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GRASSの日々折々

馬好きフォトグラファーが綴る日々の1ショット。

歌舞伎の馬

2008年03月09日 | 日本の馬
歌舞伎の演目に「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」というものがある。
源氏の熊谷次郎直実と平家の敦盛の一騎打ち場面、双方の武将は馬に乗っている。歌舞伎に登場するのは、もちろん本物の馬ではなく、2人の人間が馬の人形に入って演じているのだが、これがいわゆる「側対歩」という歩き方。
右前足と右後ろ足が同時に前へ出る歩き方で、昔、馬上での戦いには、安定感のある側対歩でなければならなかったそうである。馬にその歩き方を覚えこませるのに、2、3年の調教を要したとか・・・。
歌舞伎世界の馬も、そんな歴史を知っているためか、笑えるくらい立派な側対歩だった。

けれど在来馬はその歩き方ができると聞いている。特にドサンコは、荷駄に活躍した馬で、馬自身が安定感ある歩き方を身につけたのではないかということだ。在来馬はもともと労働馬だったから、いづこの地の馬でも、側対歩ができるのかもしれない。
写真は、側対歩をする馬。「野生馬」である都井岬の馬が、山の傾斜を駆け下りるときに自然にこの歩き方をした。
2000年10月撮影。
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下北の旅(6)~純米吟醸酒「寒立馬」~

2008年02月27日 | 日本の馬
与那国同様、下北にも馬にちなんだお酒がありました。
本州最北端の蔵元(有)関乃井酒造(むつ市)の「寒立馬」。下北以外の土地では売られていないという「幻の酒」の一つだそうです。
東通村の岩屋地区の酒屋さんで一升瓶を2本購入しました。「フルーティーで女性にも好まれる日本酒」と関乃井酒造さんのホームページにはありましたが、決して甘すぎず、コクがありながらもさわやかな、とっても美味しい日本酒です。
ラベルはもちろん寒立馬。
他には、東通村限定販売の「能舞の郷」というお酒もあります。
通販で購入が可能のようです。詳細は関乃井酒造さんのホームページでどうぞ。
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お知らせ

2008年02月25日 | 日本の馬
本日2月25日発売『乗馬ライフ』4月号にて、「与那国馬」の写真と記事が掲載されました。カラー6ページです。当ブログ「与那国紀行」をまとめたものです。
全国書店、もしくは競馬場ターフィーショップにて発売中です。
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下北の旅(5)~能舞~

2008年02月23日 | 日本の馬
東通村から寒立馬を含めたパンフレットを送ってもらったとき、「能舞の里」という文字が目に付いた。
能舞は、五百年もの昔から下北に伝えられているという山伏の修験能で、今では東通村だけが受け継いでいるそうである。国の重要無形民俗文化財。
能舞が演じられるのは一年のうち正月だけという。(パンフレットには、秋に各地区の神社に奉納されているという説明があった)

めったに見るチャンスがない能舞を、幸運にも今回見ることができた。むつ市内のホテル主宰のパーティーの席の催し物として能舞が披露されたのである。今回の取材でお世話になった役場畜産課のM氏が所属する鹿橋(ししばし)青年団による「さんば」という演目。「能」のイメージから静かな踊りを想像していたが、笛や太鼓に合わせた激しい勇壮な舞だった。

青年団の皆様、ありがとうございました。
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下北の旅(4)~ゴミ収集所~

2008年02月22日 | 日本の馬
むつ市から東通村の尻屋崎に向かう道路の途中、何度も見かけた寒立馬のイラストが描かれた小さな屋根つきの建物。
バス亭かと思っていたが、100M間隔で点在する地域も。
よく見たら、ゴミの収集所でした。

それにしても寒立馬は東通村のシンボルのような存在。放牧地で撮影している間に、どれだけの観光客が訪れたことか・・・。大阪、名古屋、東京からのツアー客や、大型観光バスで乗り付けた十数人の写真愛好会の人たち・・・。
尻屋崎では、馬の存在そのものが観光資源となっている。これこそ馬のもう一つの活用方法なのでは・・・?

