小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

上院議員ダニエル井上の死

2012-12-23 14:29:30 | ニューヨーク暮らしの日々

最高の名誉

 ハワイ出身の民主党上院議員 ダニエル井上が12月17日88歳の生涯を閉じた。
棺は国会議事堂の中心に、アメリカの星条旗がかけられて安置された。特に移民や日本人を含め、
時代の移り変わりに感慨無量であったとおもう。
私も感動しながらニュースを眺めた一人である。

 マイノリティの人たちの正義の味方、紳士的で心に残る彼のスピーチは定評があり、ハワイの移民2世議員として文化交流や日米の架け橋に献身的に働き、
アメリカ歴史上もっとも高い地位に就いた。しかも最も長期にわたり上院議員を務めたアジア系アメリカ人の政治家である。ハワイから立候補58年の
政治生活中、一度も落選したことがなかった。

 日本が真珠湾を攻撃したとき、志願兵として二世部隊で働き、ドイツ戦線で胸に弾丸があたったがシャツのポケットに入っていたコインが一命を救った。彼は一生その
コインを持ち続けたという。
 イタリア前線で右腕を失い麻酔薬なしで腕を切った。第2次世界大戦中の勇敢な兵士に贈られる賞も受賞している。
1950年ハワイ大学で政治学と経済学を学び1952年ジョージワシントン大学のロースクールを卒業した。

 彼のスピーチは穏やかで人の心をつかみ、いつも感銘するヒューマニズムが根底にあった。
 オバマ大統領は青年の時、彼のスピーチに影響を受け、マイノリティのリーダーになりたいと決意したそうだ。国会議事堂でのダニエル井上の葬儀で、
オバマ大統領は棺の横で感涙にむせんでいた。
                       
                   フォード劇場でのリンカーンの暗殺          議事堂におかれたリンカーンの棺         リンカーン大統領の葬儀行進        マッキンレイ大統領 の暗殺                            


 議事堂に棺が置かれたのはリンカーン大統領(1865年4月19日・暗殺)、ジエムスA. ガーフイルト大統領(1881年7月2日・暗殺)、ウイリアム
マッキンレイ大統領(1901年9月6日・暗殺)、ケネディ大統領(1963年11月22日・暗殺)、ジョンソン大統領(1973年1月24日)、フォード大統領
(2006年12月30日)、などでダニエル井上上院議員の棺が議事堂におかれたのは歴史上31番目であった。

 アメリカでは子供たちに「勉強すれば、あなたも大統領になれます」と教育される。人生の終末で歴代の大統領が棺のまわりで尊敬と哀悼を捧げる
儀式も、子供たちがみれば ”波乱を乗り越えた夢ではない人生”の感動を教えるアメリカの暮らしのエッセンスになっている。


 

 


小林恵のラグ フッキング スクール 2013年スケジュール

2012-12-14 20:47:29 | フックド・ラグ

アメリカン フックド・ラグを作ってみたい方へ

ラグのいろいろ
作りたいもの自由に作れるようになります。

花・家・景色・残布・詩を書き込む・

意思を表現・        
                優しいハズは愛しているけれど彼の親類はいただけないわ。  卵の上を歩くようにすれば私を好いてくれるのね。

                                         
                          日米ラグ展にも参加したリンダ フリードマン シュミッツはお父さんがナチ収容所ですごし、「子供時代の囚人」を発表しました。
                     ミキモトの展示でみた
方も、あるいは 朝日新聞にも出ましたからご存じの方もいるでしょう。
            リンダの悩みは破壊された父親の精神との戦いでした。右は「耳をふさぐことね」と彼女の精神的葛藤をラグに表現しています.
                    
