味期限の改ざんといった違法行為だけでなく、「食の安全」を揺るがす多種多様な添加物や農薬使用の現状を改め、規制することも真剣に検討すべき時がきている。

 確かに農薬のおかげで「農産物」が生産できているケースも多いが、土壌が痩せて自然な生態系が崩れ、下流域の水源や周囲の環境にもリスクを与えている現状があるし、多種多様な添加物の使用で「日持ちのする食品」は作れたり「見栄えのいい」おいしそうな食品は加工されるが、決して体内に入れることが好ましい添加物ばかりではない。

 一年に成人した大人が摂取する多様な添加物だけでも、一年に何キログラムにもなり、一生では体重をはるかに超える添加物を食していることにもなり、多種多様な病気や体の不調をきたす原因にもなっている場合もある。

 ぜひ、真の「食品の安全性」を高めるための「法案」を提案してもらいたいものである。
コメント (1)
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