小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「春たけなわ、アースデイっていいね」

2008-04-29 05:56:29 | ニューヨーク暮らしの日々

地球のことを考えて行動する日。
みんなで一緒に地球を助け合い実行する日だよ。

セントラルパークのアースデイ。髪の毛が林なの。いいアイデアね
 アースデイは1970年4月22日にカリフォルニアでNEPA
(The  National Environment Policy)が発足し、現在も継続して、世
界中に広がっている素晴らしい草の根運動なのね。もし皆が守れば
自然は毎日を美しくしてくれるよ。

パークのいたるところでボランティアが花畑のお手いれをしている。

大人も子供も集まって、”地
球が泣いているよ。いいアイデアを書いて
見ましょう”と声をかけ、すぐさま樹の周りが展示場に。



 ベンジャミン フランクリンは“井戸が枯れれば、水の大切さを知る”
といったけれど、その時にならないと人間は分からないのね。

卵の空き箱がパレットに。素敵なリサイクルね。

 ”自然はすべての人間を満足させてくれるけれど、人間の欲望を
満たす事はできない”とガンジーさんは言い、トーマス エジソンは、
”人間は草を作り出す事はできないから科学の知識など笑い草だ”
と崇高な自然を讃えているの。先人たちの達見を頭の中に植え込ま
ないとすぐ忘れちゃうのね。
一日だけなら駄目なの。
毎日をアースデイと考えましょう。毎日がアースデイ。毎日がアース
デイ。毎日がアースデイ。


 

 

 


「セントラルパークの青空に飛ぶ巨大な蛾」

2008-04-25 10:49:28 | ニューヨーク暮らしの日々

ア!凧になりたい!夢は大空を駆けめぐる

え?凧あげ?

美しいなー

私も凧のように飛んでみたいナー

ああ、風がなくなったわ。パークの気象台の上のアメリカの旗がひら
めかなくなったら凧揚げも終わり。そばに行っておじさんと話そう!


すごい!薄いナイロンに蛾の絵が描いてある。なかなか巧い。
「おじさんはアーチストねー」 “趣味なんだよ。言い換えれば・・
貧乏アーチストじゃないんだ”

“凧を揚げられる日はラックだから此れが面白いんだよ”
「そう、いい話ねー。気に入ったわ」


「凧作りを教えないの?」 “教えるより、作るほうが面白い”

「日本の凧揚げはすごいのよー」 “知っているよ。いつか行きたいと
思っているんだ”

太い外回りのワイヤーには2センチおきにかぎホックがつけられ、布
地を止めるようになっている。ホックを取り付けるのに1時間半かかり、
取り外しに30分かかるという。夢はお金では買えない。数分の楽しみ
だったけれどもひどく心が満たされた。「またみにくるわね。」 “OK”

 

 

 

 

 


「ニューヨークの街角で出くわすアメリカン絵画のソース」

2008-04-22 01:57:44 | ニューヨーク暮らしの日々

一人歩きは、立ち止まるところが無数にある

   アメリカン リアリズムを感じさせるチェルシーのレストランにて

チェルシーの画廊;入り口中庭に展示されていたアメリカのrealist 
sculptor,Carole A. Feuermanの彫刻 www.Feuerman-Studios.com

     ホッパーも立ち止まるかも知れないチェルシーのレストラン

                                               チェルシーのガード下のポスター

                 何でもない街風景の中にもアメリカがある。



ヴィレッジの街角で売っていた無名画家の絵。“なかなかいいわね”
というと、“値段はイクラでもいいよ”といった。

      街角に張ってあるポスター
アメリカンリアリズム
色彩、フォーム、スペースなどアメリカンアートと関連されるアイデア
を視覚的にキャッチ出来る美しい風景は、ニューヨークのいたるとこ
ろに転がっている。美しさの評価はそれぞれが違うけれども・・・
1950年代に始まったアメリカンアブストラクト絵画、ポップアート、ハ
ードエッジ、ミニマルアートなどアメリカのポピュラーカルチャーに影響
を及ぼしたコカコーラやスープ缶、コミックスなどはアーチストから影響
を受けたのか、人々が影響を及ぼしたのか?
と錯覚させられる街風景や、ホッパーのリアリズムやデクーニングを
思わせるいたずらがきなどはダウンタウンの何処にでもある。
 ヨーロッパの果物の色がアメリカの果物の色と違う。
印象派絵画が
発祥したのはこのやわらかい太陽の光と空気なのだと、ヨーロッパの
太陽の下で始めて発見し納得がいく。
 タマヨやシケロスの絵画に出てくる黒ずんだ紫色の花は、多分革命
の叫びを象徴しているのだと思っていたが間違いだった。メキシコにい
くとその色の花がたくさん咲いていた。青空にちぎれ雲を見るとオキー
フ絵画を
連想し、街風景のなかでホッパーにめぐり合い、捨てられたゴ
ミの山にジャスパージョーンズやデクーニングにも出会う。世界の何処
にいても荒海を見ると北斎の荒波のデザインを連想する。
アーチストたちの創造したイメージが言葉でなく、説明でなく、人々の
脳裏に刻みこまれている。アーチストは
素晴らしい職業だとつくづく思う。

