五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ ヤングキングアワーズ 感想

2018年10月13日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

2018年9月号

 

 先々月の『ナポレオン -覇道進撃-』感想はこちら
 先々月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら
 
 (注)先々月号の感想になります・・・遅れていて申し訳ありません。
 追いつくまでは、簡易に長文感想のみで書いていきたいと思います。
 ・・・追いつく・・・きっと追いつく(自分に言い聞かせ)

 

 

【特別読切】
●師匠シリーズ ~迷離都市~ (原作:ウニ 先生/漫画:片山愁 先生)

 

 『師匠シリーズ』完結7巻は発売中ですが、特別読切で登場!

 師匠が失踪して1年が経ち、うに君は卒業旅行として研究室の仲間たちと香港へ・・・
 とはいえ、彼は留年が決まっていて、自分が卒業する時に一緒に旅行してくれる人間が
 いてくれるかわからないと考えているのは、ちょっと寂しい所。

 ただ、師匠の影響でオカルトにハマって、学業を疎かにしたことが原因らしく、
 「悪くない大学生活だった」とつぶやいていたのは、良い感じでありました。

 そんな中、「なんとなくひとりでいたい」と、単独でぶらぶらと九龍半島へ。
 タクシーを拾って九龍城(九龍寨城)を目指します。

 そして、出逢った女性・陳星蘭さんに案内されて、九龍城を探索しますが・・・
 なんてお話でしたけど、やはりオカルト要素から逃げられないうに君。
 雑多な中にある人の営みを感じつつ、しかし、そこにある闇に触れてしまいます。

 鬼が出た。
 そう述べる住人の言葉が不吉に響き、現れた狐面の男が迫りくる恐怖。
 星蘭と共に逃げるものの、ついに追いつめられ・・・

 などなど、手に汗握る展開でありましたが、そこからの話の転換が見事で、
 うに君が“境界”に立っていたと感じられる描写に、唸らされましたね。

 九龍寨城がどうなっていたかを知っていると、違和感を覚える内容でしたが、
 それこそが今回の核心だったのだなと、納得でありました。

 風水や龍脈の話なども興味深い所でしたし、何より「九龍城」の姿が
 行ったことのない場所であるにもかかわらず、妙なノスタルジーを感じさせて、
 しみじみしてしまいました。

 うに君にとっても重要な旅行となったようですし、また、どこかで会えるといいな
 なんて願いつつ、特別読切、楽しませていただきました!

 

 

【2号連続出張掲載!】
●やんちゃギャルの安城さん (加藤雄一 先生)

 

 ヤングキングで人気のラブコメ、コミックス2巻が発売中!

 番外編として、ヤングキングより出張掲載。
 申し訳ないことですが、私は未読の作品なので、今回が初読になります。

 クラスでも目立たないメガネの瀬戸くんが、派手めなギャルの安城さんに絡まれつつ、
 ドキドキな日常を送る物語・・・といった感じでしょうか。
 スキンシップ多め、ギリギリトークで、惑わされる瀬戸くんが面白いですね。

 今回は、夏休みなのに、安城さんに絡まれる瀬戸くん。
 手芸部の部室で、安城さんとその友人・豊田さんと一緒に勉強してますが、
 豊田さんと話していると、安城さんが絡んできているのは興味深い。

 豊田さんは「可愛いわぁこの2人…」と考えているので、
 わざと瀬戸くんにアプローチしている風ですし、それは安城さんの反応を楽しむため
 ということですかね? となると、安城さんは瀬戸くんにご執心?

 そこへ、もう1人の友人・知多さんがやって来て、水鉄砲を持ち込んだことから、
 水合戦になっていたのが愉快!

 瀬戸くんが安城さんに追いつめられたり、安城さんや知多さんが戦う様子が面白い。
 そして、小牧先生と話していた瀬戸くんに、やっぱりちょっかいかけてくる安城さん。
 このあたり、良い関係になっていますね。

 などなど、ギャルの安城さんに絡まれて、困りながらも楽しい雰囲気の瀬戸くん。
 水合戦で服が透けた安城さんにドギマギする様子も可笑しかったですし、
 出張掲載、2号連続とのことで、次回も楽しみです!

 

 

【最終回!
●ミズハコセカイ (七竈アンノ 先生)

 

 コミックス発売中! ・・・ですが、アクアリウム生活物語も、最終回!!

