五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

【雑記】 2010年つれづれ・・・

2010年12月31日 | 【雑記】

思いつきで、今年を簡単に振り返ってみるつれづれ・・・

しかし、今年はコミケ行きたかったな~。

「うみねこep.8」とか「ひだまりスケッチちゃん」とか、入手したかったです。

 

 

■2010年マンガつれづれ・・・

 思いつきなので、ど忘れなどあるやもしれませぬが、今年読んだマンガについて。

 『ONE PIECE(ワンピース)』頂上戦争終結や、『GANTZ(ガンツ)』カタストロフィ突入など、

 長い間親しんできた作品の盛り上がりが目立つ年だった気がします。

 

 さらに私としては、『蒼き鋼のアルペジオ』をはじめとするArk performance先生作品に

 出逢えたことが何よりの収穫であったと感じております。

 『ギレン暗殺計画』(全4巻)などの「ガンダムもの」作品も素晴らしかったですね。

 

 

 今年の1巻作品から10作を選ぶなら、「アルペジオ」のほか、同じくArk先生作品である

 『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』や、

 『ビリオネアガール』(原作:支倉凍砂 先生 漫画:桂明日香 先生)

 『満潮!ツモクラテス』(片山まさゆき 先生)

 『ハッピーエンドではじめよう』(本山理咲 先生)

 『ドリフターズ』(平野耕太 先生)

 『鉄風』(太田アモレ 先生)

 『狼の口 ヴォルフスムント』(久慈光久 先生)

 『テルマエ・ロマエ』(ヤマザキマリ 先生)

 『マコトの王者〔赤・青〕』(福井あしび 先生)

 となるでしょうか。

 もちろん、他の作品も素晴らしいものが多かったです。

(追記)

 個人的2010年最高峰作品『リューシカ・リューシカ』を忘れているなんて・・・

 もーぐだぐだだ~!!

 

 

 このほか終了作品としては、

 『フリージア』(松本次郎 先生)

 『おいでませり』(大石まさる 先生)

 『ぢごぷり』(木尾士目 先生)

 『うみねこのなく頃に Episode1』(原作監修:竜騎士07 先生 作画:夏海ケイ 先生)

 などが印象深かったですかね。

(追記)

 年末に購入して未読だった『センゴク外伝 桶狭間戦記』も完結巻だったんですね。

 こちらも当然すばらしい作品でした! 今川義元の奮戦には泣きそうにもなりましたよ。

 また、『のだめカンタービレ』も25巻で完結でしたね・・・いや、前に完結したにも関わらず

 「アンコール」がありましたし、本当に終わったのかどうかよくわからなかったもので(^^;

 他にも洩れている作品、いろいろありそうですね・・・

(追記)

 『幻覚ピカソ』『金剛番長』も「お気に入り」紹介で書き忘れていましたが完結でしたね。

 まだまだあるな、これは・・・

(追記)

 『ばもら!』も忘れてました・・・これも好き作品でした。

 

 

 また、単巻完結(短編集含む)作品にも、いろいろ秀作・傑作がありました。

 『スキエンティア』(戸田誠二 先生)『善良なる異端の街』(松本次郎 先生)

 ハイレベルでしたし、「お気に入り」紹介に入れ忘れていたのですが、

 同じく戸田先生作品である『WOMAN』も、また同様でした。

 

 

 

■2010年4コマ漫画つれづれ・・・

 宮原るり先生やむんこ先生をはじめとする、ワタシ的「お気に入り」作家先生作品が

 素晴らしかったことはいつも通りなので割愛させていただくとしても、

 今年の1巻作品ワタシ的10選は・・・

 

 『パドラーズハイ』(水屋杏里 先生)

 『笑って!外村さん』(水森みなも 先生)

 『ひよりすと』(魔神ぐり子 先生)

 『うのはな3姉妹』(水谷フーカ 先生)

 『わさんぼん』(佐藤両々 先生)

 『あいまいみー』(ちょぼらうにょぽみ 先生)

 『一緒にかえろう』(矢直ちなみ 先生)

