蛙の話
こんな蛙みたことありますか?
ニューヨークの自然博物館で去年、蛙の特別展を見て印象的だった。
今年の5月から来年の1月までアンコール人気で展覧会が延長されてい
る。左の蛙は18センチぐらいの大きさで、とげの飾りがある。がま口の様に
大きく口が開き、動くものはなんでも食べる。おかまいなく、共食いもする。
右の蛙は漫画のような可愛いらしい顔をしているが,大口を開けてかぶり
付き、齧って血を吸う。 写真上:Joe McDonald ニューヨーク自然博物館提供
世界で一番多く蛙のコレクションを持つこの博物館ではオレンジ、ブルー、
輝く紅色、世界中の蛙を展示していてとても楽しいお勧めの展覧会だ。
小川や池、田んぼ、水のあるところ、いたるところにいた蛙は今、姿を消し
ている。1996年以来44州にわたって足や目、指のない奇形の蛙が発見
されている。理由は寄生虫の発生、ポルーション、強力な紫外線と言われ
ている。調査によると、卵がすでに奇形で完全でないそうだ。
蛙はダイナソーと同じぐらいの古い生き物で、最大の蛙はアフリカに住む
38センチ、7ポンド。最小はキューバに住む1.5センチ。捕まえて生きて
いた蛙の長寿記録は20年。世界には4.900種類の蛙がいる。蛙は自分
の身長の20倍飛ぶことができ、眼は180度回転できる。
美しい色の蛙の殆どが毒蛙。コロンビアに住む美しい2センチ位の小さ
な蛙はスキンに触ると麻痺が起き、2万匹のネズミ、又は人間10人を殺す
ことができる程の猛毒をもつ。空気を膨らませて鳴く蛙のボーカルコードは
メガフォンの役目をし、時には1マイル離れていても聞こえるそうだ。
写真:袋蛙。Jamern Harding 自然博物館提供
蛙の体温は環境に合わせて変わる。温度が下がると池の底の土の中に
潜って春まで冬眠をする。北極園に住む蛙は体の65%が凍り、内臓はグ
ルコースを塗って凍らないようにプロテクトしている。人間に応用できる日
が来るかも。
ある日セントラルパークを散歩していると池に蛙が泳いでいて魚を食べて
いた。展覧会を見たおかげで、興味を持ってしばらく観察した。
食べられるのに魚がたくさん大きな蛙の周りによって来るのがせつない。
パークで蛙にめぐりあい、感激した。心像写真の様で不思議が重なった。
ご存じのグルメ蛙は足を ”マウンテンチキン” と言って食用にしている。
ヨーロッパではレストランのメニューにふつうにある。
生きている蛙はニューヨークのチャイナタウンで売っているから日本にはな
んでもあるとは言えない。買う人は樽の中に手を入れて蛙を選んで取り上
げている。足だけでなく全部美味しいというから勇気のいることだ。(食べた
人がいたらぜひ、味と出来上がりの姿を教えてください。)
蛙はすごい量の害虫も食べているので農作物に貢献している。そして
魚や、鳥、蛇などの食料にもなっている。相互協力とはいえ、自然摂理の
運命は厳しいものだ。
自然環境にデリケートな蛙はエコーシステムが変化していることをいち早く
人間に教えてくれている。
参考:www.amnh/exhibitions/frogs/featured/
http://www.amnh.org/exhibitions/frog/info/