小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「ウオーキングツア広告,ドクター・フイル」

2007-02-28 09:24:56 | ニューヨーク暮らしの日々

チャイナタウン 歴史散歩
 
 週末にはいろいろのところでウオーキングツアがあり、ライセンス
を持つ案内人やコミュニティサービス、コロンビア大学の歴史専攻の
生徒がNYの歴史協会と契約しているオニオンツアなど地区別、
サブジェクト別にニューヨークタイムスに出る。
 チャイナタウンをもっと知りたいのでDr.フイルのツアをとってみた。
何処で何時と、普通は街角で集まる。そこで待っていてもそれらしい
グループもいない。横に立って袋からムシャムシャお菓子を食べてい
る背が高く、お腹が出ている汚いおじさんが
 「ツアを待っているのか?] と聞いた。
 「ドクター・フイルです] と駄菓子の袋を脇に挟んで、油っぽい手をさ
しだした。参加者は私一人。
 「一人じゃ悪いからやめましょうか?」というと
 「今日はあなた一人なので、楽に行きましょう。1時間半15ドル」と
いって手を出し、向かいの駄菓子専門店に案内された。
何やら自分の買いたい駄菓子を物色しているようでもある。プリプリし
「私駄菓子興味ないの」 というと 「旨いぜ」 とぼやいた。
そして 「特に日本の駄菓子がおいしい!」 と付け加えた。
 歩くのが猛烈に遅く、数ブロックを指差し、ぼそぼそと説明する。
 (しってる!) (そんなのも前から知ってる!)移民がどうしてやって
きたか、ギャングが多く無法地帯であったとか(映画でみたよ!)
面白くないので巻こうかなと思っていると、
 「そうだ!面白い喫茶店があるのでお茶をご馳走するよ」いよいよプ
ロくさくないなと白んでいると、150年前の喫茶店(普通は入れないと
いうより入りたくない汚いところ)常連らしくホイホイと手を上げ、お茶と
揚げ菓子を注文した。
 「これ10セントだぜ。おかわりしてもいいよ。21世紀のニューヨークに
こういうところがあるんだぜ」 とリラックスしている。
周りを見渡すとみな男性。汚い皺くしゃの現金の束を握りながら、どの
机でも夢中でギャンブルをしている。「違反じゃないの?」 「まあね」
 「ここにいるだけだって違反じゃないの?気持ちが悪いわ」
 窓の外は通行人で一杯。「これがニューヨークなんだよ」
 「そうね。連れてきてくれて有難う。とてもよい勉強になったわ。」
というとドクター・フイルは 「15ドルではちょっと味わえないぜ」と時計
を見た。
 「まったくだわ。駄菓子は控えたほうがいいと思うわ。サンキュー、
グッドバイ!」
 
 ニューヨークのチャイナタウンはアメリカ最大の大きさで,ニューヨーク
のコミュニティの中でも最も結託している強い組織だと言われている。
ポリスの巡回はまれである。
同じ東洋人でも何が起こっているか、実情を探るのは難しい。
面白い体験であった。

写真:ニューヨークのチャイナタウン、モットストリート。2007年新年

 


「ネオン サイン」

2007-02-24 11:39:47 | ニューヨーク暮らしの日々

街のささやき:ネオン サイン
 
寒い紐育を歩くとき、あまり遠くを見渡さないで歩く。
眼に入るのは赤、緑、黄色のネオンサイン。タイムズスクエアの巨大
ネオンは別として、窓ごしの小さなネオンサインはなかなか可愛い街
の会話である。この冬はネオンに集中して散歩してみた。
 ネオンは手作業にもかかわらず、維持費も安く、無数の色彩がそろ
い、その上寿命が長い。格安の既製デザイン、注文デザイン、アート
デザインなどたくさんのメーカーがある。





www.devidshieldsneon.com, www.neonsignworld.com,
 http://store.everything-neon.com

 ネオンを建築装飾やインテリアに使用するユニークなカスタムオー
ダーもある。ブルックリンの広いスタジオで製作し、ネオンアート
のルネッサンスといわれている話題のネオンアーチスト、マットディリ
ング(Matt Dilling)。作品の
一つ、ネオンのシャンデリアが有名デパ
ートのバーグどーフグッドマンのウインドーに飾られ、たくさんのマガ
ジンにも紹介された。ウイッティに富み、人々を立ち止まらせる新しいア
イデアだ。チェルシーやダウンタウンのしゃれた店でも出会うことが
できる。


 (Lite Brite Neon:
www.litebriteneon.com

 マットディリングはネオン発明者二コーラ テスラ(Nikola Tesla)の
信奉者である。
  ー可愛いなー・・・などと見ていた街のネオンも彼なしには実現して
いなかったのだー
 知らなかったので調べているとついに伝記にのめりこんでしまった。
超潔癖、お洒落、独身。毎日20時間働き、女性についやす時間がな
かった。ライフマガジンが選んだ過去100年間で人類にとって尤も重
要な人の中の57番目。700以上のパテントを持つ。ノーベル賞拒否。
エジソンのライバル。研究に没頭。
’人生は短すぎる’と1943年一文なしで紐育で死亡。87歳。


二コーラ テスラに興味のある方は次のサイトへどうぞ。
http://home.earthlink.net/~drestinblack/teslatoc.htm 
またはWikipediaその他の辞書でも読めます。

 