 『ヒーロー警報』(トノ・アンナ 先生)

 『ひよぴよえにっき。』(琴久花央 先生)

 『境界線上のリンボ』(鳥取砂丘 先生)

 

 

 でも、このうち2巻が出るかわからない作品もあるかもしれないですね。(不吉)

 これに対して終了作品10選は・・・

 

 『ねこみみぴんぐす』(まりも 先生)

 『チェルシー』(シバユウスケ 先生)

 『フィギュ☆モ』(中平凱 先生)

 『がんばれ!メメ子ちゃん』(むんこ 先生)

 『ダブルパティシエール』(野広実由 先生)

 『たびびと』(重野なおき 先生)

 『ヤング松島喜久治』(ふじのはるか 先生)

 『はねる!レンタル少女』(しいなみなみ 先生)

 『天使のお仕事』(佐藤両々 先生)

 『L16』(東屋めめ 先生)

 

 もちろん、『まい・ほーむ』(むんこ 先生)も含みたいところですが、

 同作家先生による「メメ子ちゃん」があるので、他作品を優先しました。

 また、『Sweet Home』(やまぶき綾 先生)もあるのですけど、

 まだ読んでいないので選外に(^^;

 

 

 このほか、10選ではないものの単巻完結作品では、

 『ヒツジの執事 残業』(ナントカ 先生)  ※ 無論、無印も良作です。

 『三日月の蜜』(仙石寛子 先生)

 『プレミアム天子様』(安堂友子 先生)

 『猫びより!ヒルネちゃん』(智 先生) 

 『中央モノローグ線』(小坂俊史 先生)

 『やさぐれ人魚伝説 マーメイドブルース』(小池田マヤ 先生)

 『お江戸とてシャン』(森島明子 先生)

 『ちょー!えど幕末伝』(みずなともみ 先生)

 『手のり魔王』(柚月もなか 先生)

 

 などがよかったですね~。

 まあ、ほとんど「お気に入り」で紹介した作品ばかりですけども。

(追記)

 コミックスにならなかった作品や、ゲスト作品などについても考えてみたかったのですが、

 さすがに準備なしでは思い出しきれなさそうなので・・・・・・

 でも、いつかできたら考えてみたいなあ。

 

 あと、アニメ関連も語りたいところでしたが、録画未視聴作品が多すぎるので、

 また別の機会に・・・・・・

 

 


◆ まんがタイムきららキャラット 感想

2010年12月30日 | ◆4コマ誌⑨ 不定期 きららキャラット

2011年2月号

 いろいろ面白い作品多すぎて、感想書ききれない(T_T)

 今回、かにかま先生による「ひだまり王決定戦ファイナル!」レポート漫画が掲載!

 激戦だったようですけど、王となった方のコメントが最強に盛り上がったと聞いております。

 

●Aチャンネル (黒田bb 先生)

 2011年4月にアニメ放映開始な本作品。 るん&トオルの正月風景、モチモチまったり。

 ナギ&ユー子も一緒に初詣で、るんさんの迷いなき天然っぷりが炸裂してますねえ(^◇^;)

 そんな楽しさと4人での楽しさが合わさって、よき新年迎えてます。 しかし鬼頭先生ェ・・・

 

●キルミーベイベー (カヅホ 先生)

 コミックス3巻、2月26日発売! そんな今回、新年っぽく?餅つきで闘ってます。(闘う?)

 ソーニャ曰く「毒もなく人を殺せる暗殺道具」。 確かに、ホニャララゼリーよりも(以下自粛)

 ピコピコするやすな可愛かったけど、相変わらずあぎりさんはわからねえ・・・スゴイ人だ。

 

●ラッキー・ブレイク (平つくね 先生)

 兵頭さん去った後、その私物を整理する陸さん&ちゃこさん。 ちゃこさん、アイドル好き?

 社員旅行の場所選びに、ペルーを望む赤井さんのニコニコが可愛い。 陸さんに共感。

 しかし、兵頭さんは1回限りのキャラクターと思っていたのに、最悪の再登場!どーなる??

