世田谷馬事公苑には、数頭の遠野出身馬がいる。そのおかげで、馬事公苑を訪ねる機会が多くなった。
そのうちの一頭、コクリコは、元オリンピック選手の布施さんを背に先日の神奈川ホースショーで障害馬術のデビューを果したばかり。ところがひと月ほど前、せん痛を起こして、あわやという事態になった。けれど関係者の判断が素早く、美浦に運ばれて開腹手術を受け、今は順調に快方に向かっているとのことだ。
せん痛で開腹手術をした場合、助かる確率は五分五分、と聞いた。コクリコは、幸いにも程度が軽く、さらに他の内臓が丈夫だったために、獣医さんも「こんなに回復の早い馬はめったにいません」とおっしゃる。
すでにウォーキングマシンなどで運動はしており、来月からは、人を乗せて練習再開とのことだった。
それにしても馬とは、人との縁がその生死さえも分けるのだとつくづく感じる。
人に好かれる馬を育てるのもまた、遠野馬産の大切なポリシーである。
写真は、コクリコ(牝5)& 担当の嶌田幹也さん
父・フリーデンスラート(ウェストファーレン)
母・クリコ(ア・ア)