「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

「木守」と「俊寛」

2011年09月27日 | お茶三昧



「木守」とは晩秋にもぎ取らずに枝に残された柿の実のことですね。

先日こんなお菓子を頂きました。



「木守」というお菓子です。

その昔、千利休が好みの茶碗を長次郎に焼かせ、
七個を選んで六人の門弟に望みの物を取らせたところ、
趣のある捨てがたきお茶碗がひとつ残ったそうです。
利休はそのお茶碗に「木守」と銘をつけて愛でたということです。

このお菓子は、
そのお茶碗が後に伝わったゆかりの地「高松」のお菓子です。
今は現存しないお茶碗ということですが。

似たような話に、「俊寛」というお茶碗がありますね。

これは三井家所蔵で今も目にすることができます。
長次郎にお茶碗を三個焼かせて門人に送ったところ、
一つだけ残し二つは返されたところから、
鬼界ケ島に流された三人のうち二人は許されて、
一人残された俊寛の故事に因んで名ずけられたというお茶碗です。

お稽古でお茶碗の銘を聴かれて、
あれやこれやと悩むのが常のことですが、
こんな謂れを聞くことで、話がはずむ銘は楽しいですね。



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