ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

ジェイコム株の誤発注。

2005年12月17日 | 世界の問題
 何と61万円で一株購入するはずが一円で61万株購入と言う、とんでもない過ちの発注がなされてしまったのである。この事件で外資系の証券会社や個人の株式取引も含め、数百億の利益が出たというのである。

 私の若い友人のひとりが、現在大阪証券取引所に勤めているので、この事件について問うてみた。

 現在の証券取引は、パソコンの中での取引が主体となっているため、人間の心とかけ離れたところで取引がなされている感じで、相手も見えない入力がシステムに乗っかって勝手に株式取引されている感じでもあると言うのである。

 私は小学生の頃、親がある数社の会社の株を少しだけ持っていたので、子どもながらに、毎日新聞の株式欄を見ていたことがあって、一円上がれば2000株で二千円も儲かるんだと思って、何ともドキドキした覚えがある。

 しかし株式の売買には、個人ではなく証券会社の仲介が必要で、その売買手数料がかかるので、相当値上がりしない儲からないものだと教えられたのである。

 千株、二千株程度の株式の値動きに一喜一憂していたのだが、今回の誤発注で儲けた個人でも五億円とか、証券会社は何十億という利益を得たというから、全く単位が違うし、規模が違うのである。

 実際のお金が動く感じは、殆どなくてパソコンの中の数値が勢い良く変化して行く中で、とんでもない利益が生まれたり、びっくりする様な損も生じているのである。

 今回は、一社員の勘違いに始まった誤発注なのだが、当のジェイコム株は、発行済みの上場株は、たった一万数全株だったそうなのに、その株を六十一万株も買うということが出来るのが、私には全く分からないのであった。

 株取引の仕組みやシステムが大きく時代的に変化して、パソコンを通じてのインターネット取引が主流になったため、家庭の主婦や学生たちの中にも、株取引に夢中になっている人がいると聞く。

 私が小学生の頃興味を始めて持った「株取引」だが、現代の子どもたちの中には、自宅のパソコンから既に大人顔負けの「株取引」を実際している者もいるらしいから、驚くばかりである。

 今回の誤発注事件は、あまりにも社会的影響が大きくて、法人である主要取引会社を筆頭に瞬時に稼いだあぶく銭である利益を返済する方向だと報道されているが、さて個人投資家たちは今回の利益をどのように考えているのだろうか、まだまだ不明確である。

 つまり元手があっての投資は一種の賭けと勘の世界なのだろうが、今後益々世界中の株式市場を24時間フルタイム、何処からでもインターネットで発注し売買できる様なシステムへとの要望があり、とんでもないマネーゲームが助長されることとなりそうである。

 人間は『金』に溺れ、『金』を求めて、『金』の価値に振り回されて行く。

 株式の自由化と24時間取引への「全世界の市場の開放」が招く、多くの混乱と益々の魑魅魍魎が、今後始まるのだとの警鐘を感じざるを得ない、今回の誤発注事件であったと思うのである。

 
 
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