小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「リンゴの話・その2」

2009-10-17 04:54:36 | 

リンゴの話その2 
人間への恵み・リンゴの気持ちを汲み取ろう!

 
皆さんご存じの通り、言い伝えられている格言 「毎日のリンゴ1個は医
者いらず」は現在、健康のシンボルとして医学的にも多くの特典が証明さ
れている。
ペクチンを大量に含んでいるリンゴは癌の予防、心臓、肺、動
脈硬化、脳、 (記憶力、思考力を増す)リンゴ一個分のジュース(カップ1杯)
は脳の酸化を防ぎ、アルツハイイマーにも効く。太りすぎなどにも。
(University MassLowell Research)  (http://www.applesprevent.com)  
 
ニューヨークの誇り・リンゴ

 ニューヨーク州は土地柄がリンゴ生産に最適で、生産量アメリカ第2を誇
っている。生産量25million ブッシェル (1Bushele=約36リットル=5合5勺)、
60%がそのまま食べられ、40%が加工されえている。一人年間平均19ポンド、
約 65個のリンゴを食べている。1個のリンゴは1ボールのシリオよりも繊維
が多く含まれている。果樹園管理と収穫方法はアメリカ一を誇り、改良して
から4~5年で収穫できるので新しい品種は毎年増えている。 
 アップル生産の5大州はワシントン州、ニューヨーク州、ミシガン州、、ペン
シルバニア州、カリフォルニア州。世界には7,500 種類のアップルがありそ
のうち2,500種類はアメリカで作られている。アメリカで最も人気のあるリン
ゴはゴールデンデリシャス。 

 長い間日本を離れているのでわからないが、現在日本のスパーでリンゴ
に、名前を付けて何種類も売っているかしら。日本のリンゴは手をかけ、大
きく完璧なシェープ、甘くて、本当に美しい!しかしより野生に近い味はなか
なか探せない。とくに今年のNYマーケットはリンゴのバラエティが富み、自
然趣向にこだわっているかのようだ。市民の意識がグリーンづいて変化し
ているのだろうか。リンゴを歩きながらか齧っている人も多い。ランチボック
スサイズが人気。小粒が多い。

リンゴの種類
 クリスピン(Crispin)黄みどりのリンゴ。パリパリでジューシーで甘い。
そのまま食べるのに最適。アップルソース、そのまま焼いた焼きリンゴ、
サラダ、アップルパイにも最適。
*エンパイアー( Empire) 1960年の紹介されたレッドデリシャスとマッキ
ントッシュと交配されたもの。真っ赤で緑部分が少しある。甘くて酸味が強く、
ジューシーで齧るとクリーミーなジュースが飛び出す。サラダ、ベーキング、
アップルソースなどに向く。サイズが小さいのでランチボックス用に好評。
*フォーチュン(Fortune) スパイシーな味。ゴールデンデリシャスとミック
スしたソースを作ると一番おいしい。アップルソースはヨーグルトと食べて
も、脂っこい肉の付け合わせにも、パンケーキにかけても美味しい。リンゴ
嫌いに最適。
*フジ(Fuji) 1793年、ジェファーソンが育てたアンティック アップル、レッ
ド ジャネットとレッド デリシャスと日本のフジとの掛け合せ。スナックに最適。
数年前マーケットに出始めのころは日本の富士が商品名になっていて感激。
ジュースも現在より高価だったが今はほとんど同じ値段。スーパースイート。
甘いのでソース作りに少しの砂糖でよい。黄色いアップルジュースはリンゴ
ジュースの中でも最も美味しい。
*ガラ(Gala) 小粒で真っ赤で魅力的なリンゴ。ニュージーランドから輸入
された改良新種。そのまま、またはサラダに最適。小さいサイズをランチボッ
クスサイズという。子供たちに人気のリンゴ。
*ジンジャー ゴールド(Ginger Gold) スナックアップルに最適な新しい
バラエティ。甘くて酸味が強い。クリスプでカットしてもすぐ茶色にすぐならず、
切ってサーブしたり、サラダに最適。 
*ハニー クリスプ(Honey Crisp) 1991年に交配された新種ですっぱさ
が強くスーパースイート。若者に人気。
*アイダレッド(Idared) ジョナサンとワーグナー種とともに1791年来の
古い種のリンゴ。焼いても姿を保つため、オールドファッションのベーキン
グ用リンゴ。皮ごと入れて作ったソースは美しいピンク色。甘くてジューシー。
*ジョナゴールド(Jona Gold) 香りが高く、ベイクに最適。ゴールデンデ
リシャスとジョナサンの中間の味フライドアップルに最適でスライスをバター
と炒め、シナモンを振りかけただけでもデザートになる。
*マックン(Macoun) 秋のみに売られる。カナダで交配された1932年以
来ニューヨーク州を代表するリンゴ。雪のように真っ白。チーズのスライスと
一緒に食べるのは秋の味覚のひとつ。
*マッキントッシュ(McIntosh) ジョン マキントシュが発見した1811年以
来の人気リンゴ。NYの中でも最も寒い地方で育つ。スイートで特殊な香り、
ジューシーで柔らかい。どんな料にも適用する。

