ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

いのちを育む

2006年02月19日 | テレビマスコミ
昨夜は懐かしいパティーデューク主演の「奇跡の人」をテレビで観て、今朝は、NHKテレビの「ようこそ先輩!課外授業」の再放送で、海獣を見守る女性の獣医さんの授業を、たまたま見たのである。

 「奇跡の人」は、誰もが知っている三重苦のノーベル賞受賞者、ヘレンケラーの文字による意思確認ができるまでを描いたノンフィクション的作品であり、女性家庭教師との長期間の格闘の末、水を感じて表現する「ウォーター」を、手のひらに記す指文字で伝えるまでの感動的な物語である。

 一方の課外授業は、千葉県鴨川シーワールドに勤務する獣医である女性が、世界で五例目というイルカの人工授精などを成功させる、根気強く海の生き物達と付き合い、動物との意思の疎通と信頼関係を得るまでに至った長年の経緯と今が、小学生達との一泊二日の課外授業という形で語られていたのである。

 昨日起きた悲しむべき幼児殺害事件も含む、多くの「いのち」が粗末に失われている現代社会にあって、この二つのテレビマスコミが伝えた番組は、あらためて人間や動物の「いのちの尊さ」とコミュニケーション、つまり意思伝達の大切さを教えてくれているのである。

 何故に、このように「いのち」が軽んじられ、ちょっとした憤りや不満、ストレスなどにより「殺害事件」が起こされてしまうのか。

 「いのちの重さは地球より重い」と誰が言ったと昔から教わってはいるが、本当に『命の尊さ』を秤にかけて重さを量った人はいないわけで、いつの世にもいのちが軽く、ほり出されてきたのではないかと思ってしまうのは、私だけではあるまい。

 「いのちを育む」とは、「いのちの重さ」と共に「いのちの尊さ」「いのちの喜び」を感じることであり、現代の若いお母さんやお父さんにとっては、「子育て」はしんどく、お金のかかる大変なことみたいだが、決して大変な困難や苦しみ、辛さだけではなく、大きな喜びに通じる仕事であることに気づいてほしいものである。

 ヘレンケラーの様な重度の障がいを持つ人間でも、また哺乳類で海に住む、体は大きいが人間の言葉や感情を知らない海獣たちも、結局は人間の努力と愛情で、障がいや壁を乗り越えて、お互いを認知しコミュニケートできるようになり、信頼関係による成長や発達、また表現の獲得に繋がる「育ち」を見るようになったのである。

 先週旅した広島県福山市に住む、重度の障がいを持つ養護学校の中一になるS君とお母さんのNさん、移動八百屋で毎週顔を出す宇治の「ゆめハウス」に通う障がいのある青年達、京田辺の「緑の風作業所」の知的障がいの昔からの仲間たちも、みんな素敵な人間であり、私は彼らと「いのちを育む」過程で、出逢えた喜びを感じているのである。

 各々彼らの持っている「生きるエネルギー」と、持って生まれた、とっても素敵な感性に、多くを教えられ、純粋さ、素直さ、わかりやすさを、あらためて私自身の「いのちの育み」に活かして、これからも生きて行きたいと思うのである。

 イルカとも話せたら、どんなに人生の幅や奥行きが広がるだろうかと、ひとりつぶやきながら、誰ともゆっくり分かり合うための時間と努力が「いのちを育む」ためには必要だと、強く感じたのである。
コメント (1)
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