 自宅にて、女子高生と個人レッスンする流くん・・・
 「入れても平気だって」「もう初めてじゃないんだし」と意味深ですが、
 アユさんにアクアリウムについて教わっているだけ(^^;

 そこで創り上げる水槽空間が、幻想的に美しく、眺めて楽しそうにする流くんが
 微笑ましい雰囲気でありました。

 アユさんも、流くんにもたれかかるように接したり、スカートの中が見えそうな姿勢で
 ごろんと転がったり、まるで流くんを試すかのような行動をとるのは、天然なのか計算か。
 危険(主に自分の理性の)を察した流くんが、散歩へ誘導していたのは愉快。

 動物園へやって来ても、どのように水槽空間を演出するか考えているアユさんに、
 「僕のことなのに、考えてくれて嬉しいな」と感謝する流くんですが、その言葉に
 アユさんが照れいてたのは、これまたイイ感じでしたね。

 そして、お店へ行き、水槽なんてまったく知らなかった頃とは、景色が違って見える
 と語る流くんは、どっぷりアクアリウム世界に浸かったのだな~と感じさせます。

 さらにアクアリウムは、まだまだ奥が深いことを解説するアユさん。
 これには私も驚きましたし、流くんにも楽しむ余地がたくさんあるということに・・・
 広大な世界が拡がっているわけですねえ。

 などなど、アクアリウムのことなど知らなかった青年が、1人の少女に出会い、
 レクチャーを受けて、その世界に足を踏み入れ、やがてドハマりしてゆく物語でしたが、
 流くんと共に、読者である私も興味深く読むことができた気がします。

 挫折を経て出会った新し世界の可能性は、流くんにとって大きな希望でしたでしょうし、
 そうした光のさす雰囲気も、ミズハコセカイを照らす要素となってくれたのかも・・・
 なんて感じつつ、楽しませていただきました!

 

 

【コミックス2巻、発売中!】
●アラサークエスト (天野シロ 先生)

 

 ついにベアさんに、恋人が・・・?

 酒場で話をしているのは、いつものメンバー。
 話題は合コンということで、ベアさん大喜びと思いきや、何やら無反応。
 やはり、男に弄ばれた(?)ことが、影を落としているのか気になる所でした。

 ベアさんは、「そういうのもう必要ないの」なんて言っていて、
 まるで悟りを開いたかのように穏やか過ぎて、不気味なくらい。

 男性不審かと、メンバーが考えていたものの、じつは家へ帰ると、
 そこには1人の青年がいて・・・?

 これがなかなかの美青年で、ベアさんが帰宅するや、甘えるようにすり寄って来る。
 セクシーで、ベアさんも見とれる美しさとくれば、申し分ないパートナーに思えます。

 なんて感じに、ベアさんが恋人を得た話・・・なのかと思ったら、
 やはり裏があって、そこまで飢えているのかベアさんと、胸が詰まる想いでした(ォィ

 まあ、ベアさんの思惑通りにはいかなかったのは仕方ない所ですけども、
 発想としては悪くなかったのかなと思えます(ぇ
 いや、もっとうまくやれば多分(お前も重症か)

 結局、合コンへ行くことになりましたけど、この合コンってあれですよね。
 王女様の近衛隊が画策した・・・ここからはたして、どうなってしまうのか?
 期待しながら、今後も楽しみです!

 


◆ 先々月のアルペジオ

2018年10月06日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2018年9月号より

 先々月の『ナポレオン -覇道進撃-』感想はこちら
 
 2ヶ月ほど遅れています・・・申し訳ありません。
 ここから追い上げたい所ですが、まだ忙しいのでどうなることか・・・
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●蒼き鋼のアルペジオ (Ark Performance 先生)

 

 いよいよ、学園祭!

 そのためか、海洋技術総合学院は物々しい雰囲気ですけども、
 それもそのはず、超大物が集ってきているようで、緊張感が高まります。

 分散首都・長崎からは、四天桃花首相。
 分散首都・札幌からは、刑部眞首相。
 そして、分散首都・東京の楓信義首相と、最重要人物が3人も・・・

 これだけでも、この学園祭がいかに注目されているかが、うかがえますね。
 今回、そうした首脳陣の集合と、ハシラジマの日常とが描かれる内容になっていました。

 

 

 

 日本の代表者が勢ぞろい。

 学園祭は、この国にとって記念すべきイベントだと述べる楓首相。
 今や国家事業とまで言ってしまうほど、開催困難なものだとわかりますし、
 それだけ日本という国が困窮しているのだと、察せられます。

