シェーカーを知っていますか?
1774年、イギリスのマンチェスターからアメリカにやって来たアン
リー(Ann Lee) はキリスト教の新派クエーカーから別れ、シェーカー
の創設者になりました。
シェーカーは宗教は勿論、ユートピアの共同体を作ることが理想で、
独特な暮らしの規律を持ちます。仕事と信仰、男女平等、忍耐、純
潔、清潔、平和主義、精神性と機能性が合致したシンプルな暮らし
と経済的に労働で独立する事がモットーでした。19世紀のはじめ信
仰と仕事を共有したシェーカー村は4,000人のメンバーに増えまし
た。南北戦争以後は減少しだし、1900年には1,000人程度の信
者となり、独身主義のため後継者が育たず、現在はメイン州に残る
わずかな信者だけになりました。
しかしシェーカーの残した遺産はその顕著なスタイルで現在でもシェ
ーカースタイルとして影響を及ぼし特にシェーカー家具はコンテンポラ
リーなライフスタイルにもあい、最も高価なものです。
必要のない装飾を取り除き、機能性を追求し、極限美に達したシプ
ルなライフスタイルはモダーン ムーブメントが起こる150年前に確立
していたのですから驚きです。
シェーカーの残した建築、家具、生活用品、ライフスタイルのすべて、
アート、サイエンス、クラフトマンシップ、ビジネス、音楽、教育、政治、
医学、農業、商業などアメリカの歴史上最も大きな影響力を持ちまし
た。数箇所に残るシェーカー村は現在歴史保存地区として保存され、
暮らしの美術館として公開されています。200年前建てられたハン
コックにあるシェーカー村は当時から旅人が清潔で端正、村を通るだ
けで豊かにオーガナイズされた様子は旅人たちに感動を与えたという
記録が残っています。
その感動はその昔、日本家屋に住んだ日本人の暮らしのスタイル
と共通なものがあり、感動を新たにします。
アメリカの友人が言いました。「日本の家屋はなんと醜くいのでしょ
う!しかし京都の二条城で、日本の建築の美しさに感動させられまし
た。日本人の精神を感じました」 と。
シェーカー村を訪ねると日本人なら郷愁に似た共通の精神を感じる
に違いありません。
メトロポリタン美術館には常設のシェーカールームがありますから
是非チャンスがあれば見てください。
写真は先月の終わり、シェーカーのハンコック村を訪ねたときのもの。
ハンコックは1783年より始まり1830年には3,000エーカー
(約360万坪)に300人が住んでいました。
参考:Hancock Shaker Village:
www.hancockshakervillage.org
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