五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ ヤングキングアワーズ 感想

2012年04月03日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

2012年5月号

 Young_king_ours_2012_05

 今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら

 

 

 『球場ラヴァーズ』は、巻頭カラーでドラフト! 注目選手の単独指名に、ハラハラ松田さん。

 今回は、ドラフトをめぐる様々な事柄に一喜一憂してましたが、その表現が面白いですね。

 松田さんの表情・心情の波が、作品のリズムを作ってます。 2012年シーズン、開始です!!

 

 『それでも町は廻っている』は、崖の上でよく見かける方・・・らしき人が登場! 似てた(^^;

 そんな今回、タッツンの意外な趣味が判明(?)したり、紺先輩が歩鳥のために動いたりと、

 友人間の色々が楽しいお話。 紺先輩、歩鳥のこと大好きなんだな~、とわかるイイ笑顔。

 

 『ヘン集女王』は、編集にとっても作家にとっても大事な、売り上げにからんだお話でした。

 萬村さんの作品があまり芳しくないようで、平戸路さんも色々がんばるけれど、世は無常。

 こうした時の編集・作家さんの心情いかに・・・ですね。 CHILL先生も一大事で、どーなる!?

 

 『アリョーシャ!』は、ついにNo.3と対峙するアリョーシャ! しかし、このNo.3は・・・恐ろし。

 さすがのアリョーシャも苦戦してしまう相手で、なかなか見ごたえありの勝負が面白かった!

 そして、「友達」という言葉の響きがとても爽やかでしたね~。 でも、まだ終わりじゃない。

 

 『リュウマのガゴウ』は、“オリジナル”のリュウマが登場! といっても、過去の回想ですが。

 そして、世界の終わり、白皮の誕生、ジンの裏切り、繭王による千年王国・・・などといった

 始まりの物語が描かれます。 4月28日発売のコミックス1巻ともども、今後が楽しみです!

 

 『かみわたし 神様の箸渡し』は、何ともイヤらしいお話でした。 ← そーゆー発想自体が(略

 お祭りには、民衆のたまりにたまったエネルギーを解放する役割がある、と聞き及びます。

 「柱」は“男性”の象徴であり、それを曳き入れるというのは・・・? 祭りの熱気、心地よし!

 

 『並木橋通りアオバ自転車店』は、何やらつづきモノっぽいお話。

 ごく「普通」の生き方をしてきたお父さんが、糖尿病の危機を前に、運動のための自転車を

 始めようとしますが、そこで一念発起して・・・ という展開に、中年初期の希望を感じます。

 

 『ウォースパイト マルスの目』は、同じ目をもつ男・イアンと語り合う有希くん。

 イラク・ファルージャでの出来事により、イアンが戦争を憎むようになったとよくわかる内容。

 現代の戦争が描かれたのは興味深かったですね。 ただ、イアンの独善はいただけない。

 

 

 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

 

●裸者と裸者 (原作:打海文三 先生  作画:七竈アンノ 先生)

 Young_king_ours_2012_05_p152

 コミックス3巻、発売中~!

 そんな今回、イリイチ大尉の“暴走”がどう決着するのか・・・ も気になったのですが、

 白川中尉のはげしい変態ワールドに度胆をぬかれたお話でした(^◇^;) すげえや、コレ。

 

 白川中尉のテントで行われている“乱行”に巻き込まれた、カイトの運命やいかに!?

 イリイチ大尉による外国人差別問題への対処とからまって、

 クリストフの差別意識と、それを逆手に取ってしまう白川中尉のやりとりがお見事!

 まあ、なんというか白川中尉も「女性」だってことなんでしょうね。

 カイトに“侮辱”されたクリストフの心情を理解し、それを贖わせようとするとかね・・・

 

 カイトが毅然と拒否するにもかかわらず「強姦しろ」と命令したり、

 カイトをおびき寄せてその一物を堪能したりとか、中尉おっそろしい人やわ~(((( ;゜д゜)))

 すさまじき「おあずけプレイ」! クリストフ、お気の毒!!

 倒錯した世界がくりひろげられる様子に、奇妙に燃えてしまいました・・・ 勢いがスゴい。

 

 ラストのカイトの泣き顔とか、それを見たイリイチ大尉のポーズとか、

 メチャメチャ面白かった今回ですが、これからが常陸軍の正念場。

 ここからどうなってしまうのか・・・ 今後も楽しみです!