 

●ひだまりスケッチ (蒼樹うめ 先生)

 夏休み最終日の台風。 皆でヒロさんにたかってますけど、朝ご飯なのに買い置きないの?

 なずなさんが「うまくやってる」のを喜ぶ一同に、ひだまり荘の優しい空気を感じます。

 そして台風【通過後】の2人がよかったな~・・・「わーい☆」 では、これにて感想終わ郎か。

 

●もこもこBOX (☆画野朗 先生)

 カッチとラビとマメの朝起きは、やっぱりゆったりふんわり系(^^; 二度寝したのん?

 もふもふの精さんとか、マジもふもふしたい! この「もふもふ」感がすんごい魅力的。

 野イチゴで遊ぶカッチ器用だな・・・眉の下にはさむて(^◇^;) シェプ先生にも期待だ~!

 

●ウォーターガールズ (なぐも。 先生)

 ゲスト2回目! 泳げないはるなさん&ずみさんが、水泳部で活動開始!

 ずみさんが【懐にもぐり込める人】なら、はるなさんはその逆。 そんな2人の対比くっきり。

 さらに、はるなさんの“歩み”が鈍いのだけれど、一緒に進み近づく2人の関係。すごくイイ!

 

●GA 芸術科アートデザインクラス (きゆづきさとこ 先生)

 彩井高等学校が、夏の甲子園大会県予選決勝に進出したため、珍しく野球観戦な一同。

 今回すごかったのは、如月殿にとっては興味対象でない野球に対して、この話の中だけで

 心動かされるような展開をつくり出している作者先生の力量。 ラストオチも見事すぎ(^^;

 

●リア充撲滅委員会 (コバシコ 先生)

 初登場ゲスト! タイトル通りのおバカな連中が、マスクかぶってイケメン男子さらってます。

 リア充撲滅委員会、略称「REC」! さらわれた岡部シゲキ君が災難すぎて泣ける(;;)

 なんだか頭のどこかに穴あいてそうな奴ら(ヒドイ言いよう)が痛くて面白い・・・かも?(ぉぃ

 

●ひとよりXX (永深ゆう 先生)

 連載スタート! ま~た、あやしい視線でなめるように女子をながめるひよりさん。

 そんな「オッサン」で保健委員な彼女と、委員長つばめさん、清掃委員みぞれさんの3人で、

 おかしな学生生活がくりひろげられます。 ラストのひよりさんを、誰かかまってあげて(^^;

 

●かためで! (shige 先生)

 今回は、さやかさんが日直で大忙し・・・でも、天然まったり系なので大変なのですが(^^;

 彼女のゆったりさが雰囲気作ってますよね~。 ラストのオチも、さやかさんらしいし。

 しかし、「そして刀しか無くなった」には笑った゜(*゜´∀`゜) 刀ネタ、面白いとこ突いてくるな~。

 

●アヒルの多い雑貨店 (シバユウスケ 先生)

 ゲスト2回目! あひるさん、1人じゃ何もできずにバンビさんに頼りっきりの人生。

 そこでバンビさん、彼女の独り立ちを目論むも、やっぱり気になって仕方なくなる性分か。

 そんな2人の関係にホエホエさんを加えたトリオ。 前作以上に「個性」を出してきた印象。

 

●アクアリウム (博 先生)

 さおりさんの心の揺れ動きが、よく感じられるお話でしたね。 「名前呼び」が接近の証。

 ゆうさんとさおりさん、2人のぎこちなさは純心の表れで、少しずつ溝が埋められる過程。

 この2人がここまで仲良くなるとはね~。 しかし、よしあき君をはさんだ関係はどーなる?