 そして、楓首相と刑部首相は、これまで登場した人物でしたが、
 長崎の四天首相はどのような人となりなのか、気になる所でありました。
 外見的には、温和そうな年配の女性ですね。

 まず、刑部首相の言葉に驚いた際、楓首相が「四天さんから驚きを引き出すとは」
 と言っていたことからも、容易く驚くような人ではないことがわかります。

 また、楓首相の車椅子を、自ら進んで押そうとするあたり、
 細やかな心配りを欠かさないタイプなのだろうと、思われますね。

 さらに、鉄道で来たため、電源車の電池が空になったことに対して、
 楓首相がフル充電する旨を申し出た所、他にもたくさんの電源車を持ってきていて、
 しっかりしているというか、ちゃっかりしてそうなしたたかさも、感じられました。

 現在、“霧”のおかげで、東京は電気が有り余っていますからね。
 普段であれば、少ない電気をどう融通するか、政治的駆け引きがありそうですけど、
 そんな心配もないわけで、余裕のあることが大切なのだな~と。

 

 

 

 ハシラジマ・・・

 やはり、チョウカイさんもツンデレだった!?
 タカオさんの妹にあたりますからね、ああ、やっぱりみたいな(ォィ

 朝、群像を起こしに来た時、寝ている群像をしばらく見つめているチョウカイさん。
 「もう何時だと思ってるんですか」などと言いながら、起床を促す姿が
 まるで女房気取りに見えたのは、私だけでしょうか。

 起きた後の群像を、じっと見つめているのを気付かれた際も、
 反応がツンデレっぽかったり、もはやタカオ2世と名付けてもいいのでは?
 と思われる様子が、可笑しかったですねえ。

 そして、食事の席には、グンゾウとイセさんも。
 トーストを運んだチョウカイさんが、群像にお礼を言われると、ぷいっとそっけない態度。
 そこをイセさんに「ツンデレなとこは姉そっくり」と、からかわれていて笑!

 チョウカイさんは、群像くんに恋焦がれていたわけですね~。
 怒りながら照れるチョウカイさん、可愛い(ぇ

 

 

 

 イセさん。

 チョウカイさんは、イセさんが千早群像を受け容れていることが意外な様子。
 群像はヒュウガさんを「たぶらかした」相手なわけですから、言われてみれば確かに。

 しかし、イセさんは「輝くヒュウガ」さんを見ていたかったのだと述べ、
 だとすれば、群像が手中にあるうちに、401も手に入れれば、
 輝くヒュウガさんが、“霧”にいてくれると考えていたのは、面白い所。

 群像を亡き者にすればと考えたこともあるようですが、
 そんなことをすれば、ヒュウガさんは許してくれないだろうと気づいたというから、
 冷静といえば冷静なのでしょうね(^^;

 まあ、苦しむヒュウガさんもかわいいかも、とか言ったり、
 そんなヒュウガさんに破壊される気分を味わいたがったり、
 それでもヒュウガさんの側にいたい「欲望」が勝ると述べたり、イセさん変わってます。

 

 

 

 平和なハシラジマ・・・

 イセさんから「奥様」と言われ、取り乱すチョウカイさん可愛い。
 そこへ、ナース?姿のヒエイさんまで現れて、にぎやかな一幕が繰り広げられています。

 群像も呆気にとられているような表情してましたけど、この時、何考えてたんでしょうね。
 メンタルモデルたちの喧騒に、平和でも感じていたのでしょうか・・・
 あと、グンゾウくんも。

 などなど、横須賀でもハシラジマでも、様々な人々、メンタルモデルが集いつつ、
 新たなステージへの前フリも、完了した頃合い。

 はてさて、ここから何が起きるのか?
 多くのメンタルモデルが集まって来ている学園祭は? ゾルダンとレキシントンは? 
 緋色の艦隊は? <白鯨>とレパルスさんは? 401とナガト艦隊は? そして群像は?

 それぞれがどう動いてゆくのか・・・
 大いに気になりつつ、今後も楽しみです!

 

 

 

 今月のアド探~!

 ナチさん、島編。
 記憶をなくしているナチさんが、島になじみ始めているのが面白い。
 のですが、島の方のお嫁さんになってしまう可能性も・・・?