 

 

 

●サムライリーガーズ (竹山祐右 先生)

 Young_king_ours_2012_05_p223_2

 コミックス3巻、発売中!

 B・ゼウス戦が盛り上がる今回、B・ゼウスのバックにある研究所の目的が判明。

 まあ想像通りと言いますか、ある程度は考えていたことですけどね、

 さらに背後にある某国の思惑というのが・・・ これまたロクでもねえものでした。

 

 それはともかく、その野望を秘めた試合は続行中。

 ゼノン vs ジェイクの勝負もなかなか見ごたえアリでしたが、

 やはり次のカーン登場が何より盛り上がりましたね~。

 1度は手ひどい敗北を喫している相手なだけに、緊張感の高まりがハンパない!

 彼のメテオ・ストライクにどう対応するのか? はたして一路太は登板するのか・・・?

 

 B・ゼウスとS・ドッグスの勝負が、恐るべき計画にかかわる大一番。

 ここからどうなりますか・・・ 今後も楽しみです!

 

 

 

●天にひびき (やまむらはじめ 先生)

 Young_king_ours_2012_05_p320_2 Young_king_ours_2012_05_p331_3

 コミックス5巻、発売中! 連載再開!!

 そんな今回、不安が大きいと思われたひびきの指揮によるオケ開幕!

 本番直前になっての方針転換は、はたして吉と出るのか、凶と出るのか・・・?

 

 という展開に、ワクワク・ハラハラ。

 しかし、オーケストラのメンバーは一様に、キツネにつままれたような表情で、

 ひびきさんの何かしらに触発されつつある様子。

 これは成功フラグだろうか? と期待させる感じではありますが、はたして?

 当のひびきさんは、「ようやくここまで来た」と、めずらしく感慨深げだし、

 秋央くんもまた「とうとう・・・」と、ひびきさん指揮での演奏に、思うところがあるようです。

 

 そんな緊張と期待の高まる空気が悪くない。

 ひびきの天才性を知らしめるものとなるのか、それとは別の何かしらの展開があるのか?

 須賀川先生の言葉が気になりますが、今後も楽しみです!

 

 

 

●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)

 Young_king_ours_2012_05_p487_2

 いや~、今回はまるで映画を観ているかのような興奮を覚えました。 楽しかった~!

 夜の闇にまぎれ、ナポレオンを狙う男が1人・・・ と緊張が走ります。

 そんなところから始まって、あれよあれよと疾走するような展開が面白すぎるお話でした。

 男達の豪快さも、愛情も、欲得も、情けなさも、友情も、全てがつまった一大巨編(?)

 5割ほどは史実をもとに作られているというから驚きです。

 

 

 Young_king_ours_2012_05_p493_2

 ベシエールが発見したランヌの「使い込み疑惑」。

 そこから発展するランヌとナポレオンの確執を軸に、

 物語はタレイランの“荷物”輸送とその強奪、ダヴーの調査室長就任、ネイの恋路など、

 さまざまな要素がからみあい、所々で伏線となる見事な話づくりとなっています。

 

 中でも、ランヌとナポレオンの決闘騒ぎが、たまらなくよかった!

 使い込み疑惑により口論となった2人が、しだいに激昂してゆく言葉のやりとり、

 そして衝突寸前に周りから止められる姿が、いかにも戦友っぽくて良い感じでしたよ。

 ドゼー亡き今、ナポレオンにとって友人と呼べるのは、

 ジュノーもしくはランヌあたりが筆頭なんじゃないですかね?

 

 

 Young_king_ours_2012_05_p503

 それにしても、ランヌさんはなぜにロウソクを頭につけて“お礼参り”するんでしょ(^^;

 ナチュラルに「ロウソクを貰うぞ」とか言ってて、メチャクチャ笑ってしまったじゃないですか!

