最近、読んだマンガの1巻作品いろいろです・・・
が、つい先日2巻出た作品も(^^;
こないだ1巻出たばかりなのに。
2巻も出た作品であれば、『放課後アサルト×ガールズ』や『異世界居酒屋のぶ』なども。
アニメ化も決定している『バーナード嬢曰く。』も、2巻出たのですよね。
『GANTZ:G』1巻 (原作:奥浩哉 先生/作画:イイヅカケイタ 先生)
『GANTZ-ガンツ-』スピンオフ作品。
修学旅行へ向かうバスに乗った少年少女たち。
事故に遭い、気付くと廃屋の小学校にいた彼らは、謎の黒い球体を目にする。
“ガンツ”と呼ばれる球体は、彼らに「星人」を倒すミッションを与え・・・
と始まる物語です。
『GANTZ-ガンツ-』(全37巻)は完結済みですが、そのスピンオフとなる作品。
主人公は「黒名蛍」という少女で、行動力のあるタイプ。
内木くんという男子を想っている節のある、普通の女子といった雰囲気ですが、
彼女を中心に、ガンツが演出する謎の世界でのハンティングが描かれることに。
『GANTZ-ガンツ-』を読んでいれば、このハンティングの理由や意図もわかっていますが、
本作を初めて読む方には、おそらく何が起きているのか混乱する状況だと思います。
しかし、それこそが「GANTZ」の魅力。
私は既読ですが、それでも、このミステリアスで残酷な風景が懐かしく感じられて、
存分に楽しむことができました。 これ、これこそが「GANTZ」ですよ。
「けだもの星人」を倒すよう、ガンツに命じられる一同。
この“ゲーム”の経験者らしき2人の少年が、アドバイスを授けるものの、
誰も本気にせず、唯一、蛍さんだけが気にしている様子で・・・
といった感じに始まったハンティングは、次々に犠牲者を出し、
やがて自分たちが恐ろしい世界へ放り込まれたと気づくも、時すでに遅し。
そうした絶望的状況が繰り広げられます。
ガンツから与えられたスーツと武器だけが、星人に対抗しうる手段。
それを駆使して生き残れるのか? 勝てるのか?
前作を知っていれば、最後に何が起きるのかもわかっているのですが、
本作でもそこまで行きつくのかどうなのか、気になる所。
そして、前作とはどう異なる物語になってゆくのか・・・ きわめて楽しみです!
『越天の空』1巻 (原作:地雷魚 先生/漫画:高野千春 先生)
「異世界ファンタジー空戦記、出撃!!!」 (オビ文より)
日宇皇国は、強国ウルティアによって滅ぼされる。
しかし、皇女とわずかな人々が、巨大な空中空母「八洲」に乗り込み、
そこを「国」として、新たな戦いに挑むこととなる。
その中には、皇国海軍パイロットである少女・飛来超天がおり、
彼女が「八洲」を、そして皇女・焔宮絢子を守るべく戦う物語になっています。
やはり、まず第1の見所は空中戦。
プロペラ機とはいえ、迫力ある戦闘には引き込まれますし、エース級の活躍を見せる
主人公・越天の戦いぶりはめざましく、きわめて痛快です。
第2の見所になるのは、人間ドラマでしょうか。
同じ航空隊の仲間たち、妹・蒼天、そして皇女・焔宮との関係など、
越天の周囲にいる人々とのやりとりが、面白かったり、ハラハラだったり。
第3の見所は、政治劇。
まだ若い皇女・焔宮には、実質的な支配者といってもよい太傅・山本兼倶がおり、
皇女はお飾りのような存在となっていて、このあたりにも緊張感があります。
しかし山本は優秀で、彼の考案した皇国の方針は、やがて世界を巻き込み、
日宇の先行きに大きな影響を与えることに・・・
その際の国際的な政治劇も、今から楽しみな所です。
「八洲」という空中空母を「国」として、漂い続ける日宇皇国のとるべき道は、
逃げ続けて生き残ることではなく、攻めて勝ち取ってゆくこと。
その戦いに身を投じることになる越天や焔宮の運命は?
