「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

茶花

2010年11月26日 | お茶三昧

 利休道歌

  余所などへ花をおくらば其の花は開きすぎしはやらぬものなり
    

梅が咲き・・桃や菜の花・・そして桜
これからは花を追いかけ、花を楽しむ季節ですね・・・・・

茶席の花は咲き始めの風情を一番として楽しみます。
いつも思うのですが、お客様に一番良い瞬間を見ていただくのは、
とても難しいということです。

茶室に入って床の前に進み、初めて目にする花は何よりも楽しみで心に残るもの。
「いいですね・・・」というお客様の心の声が聞こえてくるような
そんな花を床におくことができたらと思いますね。

花入れに活けた時の花の姿は時が移るとともに変化して、
開き始めを活けたつもりでも一時過ぎれば、見事に満開ということも。
満開ならまだ良いのですが、可憐な野草などは午後にはしぼんでしまいます。
一輪の風情ですから、
ことさら気をつけてて見守っていなくてはなりません・・。

ある茶席でご亭主が、
朝活けた椿のつぼみが、少しほころんできた姿を見て、
「開いてしまいましたね・・・とり変えましょう」
とおっしゃったのをうかがい・・もてなしの極意に触れた思いがしましたが・・。

お茶席の花のためには、
亭主は庭の花 の開き具合を常に気にして、
「今日はこのつぼみで、明日はこのあたりが丁度良いかしら」
と心積もりをしたりして大切にとっておきます。
お客様をお招きするときに合わせて、
冷蔵庫に入れておいたという話も嘘ではないようです。

時には鉢植えでやっと咲いた一輪を、
「この花はあなたのために咲いたはなですよ」と挿すこともあります。
そんな時はお客様も嬉しいでしょうし、
私も良くぞ咲いてくれましたと感謝したい気持ちになります

 

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