小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

日本の銀行とアメリカの銀行

2013-06-16 11:26:24 | 暮らしのジャーナル

   まだ東京の生活になれず戸惑うことがある。

 先日銀行で長い間またされた。人々を観察しているとき、太ったおじさん風の人が近くの椅子にに座り紙袋から15センチぐらいの厚さの1万円札束を取り出しだし、裸札を膝の上においたままま順番をまっていた。紙袋から札束をだすのはパチンコ屋か、またはスーパーのマネージャーか。しかし、特別なことでないらしく、誰も注意を払う人もない。これで本当に何事も起こらない日本は素晴らしい国だと思う。

 これがニューヨークだとどういうことになるのか。まず第一に銀行で札束を見せて座る人はいない。客の待合室と銀行窓口には分厚い防弾ガラスで仕切りがされ、5センチx20センチ位に開けられた窓口とその上に会話するドットが空いているだけだ。セキュリティはたぶん防弾チョッキを着ていることだろう。大枚の現金を貯金する人は常識として裏側にあるオフイスにいく。

 銀行泥棒とマシンガンなどはもう古臭い。24か国にわたり、世界中の36,000の銀行から40ミリオンが10時間以内にATMからひきぬかれ事件があった。地下組織によるスピード サイバー クライムだ。

 1969年に初めてケミカルバンクがATMを開設した。広告には「閉店しないバンク」だった。ほくそ笑んだのは銀行泥棒だったに違いない。
2011年の調査によるとアメリカの5大バンクはチエス バンク(JP Morgan Case Bank),バンク  オブ アメリカ(Bank of America)、シティ グループ
(Citi Group)、ウエル ファーゴ(Well Fargo)、ゴールデン&サックス(Golden & Sucks) 
この5大バンクの資産はアメリカの経済を動かす金額と同じだと言われている。しかしこれは2011年のインフォで猫の目のように変わる現在の経済はどうなのか。

 長く住んでいた72丁目、ブロードウエイの交差点にあるアップルバンクは現在マンハッタンに数カ所のみ残っている20世紀になるころ建てられた豪華バンク建築である。アップルバンクの外壁のまわりにあった豪華版の街燈がある日忽然となくなった。噂ではアンティークやに売り飛ばされたとか、盗まれたとか、誰もわからない事件が起こったのは70年代の初めだった。現在も石つくりの外壁から鉄を引き抜いた丸い穴が回りに残っている。

近くに行った方は中に入ってぜひみてほしい。アメリカの経済の変遷、時代の変遷に感慨無量になることだろう。

                                 
             72丁目ブロードウエイにあるアップルバンク     ダウンタウン金融地区にあるイサム・ノグチの彫刻