リンダ フリードマン シュミツ の挑戦
アメリカン フォークアートの代表的なものにキルトとフックド・ラグがある。
幾何学模様は知的な作業で永遠に新しい可能性を発見できる面白さがあり、
ラグのデザイン表現は材料に制限がなくチャレンジしたい人には最適な媒体である。
リンダはフックド・ラグは常識として100%ウールと思っていた人たちの度肝を抜いた。
捨てられた科学繊維をストライプに切ってかつて誰もやったことがないことで、社会的発言、
人種差別、偏見、政治的、宗教的、性的なものなど社会的リアクションを気にして
避けている社会にラグで抗議した最初の人だと思う。
NYフォークアート美術館のラグレクチャーのあとで。私の後ろがリンダ
リンダはナチ収容所のトラウマを持つ両親の子供でアメリカで生まれた。彼女もまたアメリカ社会の偏見に悩み、
上等のキャンバスに描かれた絵画のみがアート年て認める社会の矛盾に抗議を続けている。
ベビーカートにのっている父親。泣き叫ぶ子供。慟哭する人間の悩みなどフック。国連は2013年いかなるアーチストも表現は
自由であると表明しても一般の認識度は開かれているわけではない。リンダはまじめに自己批判と反骨精神をもって、人間
の苦悩を雄弁に表現し続けている才媛のラグ作家である。
テーマをストライプで表現する日米展を企画し日米で展示。日本では銀座ミキモトで開催した「暮らしの詩 日米フックド・ラグ展Ⅲ2009年」
にリンダも参加。
精神的にトラウマのある父親がストライプのシャツを着て乳母車にのっている戦争の悲劇を表現している。
「暮らしの色鮮やか」 の朝日新聞の記事参照。ナチ収容所が開放されアメリカ軍がドアを開けた時、今まで生き残った人たちが
解放されたドアの前で何人も死んだという。
父親がナチ収容所を出たときは17歳。アートは楽しいものでなければいけないと思っているけれど
リンダの反骨精神は発言を続け、人々の心を揺さぶり語りかけている。