 一方、ナチさん探索のため、イオナさんに協力を求めるアシガラさんたち。
 しかし、無茶な依頼に難色を示すイオナさんは、別の人物への紹介状を書くのですが・・・

 まあ、ヒュウガさんだったわけですけども、まさにたらい回しという状況に笑!
 ヒュウガさんも、さすがにアシガラさんの頼みを聞き届ける余裕もない・・・と思いきや、
 何やらよからぬことを思いついたようで、一転、協力的になっていたのが怪しい。

 はたして、ナチさんはどうなってしまうのか? お嫁さんになっちゃうのか?
 そして、ヒュウガさんは何を企んでいるのか? アシガラさんたちは報われるのか?
 おまけコーナーなのに、諸々が気になります!

 

◆ ヤングキングアワーズ 感想は後日・・・

 


◆ 先々月のナポレオン

2018年10月04日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2018年9月号より
 
 2ヶ月ほど遅れています・・・申し訳ありません。
 ここから追い上げたい所ですが、まだ忙しいのでどうなることか・・・
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)

 

 コミックス15巻は、9月29日に発売済み! 感想遅れてます!!

 そんな今回、ロシア遠征・敗走編。
 冬となり、雪のつもったロシアの大地で、フランス軍兵士が1人、逃走中。

 味方からはぐれてしまい、極度の不安から周囲がコサック兵に見える状況で、
 とにかく味方がいないか捜していた所、砲撃の音が・・・

 しかし、音は1つだけで銃声もなし。
 一体何事かと近づいてみると、そこにいたのは髭面の大男。
 彼は大砲1つで、コサックを近寄らせないよう戦っているのだとか。

 そんな髭面の勇者に感動した兵士は、推薦をもらえるようにすると申し出るも、
 勇者は「これ以上出世できん」と述べて帽子をとると、そこには赤毛の元帥の顔が!

 といった感じに今回は、冒頭いきなり、ネイ元帥の人間離れした活躍が描かれつつ、
 過酷な撤退戦における伝説となった彼の姿を、活写するエピソードとなっていました。

 

 

 

 ネイについて語り合う老人たち。

 冒頭の話は、どうも伝聞らしいものの、ネイならやりかねんと話すあたり、
 ネイ元帥がどう思われていたかを察せられて面白い所。
 それだけ並外れた行動力とタフネスを持っていた、ということでしょうね。

 そして、彼らがいるこの時間は「第2帝政期」、つまりナポレオン3世の時代。
 ナポレオン栄光の時代は終わりを告げ、ネイ元帥も亡くなって久しい様子。

 12月7日というネイ元帥の命日に、彼の話に花を咲かせる男たちは
 元フランス軍の兵士で、だいぶ元帥を慕っていたことがうかがえます。

 

 

 

 伝説となった男。

 ロシアからの撤退戦において、切り離されたネイの第3軍。
 救出は不可能と判断したナポレオンは、退却を急ぐよう指示。
 冷徹な判断ではありますが、この状況ではやむを得ないものなのでしょう。

 そんな中、敵から投降を呼びかけられても、それを拒絶するだけでなく
 「貴君をわが軍の捕虜にする」などと、のたまっていたのが面白すぎでした。

 窮地にいるのはネイの方なのに、敵を捕虜にするとは戯言にも程がある・・・
 と思っていたら、本当にそれをやりとげてしまったのだから、脱帽です。
 凍えるほどの寒さの中、疲労の際にありながら、どれだけの超人ぶりなのかと。

 さらに、凍えた兵士に自分の持つ保温した水を与えたり、
 凍傷にならないよう助言をしたりと、自分のことより兵士を慮るネイ元帥の行動が、
 この苦境にあっても頼もし過ぎて、ただただ惚れ惚れせざるを得ませんでした。

 

 

 

 追撃を受けながら・・・

 撤退のために、生きて帰るために、最善を尽くすネイ元帥。
 コサック兵に追いつかれても、統率のとれた反撃で寄せ付けないのは凄まじい。
 寒さの中で疲労も限界でしょうに、どれだけ神がかっているのかと・・・

 それを繰り返し、不眠不休でもくじけない精神力は、最大級の称賛に値します。
 人間離れしたネイ元帥の活躍は、「化け物」と評されていて、むしろ痛快。

 ついに、ナポレオンの軍に追いつき合流できたのは、もはや奇蹟ですが、
 それを可能にしたのは、ネイ元帥の力あってこそなのでしょう。

 こんなの見せられたら、ネイのことが好きになるしかないじゃないですか!
 どれだけ強靭で、勇敢で、前向きで、カッコイイんだと・・・
 と同時に、彼がどのような道をたどるのか知っているだけに、切なくもなりますね。

 

 

 