 マッキントシュ          クリスピン          フジ

*ポーラレッド(Paula Red)
酸っぱいリンゴの好きな人向き。秋に先駆
けて収穫され、8月の末から10月末までしかない。
*レッド デリシャス(REd Delicious) デリシャスの中でもニューヨーク
州のデリシャスはニューヨーク州の誇り。見た目も美しく長持ちする。テー
ブルデコレーションに最適。 (日本のデリシャスのほうが美しいし、デリシ
ャスに関しての軍パイは断然日本!)
*レッド ローム(Red Rome) 形が崩れずフライドアップルに最適。ゴー
ルデンデリシャスと混ぜて作ってアップルソースは人気商品。

 普通は自分の好きな限られたリンゴしか手がでないもの。スーパーやフ
ァーマース マーケットには20種位のリンゴが並ぶ。種類を変えて味見を
してみると確かに、それぞれ個性のある野生的な味を楽しめる。リンゴば
かり書きすぎた。しかしニューヨークならではのチャンスを楽しんでリンゴ
をよく知るのも ”Food for Thought", 健康のためにお勧め。

参考:http://www.nyapplecountry.com/varieties.htm    
    http://www.joyofbaking.com/apple.htm/


「リンゴの季節・リンゴ・リンゴ・リンゴ」

2009-10-16 06:49:27 | 

リンゴの話・その1
 
どこのマーケットもリンゴで埋まる季節になった。アメリカを代表するアッ
プルパイは私の好物のひとつ。あまり技巧的にカッコよくしようと思わない
で作った気どりのない、お袋の味を感じさせるものがいい。

どこでも売っているアップルパイ。左と中央は直径15センチぐらい$5.00
右は直径23センチ$10.00 特別でないもの。いづれもフエアウエイ。

フエアウエイマーケット         ホールフードマーケット



 
そういえば戦後流行したリンゴの唄が日本にあったなーと思いだし、検
索に "リンゴの唄"と入れてみた。 ありました!

 ”赤いリンゴに口びる寄せて、黙って見ている青い空。
 リンゴは何にも言わないけれど、リンゴの気持ちはよくわかる。
 リンゴ可愛や、可愛いいリンゴ”
 
 ”歌いましょうか、リンゴの唄を。二人で歌えばなお楽し。
 皆で歌えばなおなお楽し。リンゴの気持ちを伝えよか。
 リンゴ可愛や、可愛いリンゴ”

 戦後に生きた人は知らない人がいないぐらい、この唄は大流行した。
イノセントな並木路子の唄。青空とリンゴの組み合わせ。
あまり唄はうまいと思はないけれど、皆と同じ程度というのがヒットの原因
だろうか。ユーテューブで歌う間、リンゴのイメージではなく、戦争が終わっ
た嬉しそうなぼろぼろ兵士の顔や原爆、昭和天皇、マッカーサーなどが唄
のバックに出てくる。

 戦争が終わり自由がやってきた。戦争中抑圧されていた解放の喜びだ
ろうか。私は子供だったから何もわからず、リンゴしか考えなかったけれど
も、今よく考えると意味深長な唄だ。人間復興、民主主義の始まりにふさ
わしく、戦争中を考えると泣けてくる。
 ぼろぼろ兵士だったお父さん、いやでも戦地で服従し,反抗出来なかった
悲しみを抱えた戦中経験者のお父さんたちは子供たちにも孫たちにも、当
時の体験を話したくない気持ちを忘れるために、リンゴに託したのではない
か。みんな歌った!考えてみたらせつない唄だ。
 その頃はリンゴなど見たことも食べたこともなかった。