 

●もうダメかもしれない (かにかま 先生)

 連載スタート! 世界征服をめざす、お嬢様で小学生な桜井のんさんのオマヌケ日常。

 学校を支配しようとたくらむも、恐るべき委員長がいて計画頓挫。 委員長、マジ怖いし。

 先生もおもろい人だけど、のんさんへの復讐が見事すぎて、ラストはめっさ笑った(*゜´∀`゜)

 

●ひよぴよえにっき。 (琴久花央 先生)

 あーちゃん再登場を契機に、はるの反抗期が始まった! 何でも1人でやりたがってます。

 同年代の“他者”を認識したことで、“自己”を形成し始める過程・・・とか何とか?(^∇^;

 ちあきも、はるにどう接するか「自分で考える」と、共に歩む姿が微笑ましくも力強くてよい!

 

 


◆ まんがタイムオリジナル 感想

2010年12月29日 | ◆4コマ誌⑧ まんがタイムオリジナル

2011年2月号

 本誌掲載作品で、1月にコミックス発売なのは、

 『ラディカル・ホスピタル』20巻と『恋は地獄車』1巻ですね~。楽しみです!

 1月7日と1月13日で、発売日が異なりますけど。

 

●ラディカル・ホスピタル (ひらのあゆ 先生)

 線の細いビジュアル系患者な鷹取さん、ナルシストになるのもわからんでもない?(^^;

 今回のテーマは「自信」。 鷹取さんのナルシーぶりが楽しいけど、水野さんツボるなよ!!

 内藤師長が語る、自信の有無に関わらず堂々とすべき立場についての言葉には感服。

 

●夏生ナウプリンティング! (大乃元初奈 先生)

 「ラブリー」からの移籍連載!・・・なんですけど、ゴメンナサイ(-_-;) ほぼわかりません。

 でも、あらすじがあって安心。 印刷会社で働くOL・夏生さんを中心としたお仕事モノかな。

 今回は同僚・伊藤さんの同窓会話で、彼女を軸に展開してましたけど・・・今後、期待です!

 

●らいか・デイズ (むんこ 先生)

 ふるさと弁当のふーちゃんさん、店長お休みで孤軍奮闘! しかし、手に余る大仕事が!!

 そこで、らいか母さんに助っ人依頼。 竹田くんの天狗っぷりが面白すぎる!何だこのノリ。

 さらに適材適所、らいかさん千手観音に笑った゜(*゜´∀`゜)゜ あと、20年前⇒現在の愛も。

 

●球場のシンデレラ (小坂俊史 先生)

 選手の恋愛に寛大らしい東京メルヘンズだけど、だからといってモテるかどうかは別(;´`)

 監督がひそかに何かを期待していたことに笑ったけども、この人もしかしてMなんじゃね?

 そして、リーグ最年長の栗橋さんネタの連続が、哀しくも可笑しい・・・深田ドライだな(^^;

 

●恋は地獄車 (瀬戸口みづき 先生)

 正月にご両親がやって来るので、カズ君をどうするか悩む万里子さん・・・コワイ(((;=д=.)))

 「本音」と「強がり」という対比が面白く、しかも「本音」が白万里子。 恋の路は無法地帯て。

 でもそれ以上に、危険察知能力の高いヒモ君さすが! そして後藤くんの言葉が沁みるな。

 

●そこぬけRPG (佐藤両々 先生)

 忘年会トーク。 そえいば仁郷さんって、下っ端ほしい人でしたっけ(^◇^;) リンリ~ン!

 しかし解散の際に保間さんから放たれた言葉が・・・重すぎるぅ!! とくに30手前の人間に。

 あと、カナ姉の「弟は欲しい」発言に、カナさん取り乱しているように見えるのは気のせい?

 

●ひよりすと (魔神ぐり子 先生)

 もはや誰もヤツを止められぬ!ご両親ですらも・・・っていうか、ご両親があわれ(T_T)

 今回は、クリスマスなひよりさん達。 弟・妹のために“お姉ちゃん”してるひよりさん可愛い。

 そして、まさかの手作りクッキーな変態メガネ。 妄想する時の目つきが、かなりヤバいぞ!!

