セントラルパーク:クリストのアートワーク"The Gates"
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セントラルパークは劇場のようだ。陰鬱な2月、パークを飾ったゲー
トのお陰で散歩が楽しい。透通る青空、冷たい風に踊るゲートはア
ートというより単純に人々を楽しくさせてくれる。真面目なファインア
ートを見て感心したり、感動したりすることはあっても、ニコニコ笑う
人はいないだろう。ゲートの下を散歩するのは子供がハッピーなと
きスキップして歩くような楽しさだ。
左右を眺め、振り向きながらの散歩。行き交う人々を咲いた花を眺
めるようにやさしくしてくれる。メトロポリタンの屋外彫刻展示場からパ
ークを眺める。しかし、やはり目線やシーンの変わるゲートの下を歩い
た方が楽しい。
サフランカラーじゃない。オレンジだ。危険信号だ。安売り宣伝フラ
グだ。仏教徒のシャワーカーテンだ。などと批判も尽きない。
クリストのスペルはキリストに似ているし、ジャンヌークロードの頭
文字はJ.C.ジーザス クライスト(イエスキリスト)と同じ。生まれた
のも二人は同じ年の同じ日。ゲートのエヴェントは信じがたい現実だ。
今だけのこと。まるで狐に化かされているような気分にもなる。