ニューヨーク フォークアート美術館で展示されました。   左:「オオカミは嫌い。 (父親とのトラブルです)
                                                                                                                      
               ニューヨークフォークアート美術館のシンボル、天使がラッパを吹いています。「あなた、アメリカ人の発明の才能をしっている? 私はやられているわ」
           フォークアート美術館で展示したラグ。アメリカの旗のカーテンと 日本の旗。中心は自分の手に ハートとニューイングランドの友情のシンボル、どんぐり。
           ラグをやり始めたころの私の作。                           

上記で見るようにラグは実用だけでなく、自分を表明できるツールになります。美しいデザインにとどまらず自分の意思を表現できる声なきパワフルな発言ともなります。
ここが私の強調したいラグ作りのおもしろさなのです。手創りの中に、作者のアイデアばかりでなく言葉も社会背景すらも書き込めます
初めからは難しいかもしれませんが上手下手の評価より、美しくつくるより、自分らしいものを作れること、ここがアメリカンフックド・ラグの素晴らしいポイントなのです。!

そして時代を、自分を、フクックしてみましょう!

小林恵のラグスクール
2013年度 スケジュール

 入門クラス…1月~6月まで 毎月1回 午前(A)と午後(B)の2クラス 内容は同一

 *7月よりは再び初級と、入門クラスを終えた方のみ中級クラスを開講します。

 日程:(A)午前クラス
      1月30日水曜日 10時半~12時半
      2月27日水曜日     同
      3月27日水曜日     同
      4月24日水曜日     同
      5月29日水曜日     同
      6月26日水曜日     同

        (B)午後クラス
      1月30日水曜日 2時~4時
      2月27日水曜日   同
      3月27日水曜日   同
      4月24日水曜日   同
      5月29日水曜日   同 
      6月26日水曜日   同

 定員:午前、午後クラスとも18名

 お問い合わせ:ホームスパン/℡:03-5738-3310 担当・原、稲船、貴山: e-mail: office@homspun.com
又はkeikobayashi@gmail.com に連絡ください。

 授業内容:用意されているキットで鉤針の使い方、フックの仕方、を徹底的に学びます。
     参加したい方はクラスの前に小林恵著「アメリカンフックド・ラグ」をお読みいただけましたら参考になり
     理解が早いかと思います。(本:ホームスパン扱い)
     ラグの歴史の背景やデザインの仕方などラグ制作に必要なコツのコツを提供します。

 

 

 


「暮らしの手帖」61号掲載のアメリカフックドラグ展開催

2012-12-03 10:02:14 | フックド・ラグ

「アメリカン・フックド・ラグ展」のお知らせ
「暮らしの手帖」61号掲載の花森安治のデザインより

11月24日刊行の『暮しの手帖』61号に掲載されているアメリカン・フックド・ラグの展示会を開きます。
ぜひ、お出かけください。

アメリカン・フックド・ラグと暮しの手帖」展
日時:12月5日(水)~12月30日(日)
11:30~20:00(最終日17:00まで)
場所:かぐれ表参道
渋谷区神宮前4-25-12 MICO神宮前
お問い合わせ先:03-5414-5737
HP:http://www.kagure.jp

トークイベントは定員に達したため、ご応募を締め切らせて頂きました。
たくさんのご応募ありがとうございました。


 上田恵美子     福田節子     安斉栄子    福田美津江   大内久美子      西山恵理子   小林和子    稲船佳世子   貴山宏美     原恵子


   小林恵    貴山征美    橋本裕子     川上晴美     村田春美       真弓淳      星野弓子    (花森安治デザイン:17点すべてポスターサイズです)


 小林恵からのメッセージ
ご自分のメッセージを守り続けた花森安治さん。生誕100年を記念して暮らしの手帖社から表紙デザイン集が出版され、美術館でも展示されました。
フックドラグを作ったら楽しそうなデザインが沢山ありました。
”やってみたい”と目を輝かせた人たちの参加作品です。出来上がった喜びは作った人たちの誇りになりました。やればできることを皆さんと共有し、みなさんへのメッセージにしたいと思います。
小林恵

(写真は雨の日にメモとして撮ったものです。実物はもっと素敵ですので「暮らしの手帖」61号、または「かぐれ」での展示をご覧ください)