小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「分かち合い精神・慈善家」

2006-04-27 15:11:27 | ニューヨーク暮らしの日々



金持ちの慈善事業・貧乏人も出来ることをする。

ューヨークにはいたるところに路上大道芸人がいて街角を楽しま
せてくれる。
あるときベンチに座っていると向かい側で演奏していた
ギター弾きが突然 今投げ入れられた100ドル紙幣を持ち上げて
叫んだ。「神様!ありがとうございます!」と。すっと彼の前を通過し
た時、その人には誰も気がつかないぐらいごく普通の人だった。
誰でもが経験することだが地下鉄の中で歌を歌う人達や身体障害
者の袋にも1ドル紙幣やコインが落とされる。同情や歌が巧いから
だけの理由ではない。人間らしくあるために、生あるものすべてに
哀れみを持つキリスト教の教え、分かち合いの精神なのだろう。

メリカには貧しい人を助け、教育、アート、動物、自然保護などに
協力する財団、チャリティ オーガニゼイションが5,000以上もある。

付したお金は本当にチャリティに使われているか。
リーダーシップの責任は透明であるか。効力を発揮しているか。
将来への展望・ゴールなどの指針を持っているか。などををチェック
する番犬役や、チャリティをしたい人達、受けたい人達へインフォメ
ーションを指導する国の組織もある。

益の半分を社会に寄付しているビル&メリンダ ゲイツ財団、ロッ
クフェラー財団。定住する国がなかった成功したユダヤ人の慈善家
も多く、匿名の慈善家も多い。最も社会的に敬意を表されるのも慈
善家である。寄付額は無税のアメリカと、寄付は余剰で税金のかか
る日本との社会還元の差はすこぶる大きい。

www.charity.org=ノンプロフイット オーガニゼイションチャリティで世
界中のすべてのインフォメーションを提供している。
www.charitynavigator.org
税務署管轄の国の組織で寄付が健全に使われているかどうかをチ
ェックし、プロフェッショナルなチャリティの運営、国の規定などを指導
している。

 

 

 


「ハッピー イースター」2006年

2006-04-17 14:54:46 | ニューヨーク暮らしの日々


 

愉快な男性たち






見て見られ、素敵な舞台 イースターパレードは最もニューヨークら
しいニューヨークの伝統行事。始まりは1800年の中頃。当時のソ
ーシャルエリートたちは盛装して5番街の教会のミサを受け、其のあ
と5番街を散歩したのが始まり。パリの最新流行の服を着た金持ち
たちのファッションは其の年のファッションが予想され、ドレス メーカ
ーたちや貧乏人にもTV以前の最大の見る楽しみの日であった。

時を経て現在はステータスを誇ることもなく、皆を楽しませるフリー
スピリット。誰でも参加できどんな帽子でもOK.帽子と洋服が関係
なくてもOK.面白帽子ウエルカム。お鍋を被ったり、電気の傘をベ
ースにより高く装飾を凝らしたり、何でも乗せたテーブルを被ったっ
てOK.アイデアを競う。カメラを向けると「ハッピーイースター!」とに
っこり微笑む。春の始まり。生命の泉を謳歌し皆で分かち合う楽しい
パレードだ。

 


「退廃の美」

2006-04-14 12:00:54 | ニューヨーク暮らしの日々

永久に消えてなくなる前の発言




ューヨークを歩いていてハッと立ち止まるところがたくさんある。
美しいもの、カッコよいもの、洒落ているもの、すごいアイデアなど視
覚的にも感情的にもさまざま。立ち止まって考えさせられることが多
い。
り壊される寸前のビル。世紀を越え、ビルディングも晴れがましい
新築の時や、栄光の時を経て朽ち果てていく。其の運命はさながら
人間の生きざまに似ているようだ。ニューヨークの不動産は建造物、
土地ともにかつてないほど高くなり、古い建物はどんどん壊されてい
る。
書きをした人も建物と同じ人生を思い、壁に向かったのかもしれな
い。又見に来ても、もうなくなっていることだろう。時を経た朽ち果てる
前の美しさだ。


「ニューヨークの美術館めぐり(3)

2006-04-11 01:22:18 | ニューヨーク暮らしの日々

ロックフェラー家の教え

ューヨークの喧騒を忘れ、ニューヨークの郊外や現在、国立歴
史保存の管理になっているネルソン ロックフェラーが 1979年まで
住んでいた家を訪ねるのも心身ともに豊かな経験になることを保証
します。ハドソン河を見渡せる素晴らしい彫刻のある庭、室内ともに
どこを歩いても知性が感じられ、そこにいることの幸福感を感謝せず
にはいられません。近くにはロックフェラー家がマチスとシャガール
に制作を特注したステンドグラスがあるユニオンチャーチャがありま
す。出来たら団体でなく、ゆっくりできる友人と散策することをお勧め
します。
ックフェラーの邸宅、カイキュット(Kykuit:見晴らし台)は 1906年
から1913年まで、アメリカの億万長者、初代スタンダードオイル、ジ
ョン D.ロックフェラー家の別荘として7年の月日を費やして建てら
れました。スタンダードオイルはUSスティール、アメリカの電信電話
AT&Tと並んでアメリカの企業の創設者といわれています。敬虔な
クリスチャンで利益の半分は寄付、ビルゲイツ以前までは世界最大
の慈善事業家でした。
手を好まず、アルコールやダンスパーティは厳禁、子供たちに
も働かなければお金は得られない、という暮らしの哲学を教え、孫
たちは初代の残した基金を数百倍にふやし、現在も社会に貢献し
ています。自然保護のため広大な土地を購入して国に寄付、又莫
大なアートのコレクションも匿名で寄付しています。
「アートは私の精神生活を満たし、どの分野でも年齢に関係な
く観察し、理解し、楽しみ、健全な考え方を持たせてくれる私の
暮らしの源になっています」とはアートに造形の深いネルソン ロッ
クフェラーの言葉です。