私は、原作小説既読ですので存じ上げておりますが、それでも楽しみです!
『公爵令嬢の嗜み』1巻 (原作:澪亜 先生/漫画:梅宮スキ 先生)
乙女ゲームの悪役令嬢に転生!?
乙女ゲームを楽しむOLさんが事故に遭い、命を落とすところから物語は始まります。
目覚めると、彼女はゲームの中の悪役令嬢・アイリスになっていて・・・
といった感じのお話。
目覚めた途端、没落のきっかけとなる学園を追い出される場面の渦中におり、
その際、何とか気丈にふるまいながら、アイリスは立ち去ることに。
そして、己の没落を回避すべく、父と交渉。
ここでのふるまいが認められた結果、彼女は父より領主代行の地位を与えられ、
彼女の新たな戦いが始まることになります。
本作は、いわゆる悪役令嬢モノというジャンルに属しています(参照)が、
アイリスはゲーム内の主人公にとっては、嫌なライバルかもしれないものの、
身近な人々にとっては恩人であり、敬意を捧げられていて、悪役らしくありません。
メイドのターニャ、護衛となるライルとディダ、博識なレーメなどなど、
他にも様々な人たちが、子供の頃アイリスに救われ、親しみを持っていることを考えると、
むしろ善人といっても過言ではない人物像。
そんなアイリスが領主代行として、領地経営に乗り出すことで、
何かが大きく変わり始める予感がひしひしと感じられる点に、期待が持てる内容です。
正直、展望が甘いのではないか? と思えることもあるのですが、
そこはファンタジーとして受け入れつつ、どのような物語が紡がれてゆくのか、楽しみです!
『レッドドラゴン』1巻 (池野雅博 先生)
新解釈!項羽と劉邦。
〈秦〉の始皇帝により統一された中華世界。
しかし、急進的な統一はひずみを生み、各地で圧政に苦しむ人々が。
そんな中、劉邦と盧綰は〈秦〉の物資を奪っては、村々に配っていたものの・・・
と始まる物語。
いわゆる「項羽と劉邦」の物語といえば有名ですが、その新解釈版といった所。
確かに、はじめ役人をしていた劉邦がなぜ〈秦〉に敵対するようになったのだとか、
削られているエピソードが目立っていて、その点で少し残念かな~と思ったのですが、
それが気にならないほど、エンタメとしては秀逸で、燃える展開に引き込まれます。
まず劉邦と、幼なじみである盧綰が主軸となっているのは、面白い所。
と同時に、物語を引っ張っているのは、むしろ盧綰の方で、彼の存在の大きさには
注目せざるを得ません。(劉邦陣営の豪傑といえば、樊カイの方が有名なだけに)
さらに、劉邦自身は大した能力もなく、人望や徳で他人に支えられる存在というのが定番
なのですが、本作では自らの意思と知略で行動する英傑として描かれているのは、好感触。
私も、劉邦はこうした人物だったと考えているので、この劉邦像には感服でした。
(もっといえば老獪かと思われますが、そこまで求めるとエンタメ性が薄れてしまいそう)
秦将・董翳が早くも登場していたり、劉邦の妻となる呂稚との関係も面白かったりと、
見所満載の新しい「項羽と劉邦」物語。
次は、項羽サイドに移りそうですが、実はすでに2巻が発売中!
どのように〈秦〉打倒へ進んでゆくのか? 「項羽と劉邦」は好きな話なので、楽しみです!
『蜘蛛ですが、なにか?』1巻
(漫画:かかし朝浩 先生/原作:馬場翁 先生/キャラクター原案:輝竜司 先生)
女子高生が転生したのは・・・蜘蛛!?