 リンゴの国、アメリカでリンゴの唄があるかどうか。英語でリンゴの唄と入
れてみた。続々と出てきたが、リンゴとは関係なく、みなアップルコンピュー
ターのCMだった。
 豊富すぎると歌にもならず、感慨深くならないのかも。


 


 


最も民主的調査・ゼガット レストランガイド(Zegat Survey)

2009-10-13 07:30:24 | 

最近のNYの話題 
ティムとニーナ ゼガットグルメ調査・Tim&Nina Zegat Survey

 
消えては生れ,変わるファッションとは別に、人々の暮らしの変化は10
年~20 年を一区切りとして違いが見えてくる。アメリカ人の食べ物の意識が
全く変わったこともその一つといえる。
 食生活が変わりかけた1987年、私はライフスタイルを変える影の仕掛け
人、フードインダストリーが市民にどのように影響するのかを知りたくてレス
トランスクールに入学し、マネージメント、カリナリーアートを専攻し卒業した。
 朝日新聞の友人に経験談を話すと”面白い!出版しなさい”と言われ
1989年、{マンハッタンは皿の上」を朝日新聞社から出版した。
     私のクラスの卒業前のテスト状況は日本のテレビで
実況放映され、のち「料理の鉄人」の番組に発展していった。現在アメリ
カ版「料理の鉄人」は人気番組となっている。しかし料理の裏側を贅を尽く
し、ファイトして競い合うのは如何なものかと考えさせられる。〝食べる”
ことは心の栄養でもあることを忘れているようで寂しく思っている。

     
 当時カッコよかったのはゼガットのニューヨークのグルメ案内。
1989年
私の友人が時の人、従兄のティム ゼガットを紹介してくれた。
ティムとニーナ夫妻はともにロイヤーで二人ともグルメ。情報を友人に提
供するのを楽しみにしていた。ある日、ティムにビジネスになるアイデアが
浮かび、1979年、20人のボランティアで100件のニューヨークのレスト
ランを調査し、レストランガイドを出版した。フード、デコア、サービス、コスト
コメントの5項目に点数をつけ、総計をとるシステムで、特にコメントは出
来るだけ短く、パンチをきかせユーモアも入れてティムが編集した。
 背広の中ポケットに入る大きさ、エンジ色の1センチぐらいの厚さの小紙
ゼガットサーベイ[レストランガイド]が誕生した。アメリカ最大の印刷会社が
5千冊のコピーを会社のお得意に提供するために金縁、会社のロゴ入りで
注文、素晴らしいプロモーションとなりインスタントに成功、ヒットした。
ゼガットの レストランガイドのコンセプトに感銘した私は早速当時NYの
西武社長であったO氏に話し、日本上陸を検討、ホテルピエールでティム、
O氏と私、ティムはロイヤーらしくティムのロイヤーも同席した。O氏が帰国
し検討したところNO!日本にグルメ紹介はほとんどの雑誌がやっていて
ビジネスにはならないだろうという見解。私も1989年、毎日新聞に2カ年、
交互にリレーエッセイ、TOKYO-NEW YORK,HONG-KONG-
PARISを結ぶエッセイーを書いていたのでゼガットを紹介したが反応は
何もなかったようだ。

 その後ゼガットサーベイは2000年には31millionのビジネスになり、
2008年には2000 millionnのビジネスに成長。現在の話題は出版をやめ、
電話サービス、webサービス、iPhone, iTune link など、登録すると世界中
のインフォがインスタントに提供されるシステムを作った。ウエブはインスタ
ントに7millionのヒット!
 そして最近日本が加入、日本語で見れるようになる。しかし日本の調査は
民主的であるかどうかは日本語がわからないので不明とのこと。
45都市、大勢の無名の消費者が調査した世界最大のネットワークになった。
グルメばかりでなくホテル、ショッピング、トラベル、美術館など多くのインフォを
網羅している。

ゼガットサーベイは最もアメリカらしい民主的で信頼のおけるクオリティのシン
ボルとして、世界をリードするビジネスに発展している。

参考:www.zegat.com,
Zegat Survy-Wikipedia