 以前もやってましたよね、コレ。 相手もベシエールだったし。

 

 今回、ランヌさんはオージュローと行動を共にして、彼と仲良しなのですが、

 実際には「使い込み」の費用も、彼から融通してもらったらしいですね。

 本作品では、愛妻家であるオージュローが妻のために別棟を建てるので金がない、

 ということになっていて、そこから“無法者たち”が行動を始めるわけですが(;´`)

 いや、未来の元帥たちが犯罪行為とか、スゴイ展開ですよ! しかもあっさりやっちゃうし。

 

 あと、オージュローさんのオシャレ・アイテムには笑いました゜(*゜´∀`゜)゜

 いや、笑っちゃいけないんだろうけど、一部情報では史実らしいとかナントカ?(出典不明)

 うーん、役に立つんですかね、アレって・・・

 

 

 Young_king_ours_2012_05_p508

 そしてダヴー、擲弾兵・調査室の責任者への就任。

 これにより、彼が強奪事件の犯人を追うというのだから、もうどーなってしまうのか!

 ただ、ここでナポレオンがフーシェへの不信を露わにしていたことには注目ですね。

 おそらく、のちの確執につながる感情でしょうから・・・

 

 そして、ここからが大捕り物の始まりで、冒頭のシーンにつながってゆきます。

 ここで、オシャレ・アイテムを発見していたのには笑いましたよ!

 あれで足がつくのかと思いましたが、その滑稽さを愉しむといった味わいなんでしょうね。

 

 この後も、さすがダヴーといわんばかりの追跡への執念を見せてくれたり、

 ネイの恋路が描かれたりしますが、ネイの相手のジャンヌさんって、

 第1話で彼が叫んでいた名前ですよね。 実際に付き合っていた人物らしいのですが・・・

 

 最後は、旧体制における特権階級だった僧侶たちの帰還もからんでの、

 すべての要素がつながる大団円的な展開になっていて、もう本当に素晴らしかったです!

 さらに、ナポレオンのランヌへの「はからい」や、オージュローのランヌに対する友情、

 タレイランの守銭奴ぶりもおまけについて、見事なシメ。

 読み終わった後に、「ふー、面白かった~!」と満足しまくりの1話でありました。

 

 ダラダラと語ってしまいましたが、それだけ楽しめたということなので、ご容赦を・・・

 大陸軍戦報の「ハイチ革命」の話も興味深かったですね。

 などなど、そんな感じで、今後も楽しみです!

 

 

 

●ドリフターズ (平野耕太 先生)

 Young_king_ours_2012_05_p531

 たった1人で、ドワーフ解放に赴こうとする豊久!

 アホである・・・ と一蹴されてもやむなしかと思いますが、

 これぞ人を惹きつける男とばかりに、他の者がその背を追うという流れ・・・

 

 

 Young_king_ours_2012_05_p537_2

 さすがに信長さんは準備不足と止めようとしますが、そんなことで止まる豊久じゃ~ない。

 「己の意で来ん奴は来んでよか」

 命令するわけでもなく、ただ自分について来たければ来い、というスタイルが自由すぎ。

 しかし、ゆえに魅力的でもある豊久の姿勢は、王の風格をただよわせていますね。

 これぞまさしく「王」ですよ。 ついてゆく者たちがいるのだもの。

 

 大師匠さまに自身の目的を聞かれての返答には、さすがに唖然としましたが、

 それも豊久らしいイカレっぷり! もはや、どこまで突き進む気なんだか・・・

 

 

 Young_king_ours_2012_05_p541

 でもって、「エルフを解放したドリフ」に会いに行く途中のサン・ジェルミ伯爵。

 けったいな馬車に乗り、これまた妙なとりまき2人と一緒。

 しかし、ナリはおかしくとも頭脳は明晰な人々で、

 豊久たちの次の行動を読んでいたりと、情勢をみる目は確かなよう。

 彼らと豊久軍団との邂逅が待たれます。 どのような“化学変化”を起こしてくれるのやら?

 

 そして、豊久軍団によるガドルカ鉱山の襲撃がいきなり開始されますが、

 ここで大活躍したのは信長さん! こりゃあ、この世界では「魔法」だよな!

 シャラたちが声も出せないほどに驚愕するのも当然でしょう。

 さて、ここからどのような戦いがくり広げられるのか? ドワーフ達の解放は成るのか?

 はたして何が待ち受けるのか・・・ ワクワク展開に、今後も楽しみです!