アメリカのベッド掛け:カヴァレット
写真上:スミソニアン博物館より
アメリカの暮らしの詩(うた)、キルトやフックド・ラグとともに、
布地として手作りで顕著なものに、日本ではあまり知られていない
ウール織りのベッド掛け、カヴァレットがあります。
織り柄の種類も多く、アメリカで作られた最も美しい織物の一つです。
アメリカのベッドカヴァーはアメリカ人にとって重要な暮らしの一部
です。キルトより先にコロニアル時代から織られていたウールのカバ
レットは縦糸がコットン、横糸の織り方や織り機により様々なデザ
インがあります。
1820年代にジャガード織が発明されてから絵画的デザインも織ら
れるようになりました。
キルトの基本的パターンもカヴァレットのデザインから影響を受けてい
ます。
すべてが手作りで、自然繊維しかなかった時代、又人口密度が少な
かった時代、カヴァレットの織り師たちは主に男性で、織り機を背負って
食、泊付で家からへと訪ね歩き、数日で織り上げたそうです。
今でも残っているアメリカンカヴァレットは19世紀以前に作られました。
完全な状態で残っているものが多く、殆どが自然染料であるため、現
在でも美しい色彩を保ち、皺にならず、重厚な味わいがあります。
織師の名前や年代が織り込まれたものがあり、暮らしの歴史を忍ば
せています。
ベッドの下にはトランクやトランドルベッドと言われる引き出して使う
ベッドが置いてあったため、ベッドの高さは今よりも高く、カヴァレット
は床まで覆う大きいサイズがあります。
150年以上もたった今も健在な状態で市場に残っているのは、キル
トやフックド・ラグと並んでアメリカならではの貴重なアンティックとなっ
ています。
カヴァレット参照:
http://www.bama.ua.edu/~vwimberl/ctd415/coverlets/sld034.htm