幸か不幸か、好天に恵まれて「寒さに耐える寒立馬」の撮影は叶わなかったが、有意義な取材だった。
下北紀行は、まだ続きます。
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むくむく

2008年02月21日 | 日本の馬
栗毛の中に鹿毛馬1頭、芦毛1頭、青毛数頭。
じっとしている馬によりそった。むくむくの胸元からちょこんと足が見えた。
うーん、かわいい!!
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下北の旅(3)~栗毛の寒立馬~

2008年02月21日 | 日本の馬
越冬放牧地にいる寒立馬は皆牝馬である。
昨年生まれた子馬は牡牝半々だったというが、牡は当歳の秋に牧場から出される。
今の種牡馬「ファナル」(フランス生まれ)も、その前の種牡馬「仏強」(北海道生れ)も栗毛のブルトン種のため、今、放牧地にいる30頭の寒立馬のほとんどが栗毛だった。
何世代もブルトン種との交配から生まれている寒立馬。尾花栗毛の彼女たちは、ちょっと太り気味のハフリンガーみたい。
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下北の旅(2)~尻屋漁港~

2008年02月20日 | 日本の馬
宿泊したむつ市から東通村までは車で1時間近く。路線バスは本数が少ないし、バス亭から馬がいる放牧地まで機材を背負って20分以上歩かねばならない。タクシーではお金がかかりすぎる。かといってレンタカーして雪道運転する自信もないし・・・。
あれこれ悩んだ挙句、地元の人たちに励まされ、ついにレンタカーに挑戦!結果は・・・・スタットレスタイヤに拍手である!!いざ、東通村へ!

東通村にある寒立馬の越冬放牧地「アタカ」は、尻屋漁港の隣りにある。もともと寒立馬を飼っていたのは漁師さんたちなのだという。

漁港にはイカ釣り漁船が装備されて停泊していた。尻屋の漁獲はイカと昆布がメイン。馬たちはかつて昆布の運搬を担う大切な働き手だった。
また、冬場に漁ができないときは、漁師さんたちは牛や馬を売ることで生計を立てていたという。

今、尻屋漁港は整備されて冬場でも漁ができるようになったそうだ。漁師さんの仕事のパートナーだった馬たちは、今やその役目を終えたが、「寒立馬」という愛称で親しまれ、平成14年11月に青森県指定の天然記念物となって、保護されている。
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下北の旅(1)~寒立馬のお父さん~

2008年02月19日 | 日本の馬
3泊4日の下北半島の旅。
東北新幹線終点八戸から在来線で野辺地へ向かい、さらに大湊線に乗り換えて陸奥湾を北上、下北駅に着いたのは午後2時をまわっていた。どんなに朝早く東京を出発しても、乗り継ぎ列車の関係で辿り着くのはこの時間。やっぱり遠い。
日本海側は大雪なのに、下北地方のむつ市は晴天だった。同じ青森でも全然気候が違う。

寒立馬の撮影は翌日以降のお楽しみにして、その日は東通村営牧場に繋養されている「寒立馬のお父さん」に会いに行った。
「寒立馬のお父さん」は、もちろん「寒立馬」ではなく、フランス生れのブルトン種。ファナルという名の15歳の立派な栗毛馬で、寒立馬の種馬としては今年4年目だそうである。冬の間は栄養をとるために舎飼いされ、春、周年放牧されている牝馬の群に放牧される。
その昔は南部馬を祖とした馬たちが、何世代にもわたってブルトンと交配して生まれたのが、現在「寒立馬」と呼ばれる馬たちである。つまり「寒立馬」は、日本生れのブルトン種というわけだ。

ファナルの隣りの馬房に、芦毛のペルシュロンがいた。担当の人が「遠野馬の里」から来た農用馬の種馬です」と言った。え、うっそー?遠野で2年前まで農用馬の種馬だった「論容」??彼がどこに行ったのか気にはなっていたけれど、まさか下北で再会するなんて。現在遠野の農用馬の種牡馬は、「蝶学」という若いブルトン種である。
論容は下北で生産されている「農用馬」の種馬を務めているそうである。

それにしても、「寒立馬」と「農用馬」って、どう違うんでしょ?



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北へ

2008年02月14日 | 日本の馬
北日本は大荒れのようである。
明日から下北半島へ撮影と取材にでかける。
初めての土地で、しかも雪の中。交通手段も少ない中、どうなることか。
地元の馬関係者の人とコンタクトをとって、いろいろな情報をもらっていつもより念入りな事前対策を講じるが、行って見ないことにはどうにもわからない。

まあ、なんとかなるさ。人が住んでいるところだもの。
馬に会えば、きっとすべてオッケー。
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