 

●ハッピーエンドではじめよう (本山理咲 先生)

 今回は、ブリザードフラワーをつくって花嫁さんにブーケを届けていた女性のお話。

 以前、別の話で出てきましたけど、彼女はきちんと一歩を踏み出し、生きてきたんですね。

 自分は花嫁になれず、他人に花を届けていた彼女。 でもそれだって、かけがえなき人生。

 

●いろはにほへと (樋口大輔 先生)

 3回連続ゲスト! 花村いろはさん20歳。 ほんわかだけど、ドジっ娘OLさんのようです。

 そんな彼女は、「まんぷく亭」の娘さんで父親から愛されて・・・と、これで回る話と思いきや、

 急展開で変なおっさん現れたー!!Σ(゜Д゜;) なんだこの流れ?と感じたので、つづき楽しみ!

 

●天使な小悪魔 (芳原のぞみ 先生)

 「ラブリー」からの移籍新連載! こちらはコミックス購読作品でもあるので、知っています。

 クラブ華園のホステスを描く、世知辛かったりキツかったりもするけど、温かさもある作品。

 今回は、めぐのプロフェッショナルぶりが光っている話でしたね。 妻さんもホネがある人!

 

●文豪ちゃん (よしむらなつき 先生)

 3回連続掲載第1回! よしむら先生の新作は、文豪ネームをもつ小学生たちのお話?

 クラスのペットであるネコに名前はまだないとか、ネコと一緒にいるのが漱石ちゃんとか。

 男女逆転ですが芥川・紫式部・清少納言などもいます。 でも司馬先生は「項羽」推そうね。

 

●えきすとら以蔵 (こだま学 先生)

 最終回!! ついに小鈴ちゃん誕生!以前、特別編で登場していましたが・・・めでたい!

 小冬さんもお腹引っ込みましたね(^^; いつも大きいお腹だったから、感慨深いな~。

 5年後も、幸せ家族であることはわかっているので安心。 楽しませていただきました!!!

 

 しかし、「以蔵」のコミックスは出ないんですかねえ・・・出なさそうだなあ、1巻買ったのに。

 それにしても、「ラブリー」リニューアルに伴って、芳文系4コマ漫画誌から「時代の変化」が

 顕著に見えるような気がしています。 今後、どのように展開してゆくのでしょうか。

 やむをえんとはいえ、やはりちょっと寂しいものがありますね・・・・・・

 

 


◆ 『光芒のア・バオア・クー』 名も無き兵士たちによってつむがれる「歴史」の物語

2010年12月28日 | ◆マンガ 感想

『蒼き鋼のアルペジオ』作者であるArk performance先生(以下Ark先生)による作品です。

正確なタイトルは、『機動戦士ガンダム 光芒のア・バオア・クー』であり、

原作:富野由悠季先生原案:矢立肇先生となっております。

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Ark先生の作品には、これ以前にも『ギレン暗殺計画』(全4巻)がありまして、

こちらがかなり私好みだったこともあり、今回の新作2つを購読するに至りました。

もう1つの新作は、『ジョニー・ライデンの帰還』1巻です。

 

これら3作品には、「ギレン」~「ア・バオア・クー」~「ジョニー・ライデン」という連なりがあり、

この順番で読まれると、いっそう楽しめるのかと思われます。

 

また私は現在、安彦良和先生による『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』を購読中ですが、

さほど「ガンダム」に詳しい人間ではありません。

そのあたり、無知をさらけ出すことになるかもしれませんが、ご容赦いただければ幸いです。

 

 

 

【あらすじ】

『機動戦士ガンダム』における地球連邦軍とジオン軍の最終決戦ア・バオア・クーの攻防を、

さまざまな場所、さまざまな人物の視点から見るオムニバス・ドキュメント形式の作品。

 

テレビ番組のインタビューを受けるかつての兵士やエンジニアたち。

その証言によって、「ア・バオア・クーの戦い」で何が起き、どのようなことが行われていたか、

多面的な角度から、その輪郭が浮き彫りになってゆきます。

 