 ダメ伍長の話。

 そして驚いたのは、もう一つの話。
 ネイについて語り合っていた老人の中に、ダメ伍長の後輩らしき人物が。

 これって、ルカくんですよね?
 戦友に会えたと述べている時に、セルゲイさんを思い出していたことからも
 間違いないですよね・・・生き残ったんだ、彼。

 そして、そのダメ伍長=ビクトルさんがどうなったかという話にも、
 驚かざるを得ませんでしたが、それでも大往生だったようですし、
 ここまでルカくんとも交流を保っていたことも、何だか嬉しい要素でありました。

 

 

 

 ミシェル・ネイ。

 ここで話を聞いていた新聞記者の話は、興味深いものでした。
 人が弱った時、絶望した時に求めるのは、英雄であると。

 モスクワからの撤退という悲惨な状況の中、希望として求められたのが
 ネイ元帥その人だったというのは、納得できる内容でしたね。

 さらに、「面白い部分以外は歴史家にまかせるよ」と述べていたのも愉快。
 新聞記者という立場ゆえに、面白い話はどんどん取り入れてゆくものの、
 地味な部分、大したことではないと思われる話は、学者先生に委ねると。

 これって、まさにこのマンガにも適用できる話なのかな、と思わされました。
 事実かどうかわからない話だってあるでしょうけど、面白ければ「逸話」として
 紹介できるのは、歴史の側面を感じさせてくれます。

 記者さんの語る「ロシア遠征の幕切れ」の話も、嘘くさいと言われつつも、
 デュマ将軍の回想録の内容というので、真実味を帯びているのは面白い所でした。

 伝説となった男、ミシェル・ネイ。
 彼を慕う老人たちの乾杯の音頭が、しみじみとした余韻を残しつつ・・・
 今後も楽しみです!

 

◆ ヤングキングアワーズ 感想は後日・・・

 


◆ ヤングキングアワーズ 感想

2018年07月25日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

2018年8月号

 

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら
 今月の『ナポレオン -覇道進撃-』感想はこちら
 今月の『ドリフターズ』感想はこちら

 表紙は、アニメ放送中の『プラネット・ウィズ』
 いかめしい表情の“復讐者”宗矢くんの後ろで、銀子さんと先生は楽しそう。
 そして、アニメの方は連載を追い抜いてしまったので、今後が楽しみです。

 ほぼ、ひと月遅れで申し訳ない・・・
 ブログの書き方を変えてゆこうかなあ。
 
 
 

 『プラネット・ウィズ』 (水上悟志 先生)

 グランドパラディンに囲まれた宗矢くんの運命や如何に・・・

 といった感じで始まりましたが、宗矢くんは臆することもなく、自らを復讐者と語り、
 “敵”に挑む姿が無謀すぎ・・・ではありますが、勇敢と紙一重な点は頼もしくもあります。
 とはいえ、所長の念動装光の圧倒的な力の前に、窮地に陥ってしまい・・・

 なんて内容でしたけど、気になったのは、宗矢くんは地球人ではないこと、
 彼の星は「龍」によって滅ぼされたこと、そしてグランドパラディンの面々は
 自らの力について知らないことなどで、この認識の違いがどこから生まれているのか、
 それが分かれば、黒幕(?)の狙いも見えてきそうな気がしますね。

 

 『鬼を飼う』 (吉川景都 先生)

 今回は、夜叉のお話で、三条さんもお疲れ気味。

 後藤くんが堪え性のない市村くんに手を焼いていたり、内部でも色々と大変そうです。
 また、上層部である「六人会議」なる存在も気になる所で、そこに英国人が入ったことで、
 何やらキナ臭くなっているらしく、このあたりには注目でしょうね。

 それはともかく、三条さんをうまくサポートする新潟くんの存在は貴重だと感じますし、
 後藤くんと市村くんのコンビや、何だかんだでリーダーとして頼りになる三条さんなど、
 夜叉の人間関係が面白く感じられるお話でありました。
 そして、事態が動き出し、一体どうなるのか、今後も楽しみです!

