ファッション・ステートメント
セーラー ジェリーって知っている?
Sallor Jerry Collins, 本名 Norman Collins (1911~1973)、水夫
の彼は1920年代日本で、入れ墨を習得。ホノルルのチャイナタウン
で入れ墨店を開業した。
飛行機のなかった時代、世界をめぐり、エキゾチックな経験をした
水夫たちは女性たちの気になる男たちであった。
フックドラグ:1930年代 「裸のレディを腕に,胸にはだまされた哀
れな女と一緒に帰ってきた私のチャイナ帰りの男」
参考:Joel and Kate Kopp著:AMERICAN HOOKED AND SEWN
RUGS. 1975, E.P.DUTTON
日本人にとって入れ墨は隠された世界のネガティブな印象がある。
NYに来たばかりの時、ナチスの強制収容所で入れられた、入れ墨
番号の腕を見かけて考えさせられた。日本と違う戦争の傷跡は、島
国日本では想像もしなかった私の人権問題への開眼にもなった。
入れ墨を入れる人のタイプがある。
腕をめくり上げ、皮ジャンにバイクのイカツイ男性がメジャーであった
が、10年以上前に友人の息子の卒業式に参加したとき、博士号取
得者の代表が腕全体に極彩色の入れ墨で学長の前に出たときは満
場の喝采を浴びた。規制のイメージを破った勇気への喝采なのだろう。
時は変わり、かわいい女の子もファッション ステートメントとしての
入れ墨が流行し、エド ハーディ コレクションも入れ墨イメージをあら
ゆる商品に使っている。
写真:ショーウインドーとNYの女の子たち
入れ墨を入れているアメリカ人は現在450万人とも言われている。
2003年の調査によると16%のアメリカ人が入れ墨を入れている。
そのうち36%は25歳から29歳、17%は後悔している。
入れ墨は普通のもので100ドルから1,000以上。入れ墨を消すのも
色により違い、時間と高い費用がかかる。恋人の名前の変更など変
心も高くつく。高価で簡単でないことも任侠の世界に通じる価値観な
のだろうか。
せめて、ファッションで価値観の変化を楽しむのも時代の変化なのだ
ろう。