要塞司令部で起きた大事件を目撃してしまった兵士。

激しい戦闘のさなか、“恐怖の対象”に遭遇してしまった学徒兵。

また、戦場にて希望を見る衛生兵や、“幻獣”たちの戦いに魅せられた連邦士官といった

無名の個人たちによってつむがれる「歴史」の記録であり物語です。

 

 

 

【感想】

まず、私がこの作品に感じた魅力は、ドキュメンタリー風に描かれるストーリーです。

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ジオン公国軍の学徒兵だった人物が、インタビューを受けているシーン。

ほぼ全編こうした形式で物語は進み、多彩な人物の回想によって語られる戦場での立場や、

そこで彼らが経験した出来事などが描かれています。

 

この描かれ方が、何と言うかある種の臨場感のようなものを感じさせてくれて、

それが「ガンダム」世界へと、次第次第に引き込まれてゆく気分にさせてくれるのが面白い!

そこで語られていることが、まるで「歴史」の1ページのような、そんな雰囲気。

「ガンダム」を知らずとも、戦場で生きる人々の姿がしっかり感じられる物語となっています。

 

 

・見事な演出と表現

インタビューにて、MS(モビルスーツ)立体音響システムについて語るコルバド・ストルツ氏。

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このシーンで私が感じた面白さは、

1.彼が搭乗していたのが「ゲルググ」という当時最新鋭の機体であるということ。

2.音響システムの良さを語るのに、胸をたたいて表現しているところ。

3.「話が脇道にそれた」と、タバコの灰を落としながら語っているところです。

 

まず「ガンダム」を知っている人間ならば、「ゲルググ」がどのような機体であるかを

ほぼわかっており、ゆえに「そうそう、ゲルググって良い機体なんだよ~」とか得意気分で

読み進めたりできるのが面白いのです。(ちなみに私はゲルググ・スキー)

しかも「音響システムの音が良い」なんて、細かい所で最新鋭っぷりを見せつけてくれるのが

何ともニクイじゃありませんか~!

 

そして、その「音が良い」ことを胸をたたいて表現しているストルツ氏。

これが読者にも「どのように音の質が良いのか」を感じさせてくれる見事な表現。

思わず自分の胸をうって体感してみたり・・・しませんでしたか? 私はしました(私だけ??)

 

さらに、タバコの灰を落としながら「話が脇道にそれた」ことを語っているのも

ドキュメンタリーっぽいといいますか、いかにもインタビューだなと感じさせる演出であります。

何と言うか、「会話の流れ」をイメージさせてくれる印象。

これだけの要素つめこんだこのシーン、私はかなり好きですね~。

 

このように、しっかりした表現・演出で描かれたシーンがあちこちで見られるので、

飽きずに楽しく読み進めることができます。 少なくとも、私はそうでした。

これは、Ark先生の描写レベルが高いことの証とも言えるかもしれません。

 

ちなみにストルツ氏の話からは、ゲルググという最新鋭の機体を与えられることの意味や、

新兵はザクなどを与えられる方が評価が高い証拠であるといった、ちょっとだけ興味深い

ジオン軍事情も知ることができて面白いです。

 

 

・印象深いエピソード

また、とくに印象深いエピソードだったのは、もと衛生兵をしていた人物の話。

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「第67医療大隊・第4中隊」所属と語るオラース・エーメ氏。

このどこどこ所属という表明も、その世界を身近に感じさせてくれる要素になっています。

 

彼の仕事は衛生兵。

軍隊において医療関係の業務に従事するサポート要員であり、その役目は重要。

このエピソードでは、そうした立場での活躍が描かれています。

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「資料映像」として描かれている1コマ。

これもまたドキュメンタリーっぽい上に、現場で使用されている新型の医療パックが、

なんとも「ありそう」な光景に見えてよい感じです。

 

このエピソードは、負傷した兵士を助ける衛生兵の職務の内容や、

そうした中で「あきらめねばならない命」があることに対する葛藤、

そして遺品の整理・死亡の記録といった作業への想いなど、

戦場での命を感じさせてくれる物語となっており、そんなところに

私は感じ入るものがありました。

 

 

