小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「マンハッタンのグリーンマーケット」

2008-06-28 14:57:38 | 

自然の味は恵みの味・美味しいものは美しい。

 グリーンマーケットはニューヨーク市近郊200あまりの小さな農家
や魚屋、パン屋などが、有機肥料・無農薬で育てたものを中間業者
なしに自分たちの手で直接売ることが原則でニューヨーク市の環境
局と市民団体との協力でプログラムが作られている。
 
公共の開いている場所を有効に使用するのも素晴らしいアイデア。
1976年以来開かれ、ストリート、公園、週末の学校の校庭などを
利用して開かれ、マンハッタンだけで40箇所ぐらいある。
 一番大きいのは17丁目のブロードウエイで週4回開かれるユニオン
スクエア マーケットである。輸入したものやコヒー豆など自分たちの
手で作ったもの以外は売ることが出来ない。
 又腐りやすいものは24時間以内に収穫したものである事、多くの
売れ残りは貧しい人の組織に寄付され、2007年には392,453ポンド
の食料がシティ・ハーベスト(貧しい人たちヘの救済事業・スープキッ
チンは誰にでも無料で提供されている民間団体)に寄付されている。
人の集まる、トラックが駐車できる場所があるところは何処でも市民
が望めば許可
されている。

ルバーブ(rhubarb) のジャムは簡単に作れ、個性的な味がする。

ガーリックの茎。昔は捨てられていた。新鮮なズキーニ はサラダや
塩もみだけでも本当に美味しい。

 皆が捨ててしまう、かぶらの葉っぱは、細かく刻んで塩もみしてサ
ラダに入れたり、パスタに入れたり、彩りも味も抜群に美味しい。

若いたまねぎも甘くて抜群、スイスチャートという甜菜に似たた野菜の
ソテーも本当に美味しい。

まいたけ?塊は大きすぎて買ったことがないので味は分からない。
大きいマッシュルームは中に詰め物をして焼くと付け合せに最高。

日本のサツマイモの合いの子。 ブルーベリーは一箱5ドル。


 友人のカントリーハウスの裏庭ではブルーベリーが大ボール一杯す
ぐとれ、ジャムを作り、パンケーキにかけて食べた。ブルーベリー摘
子供たちのお小遣い作りだったそう。今の子供は見向きもしないので
手でつむ分高価になってしまった。野菜は1ポンド(500グラム)
約3ドル~34ルぐらい。普通のスーパーより少しお高いけれど、わざ
わざ行く価値があり、日本の友人たちに食べさせたいと思う。
見るだ
けでも楽しいのでおすそ分け。魚は朝早く行かないと殆ど売り切れて
いる。農園見学も申し込めば可能。

月、水、金,土曜、朝8時~6時まで一年中開いている。週に4回マーケ
ットが開いているのはユニオンスクエアだけ。後は週末,場所によりスケ
ジュールも様々。
参照:www.cenyc.org  212-788-7476

77丁目コロンバス アヴェニューの小学校の校庭は毎週日曜日、フリー
マーケットとグリーン マーケットが開かれる。PTAがオーガナイズして
いて、マネージャーを雇い、校庭の周りのフェンスが立派に修復された。
場所のない日本、忙しいお父さんは大変でも、引退したおじいちゃんた
ちの社会奉仕にもなるし、市が協力するといいわね。NYCでは市民のた
めになるアイデアをいつも大歓迎している。隠居は退去。行動が脳を
活性化する!



 














 


「アメリカのお父さん」

2008-06-16 13:58:17 | ニューヨーク暮らしの日々

優しいお父さん大好き











 今日は父の日。散歩のたびに優しいお父さんを撮リ続け、父と子の
写真はものすごい数になった。暮らしも愛情の表現も時代と共にか
わり、あたり前の風景になるのは楽しい。「可愛いわねー」と声を
掛けると、お父さんたちからは満足の笑顔が返ってくる。











 


「誕生日プレゼント」

2008-06-08 00:48:42 | ニューヨーク暮らしの日々

人生は笑いと涙


 
誰もが自然を愛でる一年で一番美しい6月。
セントラルパークのライラックの花が咲き誇り、アカシアの花が咲く頃
私の誕生日がやってくる。私の育った家は周りがライラックの樹で囲
まれていて、私の誕生日はいつも家中がライラックの香水に浸ってい
た。ライラックの香りとアカシアの甘い香りは私の青春時代の夢の香
りでもある。40年以上ニューヨークに暮らして、この香りの中で誕生日
をむかえるのは幸せなひとつといえる。誕生日祝いに誘ってくれた友
人と映画 ”Young @Heart" (心の若さ)を見る。

 
何が面白いといっても人の人生ほど面白いものはないと思う。
小説や伝説が生まれ、いき方の妙は尽きる事がない。
この映画は平均80歳以上のシニア、コーラスグループのドキュメンタ
リー映画だ。ニューイングランドのインテリ ヒッピーの集まる街、ノー
スハンプトンを舞台にくりひげられる27人のアマチュアのハイシニア
コーラス グループが最後の人生を 「やれば、できるぞ!」 と、クール、
パンク、ロックを歌いまくる。

 「終わりよければすべてよし」、人生最後の気合の入ったシニア人
生は、笑いと涙なしには見ることができない傑作な映画だ。
 
グループの中には病院から通う者、痛い足を引きずって歩く者、車
椅子で来る者、中には猛烈な超スピードで運転してくる者、空気補
充のパイプを鼻に差し込んだ状態の者などそれだけでもすごい説得
力があり、意気込みを教えてくれる。
 劇場は満席になる。マイクの前で女性シニアが”ギャーツ”と叫ぶ。
横の男性シニアが 「いい感じだあー!」 と叫び、シニア パンク コーラ
スが始まる。
 ”出来るんだ!あなたも私もできるんだ!そうなんだ!
出来るんだよ。誰でもができるんだよー!”
と歌いまくる。
もう肘をはって生きなくてもよいシニアたちがまじめに歌う姿に、そして
今を精一杯に生きているシニアたちに観衆は湧き、喝采を贈る。

 このリハーサルの間に二人のメンバーが亡くなった。涙は出さない。
自分たちの肉体も滅びていく事を知っているシニアたちは更に精を出す。


 グループは刑務所に慰安に行く。”Foever Young"(永遠の若さ)の
コーラスでで感涙し、感動する囚人たち。この場面は素晴らしいメッセ
ージがあり感動的であった。

 自分は老いたと座り込んで昔話をするのも人生。悔やんで暮らすの
も人生。過去の栄光の日々に満足するのも人生。自慢話をするのも
人生。 老いてからどう生きるかは我々の選択だ。坂を降りる肉体に
鞭打って今を生きる精神の素晴らしさを学ぶ。笑い、泣かせ、人生は
いいものだと教えられる。

 改めて、これからも今を精一杯生きようとこの映画から励まされる。
ハイシニアになった誕生日のすがすがしいプレゼントであった。