 

 『絶滅酒場』 (黒丸 先生)

 夏の納涼企画「うらめしや少年画報社」のお知らせが!
 アワーズ編集部ヤングキング編集部GH編集部ヤングコミック編集部のツイッターにて。

 コミックス2巻は8月発売! そんな今回、企画を通すのも大変だよなお話。
 ディアトリマさんの企画、植物食性の動物たちに起きる胃もたれに効く胃石補給薬。
 「胃石」についても興味深い内容でしたけど、企画が上司の反対にあうのも面白い所でした。

 酒場でみんなの意見を聞きながら、話し合う様子が愉快だったり、そんな話に聞き耳を立てる
 ジャイアントモアさんが、鶴の一声を発揮できる立場だったりと、いろいろ楽しかったですね。
 モアさんの心を動かしたディアトリマさんの企画への情熱に、乾杯であります。

 

 『アラサークエスト』 (天野シロ 先生)

 コミックス2巻は8月9日発売! そんな今回、王女近衛隊、動く。

 王女様が仮面つけているのも驚きですが、アンチエイジングが見つからないと命を絶つ
 とまで言い張っているのはなぜなのかは気になる所・・・落ち着いた雰囲気だけに。
 近衛隊では、隊長くらいしか王女を見たことがないようで、このあたりも謎めいていますね。

 また、近衛隊は「暇そう」などと揶揄される部署で、隊員の不満も高まるばかり。
 一方、ハイライトさんの所にも、近衛隊の調査がやって来たり、動きが活発化しています。
 そして、隊長とベアさんに、まさかの接点が? という展開から、さらにまさかの合コン!?
 一体なにがどうなってそうなるのか、一応スジが通っているのは面白かった(´▽`;)

 

 『JKども、荒野をゆけ』 (時田 先生)

 JKたちの略語文化についてゆけないカシコくん。

 “サークルクラッシャー”らぐどーるさんの攻勢に、タジタジになる陰キャぶりは可愛かった(ぇ
 しかし、なびこさんは、寝ているときにうなされるほど、学園でのことがトラウマのようで、
 それでも帰りたいと思っているらしい所が、辛かったですね。

 そして、カシコくんが病気になってしまい、怖い「ほけんしつ」へ行くことを決意するえるもさん
 でしたが、頼ってばかりではイヤだとカシコくんは1人で向かってしまい・・・といったお話。
 「せんせい」が怖かったものの、えるもさんのおかげで危機を脱し、一安心ではありましたが、
 お墓の存在など、この世界の深刻さを物語る要素も出てきて、気の抜けない雰囲気が興味深い。

 

 『マーチャンダイス』 (大石まさる 先生)

 今回は、ふくよかな大学生モナさんが主人公。

 牢獄にいるエモンさんに頼まれて、植物の水やりなどをしていますけど、大学に通う日々。
 相棒のミズキくんと共に、回路を作っていますが、設計したモナさんが頭良すぎて、
 作るのに莫大な費用が掛かるというのは、面白い所。

 そんな天才?な彼女の家庭事情などを絡ませて、ボトル衛星コンテストなるものを
 描いていたのは楽しかったですね。 ボトルサイズの人工衛星を作るとか、燃えますよ。
 そして、本当の天才であるモナさんの家族たちが、イイ人ばかりなのも愉快でしたし、
 何よりよかったのは、妹想いの兄がきわめて公正な人であったこと。 素晴らしかった~。

 

 『スーパー・カルテジアン・シアター』 (六道神士 先生)

 筥崎くん、文武両道計画が着実に進行中・・・

 ということで、浮かれる春月さんでしたが、そんな今回、身体(機体)がアップデートで
 操作しづらくなっていたのは愉快(´▽`;) せっかく、操縦に慣れてきていたのに・・・
 そして、もうすぐ体育祭ということで、このままでは力の制御ができず、危険な状態に。

 筥崎くんの対外評価と、同級生の命を天秤にかけ、春月さんが選んだ道は?
 山にこもって操縦の練習というあたり、同級生を危険にさらす可能性にも遠慮ない春月さん。
 その修行があらぬ噂を呼んでいたのは可笑しかったですけども、結局の所、力の制御が
 できていない状態で体育祭を迎えることになりそうで、一体どうなってしまうのか、楽しみ(ぇ

 

 
 
【コミックス5巻、発売中!】
●MUJIN (岡田屋鉄蔵 先生)

 

 中根さんの祝言・・・

 徳川家茂公と和宮様の婚礼からしばらくして、中根家でも祝言が。
 八郎さんも出席したようですが、どうも2年越しの祝言だったらしく、
 色々と大変だったことがうかがえます。

 そして、中根家を訪問する八郎さんたち。
 中根さんの奥方・時子は不在でしたけど、難しいご時世に貧乏旗本の家に
 嫁いできてくれたことを中根さんは感謝していて、語る様子がまるで惚気で愉快。

 八郎さんと本山さんが、そのことをからかうようにすると、
 大真面目な顔でむっとして、「単なる事実の羅列に過ぎん!」と述べる中根さんに笑!

