「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

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「狸火」??

2011年12月14日 | お茶三昧



    無事是貴人


12月に入ってのお稽古でのことです。

「お茶杓のご銘は」とたずねられて、返ってきた答えが、
「狸火でございます」
狸火・・はて。
私には始めての銘です。
「どんな意味かしらね。なんで12月に狸火なのかしら」ときくと、
「一覧表にあったので・・」

さあ私もこれは勉強不足と、調べようとしてふと思いました。
「もしや・・・埋火ではないかしら」

案の定、狸と埋を見間違っていたのでした。
さっと見て「狸」と思いこんだようですよ。

そこで「埋火」(うずみび)について説明をしました。
炉中や火鉢の火を消さずに灰で覆っておいて、
翌日それを掘り起こし、種火として使って火をおこす。
茶家では、除夜釜の火をそのようにして、
元日にはそれを掻き立ててお茶を点てたりしますね。

12月の銘として、「冬木立ち」や「薄氷」のように、
冬の寒さを連想させるものも多いのですが、
「埋火」は何ともほのかなぬくもりが感じられていいなと思います。

思わず「狸」としてしまったけれど、こんな間違いをすることでも、
いろいろと新しいことを覚えていくのですよね。
ほほえましい間違いでした。

 

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