小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「入れ墨イメージの流行」

2007-07-31 11:32:38 | 

ファッション・ステートメント

 セーラー ジェリーって知っている?
Sallor Jerry Collins, 本名 Norman Collins (1911~1973)、水夫
の彼は1920年代日本で、入れ墨を習得。ホノルルのチャイナタウン
で入れ墨店を開業した。
 飛行機のなかった時代、世界をめぐり、エキゾチックな経験をした
水夫たちは女性たちの気になる男たちであった。

フックドラグ:1930年代
「裸のレディを腕に,胸にはだまされた哀
れな女と一緒に帰ってきた私のチャイナ帰りの男」
参考:Joel and Kate Kopp著:AMERICAN HOOKED AND SEWN
    RUGS.
 1975, E.P.DUTTON 
 
日本人にとって入れ墨は隠された世界のネガティブな印象がある。
NYに来たばかりの時、ナチスの強制収容所で入れられた、入れ墨
番号の腕を見かけて考えさせられた。日本と違う
戦争の傷跡は、島
国日本では想像もしなかった私の人権問題への開眼にもなった。

 入れ墨
を入れる人のタイプがある。
腕をめくり上げ、皮ジャンにバイクのイカツイ男性がメジャーであった
が、10年以上前に友人の息子の卒業式に参加したとき、博士号取
得者の代表が腕全体に極彩色の入れ墨で学長の前に出たときは満
場の喝采を浴びた。規制のイメージを破った勇気への喝采なのだろう。

 
時は変わり、かわいい女の子もファッション ステートメントとしての
入れ墨が流行し、
エド ハーディ コレクションも入れ墨イメージをあら
ゆる商品に使っている。




写真:ショーウインドーとNYの女の子たち

 入れ墨
を入れているアメリカ人は現在450万人とも言われている。
2003年の調査によると16%のアメリカ人が入れ墨を入れている。
そのうち36%は25歳から29歳、17%は後悔している。
 入れ墨は普通のもので100ドルから1,000以上。入れ墨を消すのも
色により違い、時間と高い費用がかかる。恋人の名前の変更など変
心も高くつく。高価で簡単でないことも任侠の世界に通じる価値観な
のだろうか。
 せめて、ファッションで価値観の変化を楽しむのも時代の変化なのだ
ろう。

 

 

 

 

 


「ファッショナブル地域の変遷」

2007-07-19 04:52:18 | ニューヨーク暮らしの日々

ホット ストリートNOW (Gansevoort Street)

 私が今一番面白いと思うストリートは最後に残されているミートパッ
キング地域の一部、開発される前の
ガンズヴォートストリートだ。

 生肉加工工場(The Meat Packing District)は1868年から139
年間、稼働していたニューヨークの食肉卸加工場地区で早朝開店、
卸業者でもない限り歩ける場所ではなかった。
 ストリートに飛び出した屋根先に取り付けられているレールにトラッ
クから鉄の鉤フックに下げられ肉がそのまま移動して加工場に入る。
その加
工場が残っているのはこの数ブロックの界隈だけになった。
 現在は殆どがクイーンズ区のハンツ ポイントにフルトン魚市場とと
もに移動した。その後は画廊やファショナブルなブチックが並び模様
替えをしている中でこのストリートはまだ血痕の後を感じる石畳の道
がある。
血の付いた白衣を着た,ごつい男たちの溜まり場、映画にも
出てくる荒くれ男たちと娼婦のバー(写真左下)は今も営業していて、
覗き見だけでも歴史をかきまみる事が出来る。


 34丁目からこのストリートまで運搬のために作られていた高架線
はそのまま残され、市民の歩く公園として開放される予定で現在修
復中。(写真左下)は画廊への入り口階段。右はブチック店外のディ
スプレイ,覗き見する豚たち。
いち早くこのキャラクターをかぎつけた
ファッショナブルなブチックや画廊が出来ている。



 おなかが空いていなくても座って見たい素敵な雰囲気のレストラン
もある。 地域活性化のため、レジデンシャルビルも建てられるので
 昔をしのばせる最後に残されたニューヨークのノスタルジックな地
域である。


「ニューヨークの街角で」

2007-07-09 13:02:14 | ニューヨーク暮らしの日々

退屈しないニューヨークの街角風景

左)1930年代、エンパイヤーステーッ・ビルを建てていたときの工事夫
の写真より復元した銅像に並んで腰掛ける女性。
右)パンティとブラーの並べたお店.イカを干しているみたいね。

思ったときが吉日。実行は生きる道。何でもやってみる! 
ニューヨーク ライフスタイル。
こうして海を渡って見る人もいるものね。

日本に帰るときの子供たちへのお土産。1個1ドル。私の断然お気に
いり。小さい動物を空きボトルに入れ、水を入れると翌朝モンスターに。

左)タイムズスクエアに現れる裸のカーボーイ。思いつきユニーク ビ
ジネス。女性たちがパンツにお金を入れて楽しんでいた。
右)考え中!

ロバート・インディアナ 6番街54丁目   ニューヨークより w/love,


「独立記念日」

2007-07-06 10:01:12 | ニューヨーク暮らしの日々

ハッピー バースデイ アメリカ!

キャンベルスープ缶で作った星条旗・アンティック屋にて

子供たちの手形を染めた旗    アンティック屋の旗コレクション

愛国心タオル             'Liberty Gearge'Dukov  マスク

 7月4日は自由と独立を祝うアメリカ231歳の誕生日。
この日、私はどの祭日よりも思いに浸る。

 移民の国アメリカでは殆ど三代前までは皆移民である。経済的
は勿論、精神的苦労が多く、それぞれの人がそれぞれの違ったアメ
リカを持っている。
 世界中を旅行してバケーションでなくこの国で働いて見たいと思え
る国がアメリカ以外にあるだろうか。何がそうさせるのだろうか。
事務的なことを除いても他に、そう多くはなさそうである。

 私はジョンソン大統領時代に住み始め、ニクソン、フォード、カーター、
レーガン、ブッシュ、クリントンと現ブッシュ大統領で8代の大統領を経
て現在もニューヨークに住んでいる。
 ”どうして?” と聞かれれば、ニューヨークのエネルギーと”あなたも
出来るよ”というフレンドリーさ、アメリカ独特の寛大さでないだろうか。
日本も大好き。しかし日本と違った点が好きである。
 まず、いやな事は棚上げにしておいて、権力をひけらかす人、威張
る人があまりいないのが心地よい。インフォメーション、手を差し伸べ
て助けを求める事に関しては、最大のヘルプが提供される。現在は
共有する時代だけれども、PCのないときから末端までそうだから国
民性といえる。
 大小に関わらず能力を評価する。自己確立、自己責任と社会意識
は子供の時からたたきこまれるからだろう。
 この三つだけでも、やる気さえあれば生きる可能性が誰にでも在る。
 ”すべてに人間は生まれながらにして平等である”という独立宣言。
人類の理想的宣言ではあるけれども、その後南北戦争が起こり、平
等と自由は長い長い争いの後、獲得し、現在も続行している。

 群集は花火を仰ぎ見、美しいアメリカの詩を歌い、ひらめく星条旗を
見ながら、誕生日を祝う。アメリカ人が自らの血を流して獲得した自由だ。
流した血の量は、はかり知れないものがある。
自由は無料ではなく、それに支払われた額も大きい。
 本当の自由は自分への重い責任があることを考えさせられるアメリカ
の誕生日である。