 それから、風月堂のカステイラを出されて、からかったことを反省させられる2人。
 カステイラの美味さに舌鼓をうち、談話となりますが、話題となったのは、
 上様=徳川家茂公と和宮様の婚礼。

 大奥と和宮様がぶつかった、なんて噂があったものの、上様が間に入ったとか、
 その後も上様の心配りなどあって、打ち解けた夫婦になられたなど、めでたい内容が、
 徳川将軍家に親しむ江戸者っぽさを、感じさせますね。

 しかし、この婚礼を喜ばない勢力、水戸や一橋慶喜一派、薩摩・長州などなど、
 不穏な空気もあることが語られていて、幕末の複雑な政治状況をうかがい知れます。

 八郎さんは上様びいきで、このあたりが後々の彼の道行きに関わってくるわけで、
 その覚悟と清々しさに、感じ入らずにいられませんでした。

 などなど、中根さんの婚儀の話題から、家茂公の話にまで至りつつ、
 八郎さんの心意気が垣間見えた今回、上様への忠誠を尽くすことになる八郎さんの
 これからや如何に? と考えつつ、今後も楽しみです!

 

 

【コミックス1巻、発売中!】
●カグラ舞う! (佐藤両々 先生)

 

 女子高生、神楽を舞う!

 親の故郷に住むことになった両部神楽さん。
 そこで「神楽」を舞う人々と出逢い、惹かれるままに神楽部へ・・・
 初心者として悩みつつも、精一杯、取り組む日々が描かれる4コマ作品です。

 今回は、老人ホームの慰問で舞う「神楽」の練習。
 天照大神という大役に選ばれた神楽さん、先輩・昴くんと共に、夜の稽古をすることに。

 ちょっと気になっている昴くんと2人きり、しかも夜の稽古ということで、緊張気味?
 彼とのやりとりで、真面目に舞のことを考えつつも、意識してしまう様子が面白い。

 さらに、観客の前で踊ることに、今から緊張しまくりの神楽さんですが、
 昴くんも「緊張する」と述べながら、それを楽しもうとする姿勢が感じられて、
 何と言うか、頼もしかったですねえ。

 しかし、神楽さんはやはり自分には向いていないと考えているようで、気になる所。
 でしたけど、そこへ不審人物が現れていたのは笑!

 などなど、夜の稽古をする神楽さんのお話でしたが、彼女の神楽への取り組みが
 どこまで本気であるかは、これからの課題っぽいですかね?
 「神楽」とはどのようなものか描かれるのも、興味深い作品ですので。

 それにしても、昴くんとの関係が気になりつつも、幼馴染の奏太くんも無視できなさそう。
 このあたりにも注目しつつ、コミックス1巻も発売とのことで、今後も楽しみです!

 

 

【最終回!】
●ヒダルとヒルダ (鈴木小波 先生)

 

 コミックスは今秋発売! ・・・ですが、最終回!

 タタリ神のヒダルと、就活女子だった派遣社員ヒルダさんの物語も、ついに完結。
 最後は、お伊勢参りにやって来た2人に、運命の時が訪れる・・・?

 ヒダル神であるにもかかわらず、人を食べないために弱っているヒダルくん。
 それでも、伊勢神宮へやって来て、アゲアゲのノリノリな様子が面白い。
 そして、伊勢うどんを食べようなんて言っていますが・・・

 と始まった今回、ここでいきなり出逢ったのが、まさかの天照大御神とは驚き。
 傘を盗まれて機嫌が悪い所だったらしく、ヒダルくんが襲われたと思ったら、
 人間の姿になってしまって、またまた驚きでしたねえ。

 以前、ヒルダさんが見た人間の頃のヒダルくん。
 色々と美味しそうなものを食べてはしゃぐ姿が、まるで消える直前の灯火のようだと
 考えるヒルダさんが少し寂しそうで、天照さんも気にしている様子。

 ヒダルくんの夢は、お伊勢さんへ行くことだったようで、その夢がかなって嬉しそう。
 と同時に、その「最後」のようなふるまいが、ヒルダさんの気に障ってしまい、
 衝突していましたけど、それもこれもヒダルと別れたくないためなのが、切なかった。

 そして訪れる別れの時・・・
 天照様の八咫の鏡フラッシュには笑いましたが、その光を眺めながら、
 これまでの“グルメ旅”を振り返る2人が、最後の時を感じさせます。