「フラワーマーケット」

2007-02-15 10:25:22 | ニューヨーク暮らしの日々




ヴァレンタイン デイ
 クリスマス、イースター、ヴァレンタイン デイにはチョコレートかお
花を送る習慣は日本の方が一般化しているかも知れない。
 義理チョコはアメリカにはないが、アメリカ人の3分の1がヴァレン
タイン デイにはお花を買うという。紐育の花卸市場は家屋の値上
がりで、契約が切れると、魚卸市場、フルトンマーケットが移動した
同じ地区、ブロンクスのハンツ ポイントに移動し、現在は28丁目
の6番街と7番街の間に数軒あるのみになった。朝5時前に開店
し8半ごろには店を閉める。
 昔は卸業者しか入れなかったが、今は誰でも入れ、購入
できる。
しかし卸専門のタックスIDがなければ小売値段になる。殆どの冬
の花は温室育ち、長持ちするように改良された南米からの輸入が
多い。季節外れのライラックやアジサイなどもある。スーパーでも
花を売るようになった昨今、花屋を維持するのはむずかしとか。
 ホテル、レストラン、ショールーム企業ビルのロビー用などマンハ
ッタンのお客で賑わっている。朝早く行くと花見に行った気分。
 うっとりするほど美しい花々。お勧め。 



「やさしい言葉」

2007-02-08 13:32:01 | ニューヨーク暮らしの日々

 一言のやさしい言葉が次のエネルギーを生んでいく。
 私たちは一言の言葉で、感動したり、嬉しくなったり、ウルウルに
なったりする。
憎い言葉を聞けばさらに憎しみをかい、一言でカッと
なって、殺してしまうこともある・・・
失望や悲しい言葉で死んでしまう人だっている。

 最近癌に侵され余命が少ないかも知れないという尊敬する友人の
現状を知らせ、彼を知っている友人たちからもやさしい言葉をいただ
き、激励してあげたいと思い、知っている日本の方々にメールを送っ
た。
よい言葉がすぐ出てくる人、考える人,すぐ反応出来ない人など
さまざま。
 
パーソナリティの問題だろうか。
しかしこれはヒューマニズの問題でもあり、考えさせられた。
ダライラマは ”親切は私の宗教です”と言っている。

 優しい言葉をすぐ言える人といえない人がいる。
ピューリタン的教育や上流階級では感情をあまりあらわさない。
 
ユダヤ人は良く感情を言葉で表す。別れ際に ”愛しているよ”と
いい、何かにつけてあなたのことを考えている言葉を使う人が多い。
多分、国もなく迫害を受けた民族同士はお互いに愛し合う言葉をか
けあった伝統があるのではないだうか。
 
日本語だって愛情を表すいい言葉がたくさんある。次の言葉をいた
だいた。

「小林恵さんの日本の友人です。
30年、C様のおかげでいつも青空を見る思いがしたと恵が言ってい
ます。それを聞いて私の中にもC様に対する深い感謝が湧いてきま
す。ありがとうございます。友人を励ますのはとても大切なことです
ね。私はそれを恵から学びました。
C様からの教えかもしれません。
だとすれば私はCさんの孫弟子。日本にも弟子は育っていますよ。」

私の敬愛する友人、山根基世さんからのメッセージだ。

 いただいた皆様の言葉をキルトのブロックに書き込み「フレンドシッ
プキルト」を作って長い友情にこたえ,励ませられればと思っている。
 出来上がるまでどうぞ生きていてくださいと祈る毎日である。
 
 C様とは日本と台湾を愛する報道部長(公使級)であった親日家。
そしてこよなく家族を愛する張超英さん。
著書:「台湾をもっと知ってほしい日本の友へ」中央公論社 1998年
http://www.roc-taiwan.or.jp/news/week/1867/115.html
    2006年台湾で出版された自叙伝はベストセラーになった。

一生を日台交流に尽力した人生でした。日本の心の恩人です。
 


「キルトを通してアメリカを見よう」

2007-02-04 04:38:13 | キルト

ものの背後を学び可能性をクリエイトして行こう。
無言の発言 「涙のキルト」



背伸びをしないで出来ることを世の中に還元していきましょう!
 ベトナムの友人タンツーさんはベトナムのロイヤーですが、時間の
許す限りボランティアでベトナムの枯葉剤犠牲者のために世論を画
期しています。写真のキルトはいまだに身体障害者が生まれている
ベトナム戦争の枯葉剤犠牲者の悲しみを訴えているキルトです。
 上手下手でなくキルトは社会の矛盾に対して発言の旗印にもなり、
また公共のための資
金を調達していったアメリカのエネルギーも読み
取れます。
キルトの背後から学ぶ大切なポイントなのです。
 写真はワシントンのデモ。マイノリティで資金もなく、政治的発言も
少ない国はこのキルトばかりでなく、深く考えさせられてしまいます。
 しかし、人々の心を打ち次の動機を作っていきます。

 資金調達のキルト



 あるときたずねたニューヨーク郊外のコミュニティの教会バザー
で展示されていたキルトです。解説には「皆さんの協力でこの教会
は祝福され、皆さんのために設立されています。よいアイデアを募っ
ています」と書いてありました。
 特別に素晴らしいキルトでもありませんでしたが、アメリカン気質が
継続されていて、心が温まりました。私たちのような普通の人々の
心を打つことがどんなに大切なことであることかを学びます。
 小さくてもよい。世の中を良くし、変えていく原動力になることを針
を動かすだけでなくみなで考えていきましょう。