女子高生だった少女が、強烈な痛みに襲われた後、目覚めると、
なぜか異世界で蜘蛛になっており、その姿で生きることに・・・
と始まるお話。
いきなり周囲は蜘蛛だらけ、唐突に共食いし始める蜘蛛たち。
そこから逃れるべく、必死に駆け抜ける主人公の蜘蛛さん。
そして逃げた先で、自分がモンスターであること、「鑑定」スキルを使えることを知り、
さらに、糸を出して「マイホーム」まで作ってしまう蜘蛛さんのたくましさが、面白い。
あまりクヨクヨ考えず、たくましく生き抜こうとする点は、好感触ですね。
また、他のモンスターや人間などに脅かされつつも、そこで戦い抜き、生き残り、
といった展開が繰り広げられるわけですが、命がけとはいえ、ある種のゲーム感覚で
描かれる所が、本作のエンタメ性の高さを示していると感じます。
蜘蛛が主人公という妙な作品ではあるのですが、そのあたりの面白味を中心に、
意外に引き込まれる内容になっていて、侮れません。
この蜘蛛さんが、はたしてどこまでやれるのか、期待して読んでしまう魅力。
その点に注目しつつ、楽しみです!
『頂き!成り上がり飯』1巻 (奥嶋ひろまさ 先生)
不良高校で成り上がる方法は・・・料理!?
王森高校は、頭であるメリケンを倒すべく、誰もがケンカしているという不良校。
1年生であるケニーもメリケンに挑むものの敗北し、そこで弁当を食べられてしまうも、
その結果、ケニーは全生徒の胃袋をつかんで頂点をとる戦いに目覚めることに・・・
といった感じのお話ですけど、
ケンカと飯、それが本作のキモになっていて、とにかくケンカがよく起きます。
そうした意味では血なまぐささを感じるのですが、どちらかといえばコミカルな雰囲気で、
何かを食べたときのリアクションやイメージは、なごみや笑いのある内容になっています。
幼い頃の親友であるチャボやグッさんと再会し、共に学校の頂点をとろうとするケニー。
その方法が、自分の作った弁当で、生徒たちの胃袋をつかむ事というのが可笑しいですし、
それを大真面目にやってしまう所が、大きな魅力であると言えるでしょう。
朝食をとっていない奴のパンチは軽いとか、カルシウムが足りないからすぐキレるだとか、
食べ物とケンカを関連させたネタが、なかなか面白かったりします。
また、食を通じて他人の心を軽くするといったドラマ性もあって楽しめますし、
何より主人公ケニーが、母が不在がちな家庭で、それでも自炊し母に感謝を込めるほどの
男気あふれる人物であることが、物語を良質なものにしていると感じます。
はたして、料理で「頂」をとることはできるのか?
ケニーの戦いの行く末が、楽しみで仕方ありません!
『折れた竜骨』1・2巻 (漫画:佐藤夕子 先生/原作:米澤穂信 先生)
「理性と論理は魔術をも打ち破る。必ず―――」 (2巻オビ文より)
2巻同時発売の本作。
時は1190年、イングランド王国、ソロン諸島を舞台に起きる謎の怪事件。
魔術を駆使していると思われるその事件に、島外の騎士と従士、そして領主の娘が挑む。
ソロン諸島は、大小2つの島からなり、大きな島には街が、小さな島には領主の館があり、
その小ソロンにて、ある老兵が謎の死を遂げ、その死を様子を知った騎士ファルクと、
従士二コラがやって来きます。
彼らの話では、老兵の死は魔術による可能性があるということで、
領主の娘アミーナも共に、その調査を行うことに・・・ といったお話。
イングランド王リチャードは、十字軍遠征に出ているご時世。
そんな中で、魔術による殺人が起きた可能性があるというのは、ミステリアスであり、
そこからして引き込まれてゆきます。
さらに、第2の事件も起きるのですが、これに領主が雇い入れた傭兵たちも絡み、
物語の謎はさらに深まるばかり。
それでも「理性と論理」でもって、事件に挑む騎士ファルクの姿勢は冷静で好ましく、
頼もしさすら感じられるほどで、領主の娘アミーナも聡明であり、物語の牽引役として
申し分ないほど魅力的です。
しかし、あまりに謎が多すぎるうえに、魔術が絡むのだから、あまりに難解な事件。
そこでどう推理し、立ち向かうのか・・・ 非常に続きが楽しみです!