参考サイト
http://www.whitney.org/
http://www.art.com
http://americanart.siedu/museum_info/index.cfm















 


「セントラルパークのキャリッジ」

2008-04-15 14:21:35 | ニューヨーク暮らしの日々


ホースパワー         時代物になったキャリッジ。

 ついこの前までパークのポリスマンは馬に乗って巡回していた。
現在は乗馬クラブも馬小屋もなくなり、ウエストサイトのパーク沿い
にあった乗馬用の道もなくなった。
 アメリカの大金持ちの家には必ず豪華版の馬小屋があって、キャリ
ッジが何台も並んでいた。
 キルトコレクションで有名なアメリカの三大フォークアート美術館の
一つ、シェルバーン美術館の創設者は叔父さんから受け継いだ大量
のキャリッジのコレクションから始まった。
 バーモント州の広大な敷地に美しく建物が点在するシェルバーン
ファームにある馬小屋は19世の終わりに建てられた暖房付、エレベ
ーター、時計台付の美しい建物だ。
 シェルバーンキルト展のためにやってきた高島屋の人は馬小屋を
見て「ウワー!聞きしに勝る素晴らしい住まいだなー」と感激。
「これは馬小屋よ」というと「此れを見ないと昔のアメリカの金持ちの
スケールが分からないなー」といった。
 車が出来る前のアメリカン リッチは美しい馬とキャリッジがリッチ
印のステータスシンボルでもあった。

 地方に住む大金持ちたちはニューヨークに来る時は近郊のホテル
でファッショナブルでエレガントな衣装に取替え、磨かれた最新の
キャりッジでセントラルパークの表玄関である72丁目の入り口、
1876年に建てられたパークを見下ろせるほど大きいウエブスター
(Daniel Webster)銅像の横を通って5番街に抜けた。

 山高帽を被ったぎょしゃが誇り高く手綱を握り、見られる楽しさを満
喫した一大ショーでもあった。貧乏人は道の両側で眺めて楽しんでい
た。今のパークを通過するキャリッジは馬の手入れガいいとはいえ
ないけれど、パークの景色にゆったりとなじむ美しさがある。
 
ツーリストがパークを楽しむには馬の速度がちょうどいいのだろう。


 
しかし馬に変わる自動車が出来たとき、力の単位が1ホースパワー
=33.000 lb.ft(1分で33.000ポンドの重さを約30センチ動かすパワー)
の馬力で換算されたのも面白い。
 電球の単位ワットを作り、蒸気機関を発明したジエムス ワット
(1736-1819)は蒸気機関車を売るために、蒸気機関車の1分間の力
は24foot(約60センチ)のサークルを180ポンドの碾き臼を馬が1時間
に144回まわる力と同じと宣伝した。
 20ワットの電球は0.0268 ホースパワーとか。馬のくしゃみ位なのだ
ろうか。
 現在の1メカニカルパワーは745.699ワット=746キロワットとか。
ついていけないなー。

 

 

 

 


「マンハッタンの工事現場」(2)

2008-04-02 05:18:33 | ニューヨーク暮らしの日々

工事中も環境美を考える。

 日本に帰ると「只今工事中です。ご迷惑をおかけして申し訳ありま
せん」と工事用帽子を被った男の子が伏目がちに頭を下げている立
て札があちこちに見られ、「どういたしまして」と迂回する。
「注意しろ」と命令している点滅灯よりは、この看板はフレンドリーで
可愛らしい。
 ある日、シシリーのパレルモで車も通過できないほど狭い石の
ブロック路の突き当たりに幻かと思われる美しいグレイの建物が浮き
上がっている。近ずくとまったくオリジナルと同じに修復される建物の
実物大白黒写真がメッシュに印刷され、工事現場の囲いになっていた。
勿論由緒ある歴史的建造物らしい。イタリアの建造物が美しいのは
工事する人ばかりでなく出来上がるまでの環境を維持し、歴史に感
謝し、修復を楽しみにしている人たちの心いきさえも分かり、さすが
イタリアだと感心したものだった。
 あれからもう10年もたつ。その間ニューヨークのビルの巨大なビル
側面広告は看板屋の手描き看板から、巨大ビニール印刷のシートが
ぶら下がる時代になった。
 しかし最近、ニューヨークにも出来上がりビルのイメージを美しいメ
ッシュ印刷で囲む業者が出てきて道行く人々を楽しませてくれる。



141 22丁目の5番街。遠くから見ても、なんだろうとそばにいって
みたくなる嬉しさがある。サイトで完成後のアメニティを、ニューヨーク
らしいジャズをバックに建物の上部4軒しかないアパートをすでに売
出している。一見に価す素敵なサイトである。141fifthavenue.com

自然博物館の工事中の覆い


自然博物館で今修復中の建物の覆い。ストリートに面する塀には教
育的なクイズやインフォメーションが書いてあり、建造物維持の誇りに
満ちている。