 消えてしまったヒダルくん、泣き崩れるヒルダさん。
 そんな様子が胸を打ちましたけど、最後は丸く(?)収まって愉快愉快。
 なるほど、人間を食べなかったことが、良い方向へ作用したわけですね。

 などなど、タタリ神と就活女子(現派遣社員)のグルメ旅行も、寂しい別れで最終回。
 「神様は見るんじゃない。感じるんだよ」の言葉が、人と神との関係を言い表していて、
 見えるヒダルくんの存在が貴重なものだったのだと感じさせられます。

 就職活動に疲れたヒルダさんが、タタリ神であるヒダルくんに取り憑かれ、
 いずれは自分を食べてもいいなんて受け容れながら、共にグルメ旅をすることで
 互いに親しみを覚え、おそらく互いに救われていった物語は、格別なものでありました。

 なんてことを感じつつ、これにて完結は寂しいですけども、
 とにもかくにも、シリーズ連載、楽しませていただきましたー!

 


◆ 今月のドリフ

2018年07月21日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2018年8月号より

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら
 今月の『ナポレオン -覇道進撃-』感想はこちら
 
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●ドリフターズ (平野耕太 先生)

 

 死出の道か、生き抜く過程か・・・

 ひたすらに、黒王の陣まで突っ切ろうと斬り進む、豊久とドワーフたち。
 無双とも思える活躍で次々と敵を屠り、返り血を浴びる姿は、まるで鬼神。
 しかし、それは死を覚悟した姿でもあり、悲壮さを感じてしまいますが・・・

 当人たちは、笑いながら声を掛け合い、撤退を始めている信長たちに、
 手を振って別れの挨拶をするなど、陽気をふりまいているのが爽快ですらありました。

 豊久軍決死の突撃、その行方や如何に?
 いよいよ、決戦も最終局面へ突入です。

 

 

 

 廃城へ・・・

 陽気に別れの挨拶を叫ぶ豊久たちを眺め、グッと何かをこらえるような、
 そんな表情をする信長さんが、印象的でありました。

 自分のことを「しくじった男」「その程度の男」だと自認している信長さんは、
 「豊久をすり潰して生きる」価値なんてないのだと考えていたのが、何とも寂しい。

 それでも、そうなってしまった現状を受け容れ、「廃城へ」と告げる背中が
 彼の決意を感じさせますね・・・与一の引き締まった表情も、同様です。
 この戦いに敗れたことで、再び起ち上がる時、どう変わるのかは期待しておきたい所です。

 

 

 

 光秀の戸惑い・・・

 決死の突撃を敢行する豊久たちに、全軍が集中してしまう状況。
 そんな場面を目にして、「信長を追え」と叫ぶ光秀さんからは、手ごわい敵を
 今のうちに討とうとするだけではない、織田信長への執着のようなものを感じられます。

 その反動なのか、豊久を「雑魚」と呼び、彼への侮りをぶつけるように
 感情を高ぶらせていましたが、すぐさま状況を把握して、豊久軍の構造と、
 豊久の特性を見抜いていたのは、さすがと言うべきなのでしょうね。

 豊久の狙いと、その狂気を見抜く視点。
 それは光秀だけでなく、もう1人、土方歳三も同様で、それは豊久への執着であり、
 「薩人はいつもそうだ」「正気のまま」「狂う」と述べていたのが、興味深い所。

 心の中で、豊久の快進撃を望んでいるかのような、そんな言葉を述べていたのも、
 信長を逃すことを悔しがる光秀との対比になっていて、面白かった。

 

 

 

 終結か・・・

 激戦に次ぐ激戦をくぐり抜け、黒王のもとへ突き進む豊久たちでしたが、
 多勢に無勢、仲間たちも続々と減り続け、ついにドワーフも最後の1人に・・・

 もはや満身創痍。
 迫る黒王軍の兵卒は、横並びに大勢いて、もはや、これまでかと絶望的状況です。

 が、それでも笑顔で「しまいじゃなあ」と告げる豊久が、悲しくも快。
 はたして、ここが最期の地となってしまうのか?
 死に場所を、関ケ原で死ねなかった豊久が、手に入れてしまうのか?

 そして、その幕引きを土方歳三が務めることになるのか・・・?
 廃城へ逃れた信長が、反撃することはできるのか?
 諸々が気になりつつ、今後も楽しみです!

 

◆ ヤングキングアワーズ 感想