二~三日前はつぼみだった木苺の花が、
母のそばでいつの間にか開いていました。
白いかわいらしい花です。
白い花といえば、そろそろ四月ですから、卯の花も咲く季節です。
四月を『卯月』といい、そのころ咲く花なので、「卯の花」とか。
もう一説は、卯の花が咲く月だから、「卯月」とも。
説はいろいろあるようですが。
卯の花とは空木のことですね。
もう四月は暦の上では初夏です。
桜の下で春爛漫に浮かれている真っ最中に、
もう"夏は来ぬ"なのですね。
「卯の花の匂う垣根に~ホトトギスはやも来鳴きて♪」
茶箱を出して、「卯の花点前」をすると、
決まってここの歌を口ずさんでしまいます。
ちなみに春は梅にウグイスですが、
初夏は橘とホトトギスなのだと。
万葉集でしょうか。こんな和歌も。
「橘のにほへる香かも ほととぎす鳴く夜の雨に うつろひぬらむ」大伴家持
橘はミカンの仲間のようですが、やはり花は白いですね。
桜とともに咲くユキヤナギも白。
「梨花一枝春」の梨の花も白いですね。
これから、清々しい白い花の咲く初夏に向かいますが、
いつもこの時期大変なのが、和服です。
正式には五月いっぱいは袷と言われますので、
茶席では暑くても、なかなか早々と単衣というわけにはいきません。
仕方なく五月の暑い日のお茶会用に、
胴抜きという、袖口と裾だけ袷に見えて、
胴は単衣に仕立てた着物を用意してあります。
気休めのようですが、袷よりはやはり涼しいです。
暦の上だけでなく、日本の気候も変わってきて、
もう亜熱帯だともいわれ出しています。
和服の常識も少しずつ変えていくべきかなと思うのですが。