カソ、ギャコメッティ、ブランクーシ、ヘンリームーア、カルダー、
イサム ノグチ、ルイーズ ニーベルソン、 エリー ネーデルマン、
デビット スミスなど彫刻の並ぶ庭の散策は訪ねた喜びを満たしてく
れます。日本から吉田茂前首相をはじめ、世界中の著名人が訪ねた
ところです。現在は一般に公開され誰でも入れます。
参考用
www.hudsonvally.org/kykuit/index.htm, www.hudsonvally.org,
www.hudsonvally.com, www.stonebarncenter.org,
www.bard.edu/fishercenter
www.hudsonvallyramble.com


「ニューヨークの美術館めぐり」(2)

2006-04-05 01:34:23 | ニューヨーク暮らしの日々

暮らしの中に必要な場所・散歩のコース

メトロポリタンのファーケード正面屋根のまわり

自然博物館ハイデン プラネタリューム・美術館で鑑賞しながら学ぶ
 
 ウイットニー美術館ビエンナーレ展・
メトロポリタン野外屋上彫刻場
界中の素晴らしいアートがいつでも見られることはニューヨーカー
の特権です。この春は忙しいほど良いものがそろっています。 近代
美術館
ではムンク展(
www.moma.org), メトロポリタンでは20年以上
女王として君臨したエジプトのパラオ展(
www.metmuseum.org), フリ
ック美術館では
ゴヤ展(
www.frick.org), ウイットニー美術館ではビ
エンナーレ展(
www.whitney.org), グッゲンハイム美術館ではデビッ
ド・スミス展、(
www.guggenheim.org), ジューイッシュ美術館ではサ
ラ・ベルナード展(
www.thejewishmuseum.org), ヌエ ギャラリー
はクレー展(
www.neuegalerie.org)、 アメリカンフォークアート美術
では白一色展(
www.folkartmuseum.org), 自然博物館ではロバ
ート・レッドフォード解説の新しいスペースショー、ダーウイン展他
www.amnh.org) などなど刺激を受けられる文化的提供物がたくさん
あります。
の上美術館の環境は座っているだけでも充分に幸せを提供して
くれます。ショップで何を売るか、レストランで何を食べさせられるか
は重要な課題で、すべてがパーフォーマンスです。日本のツーリス
トは走り周り有名な絵を見たことを誇りにしますが、それよりも何を感
じたか、楽しんだかが大切で一つの美術館だけでも充分に文化的雰
囲気を味わえることと思います。
学年のクラスが床に座り「この絵から何でも感じたことを言ってく
ださい」と先生が言うと一斉に手が挙がり、ムンクの絵を見て「皆動
いているけれど両端の人だけ動いていない」とか「いろんな色がある」
「寂しそうな顔をしている」とか感じたことを素直に発言しています。
この光景だけでもいいなーと私は感激してしまいます。自然博物館や
動物園をのぞき、12歳までは殆どの美術館は無料です。


「ニューヨークの美術館めぐり」(1)

2006-04-03 01:19:39 | ニューヨーク暮らしの日々

アジア美術週間


3月31日から4月5日まで一年に一度開催されるアジア
の美術週間です。世界中から集まるディーラー展で、毎年
見ている催しですが、「これはどうだ!」というような派
手ものがなく、美術館レベルのものがより多く全体のプレ
ゼンテーションも抑えた美しさで、例年より一段と素晴ら
しいショーです。
の第7部隊本部、建物が出来た当時から企画アートショ
ーを
開催し、ティファニーのステンドグラスや照明も其の
まま残っている67丁目パークアベニューのアーモリー。
レキシントン26 丁目のグラマシーパークにあるアーモリ
ー。57丁目マジソン街の角にあるフラービルディングの中
にある10以上の東洋美術の画廊やその他の画廊も参加して
美術館クラスのものが身近に堪能することが出来ます。
よりも東洋美術に敬意が払われていること、何世紀も保
存されていたものですから当然ですが、値段の方も億単位
のものも多く、したがって見に来ている客もニューヨーク
ならではの感じです。
19世紀の終わりには日本の骨董趣
味がはやり、産業革命で大金持ちになった富豪の家々は日
本の骨董で埋まりました。パリやシカゴ、フイラデルフイ
アの世界博で展示されたものでした。瀬戸物を包んで輸出
した浮世絵がパリの芸術家の目に留まり、アートの世界に
影響を及ぼしましたが、時はめぐり、発掘された時、
世界
アット言わせた中国の兵馬俑の模型が中国からモダンアー
トとして展示されていたのは大傑作でした。写真上