連邦軍兵士を救うジオン軍の衛生兵たち。

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これも感動的と言えば感動的ではあるのですが、エーメ氏は

「敵軍の負傷者に手を差し伸べる」のを友軍有利ゆえの心理的余裕と語るなど、

戦場でのリアリズムを感じさせる受け答え。

 

この後、エーメ氏の部隊は撤退を開始するのですが、ここでの進行がまさに「現場」を

感じさせる見事なもので、私はすっかり引き込まれてしまいましたよ。

 

さらにそこからエーメ氏は、ある「歴史的」出来事を目撃し、そのことによって危険な状況に

陥ることとなるのですが、このとき起こるある種の奇跡、戦場での希望を見出せるシーンは、

なかなかに感動的だったりもします。

回想するエーメ氏が淡々と、しかし思い出深げに語るところも、またよいのです。

 

また、本作品のラストでは歴史の闇をかいま見るような、思わず「むうっ!」と

うならされるようなシーンがありまして、なかなかに読みごたえがありました。

 

 

このように、ひとつの戦場における様々な人々、特別な地位にあるわけでも

エース級であるわけでもない名もなき個人たちが、戦い生きた軌跡を描いた本作品。

これは、まさにひとつの物語が「歴史」となる、そんな素晴らしい作品となっているように

私は感じました。

 

「ガンダム」を知らずとも、フィクションながら「戦場における個人」を描いた作品として

一読できる秀作でありますので、興味のある方はぜひ手に取られればと思います。

 

 

また、本来であれば『ジョニー・ライデンの帰還』1巻の感想も書きたかったのですが、

こちらの作品は、ややネタばれしながらでないと感想が書きにくいと感じたため、

今回は見送らせていただきました。

しかしながら、面白い作品であることに違いはなく、今後が楽しみな作品であります!

 

 


◆ ミス・ポピーシードのメルヘン横丁(上・下)

2010年12月28日 | ◆「お気に入り」  マンガ

本来であれば、きちんと感想書きたい作品ではありますが・・・「お気に入り」紹介に。

力不足で申し訳ないです。

 

以前、他社からコミックスが刊行されていた作品ですが絶版になったらしく、

小学館からあらためて出版されました。

私は以前のものも購読していましたが、おまけ漫画が収録されているとのことで、再び購入。

 

 

『ミス・ポピーシードのメルヘン横丁(上)』 (山本ルンルン 先生)

Marchen01 魔女のいる横丁で起きる不思議な出来事。

 

メルヘン横丁へ引っ越してきた少女マーガレットは、そこで魔女ポピーシードや奇妙な住人達に出会う。

その日からマーガレットが遭遇する不可思議な出来事の数々や、ポピーシードをはじめとする住人達との交流などなど、そうしたものが描かれる作品です。

 

魔女・メルヘンというと、なんとも夢の世界のごとき心地よさがありそうなものですが、どちらかといえばこの作品は世知辛さにあふれております。

ただ、それゆえにヒョウヒョウとした“たくましさ”が描かれたり、時に温かなお話があったり、それがこの絵本的な絵柄とあいまって、なんとも楽しい作品となっている印象です。

 

 

 

『ミス・ポピーシードのメルヘン横丁(下)』 (山本ルンルン 先生)

Marchen02 登場人物について述べると、

マーガレットは純朴で素直な普通の少女。ゆえに苦労を背負いこむことが多いのですが、ドライな人々の中にあって彼女の存在は「善意」の象徴となっています。

魔女ポピーシードは、クールにヒョウヒョウとした感じの女性。マーガレットにたかったり、他人の善意を突き放したりするようなタイプですが、内面にはとてもデリケートなものを抱えている人物。

このほかにも執事のベルガモットや神出鬼没の男性をはじめ、様々な人物(?)が登場して物語を盛り上げてくれます。

 

また、「おまけ漫画」は本作品の前身となったものらしいです。ポピーシードの“たくましさ”が淡々と描かれていて面白かったな~。

 

滑稽に面白おかしかったり、感慨深かったりするエピソード満載の作品です。