小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「イースターパレード」

2005-03-28 13:26:52 | ニューヨーク暮らしの日々
夢の帽子:

帽子は外出時の必需品であり、被っている帽子を取ることはレディ
らしからぬばかりか、ある種のサインでさえあった時代は既に夢の
夢。頭のよくない女性を「帽子のスタンド」という表現もあまり使わな
くなった。60年代の終わり女性たちは帽子を捨ててしまったが、フ
ァッションラインと関係なしに帽子はいつでも女性たちのほのかな夢。
帽子を買うことはファッションの仕上げ,装いのピリオドでもあった。
今日はイースター。帽子の夢を実現する日。皆アイデアを生かして
好きな帽子を被り5番街を練り歩く。パレードといっても指揮されるわ
けでなく勝手に見られ、見せて歩くだけ。写真を1枚しか掲載できな
いのは本当に残念!大きなパンにいろいろなものをつきたて頭の上
に乗せリボンで飾る人、台所のストレーナーの穴に孔雀の羽を差込
み被っている人。陽気なアメリカ人はこのときとばかりとアイデアを生
かす。洋服もちゃんと帽子に合わせてファッショナブル。
私は大のパレード好き。その中でも一番好きなパレード。最初に見
た1965年のパレードには松島とも子ちゃんが振袖姿で注目されて
いた。ここ数年は毎年日本から参加しているイグアナおじさんがいる。
ペットのイグアナを抱え、イグアナの帽子を被り写真を撮ると「5ドル」
をとる。「今日は写真を撮ってもお金をとる人いないわよ」というと「日
本から来ているので金がかかっている!」と答えた。
時代は本当に変わってしまった。


「ニューヨーク市のキャッチフレーズ」

2005-03-22 15:13:38 | ニューヨーク暮らしの日々
ニューヨークのアイコンはりんご。


ニューヨーク市のオフイシャルスローガンとしてトレードマークを
"The World's Second Home"世界の2番目の家(第2の故郷の意
味)として使用されるかも知れない。しかし多くのニューヨーカーは
満足せずもっと良い案を探している。市が集めたところキャッチフレ
ーズがたくさん集まった。日本で定着した銀座中の銀座、"ザ・ギン
ザ"と同じく"The Place""The Center", 何が起こるか始まりはニュ
ーヨーク"What's Next Starts Here", 21世紀はニューヨーク"New
York 21 Century", 世界中の注目を集めるアップル"The Apple 
Of the World's Eye", 世界の窓"The world's Window", 素晴らしい
街"Wonderful Town", ナッキング・コールの忘れがたい歌の発音を
じって"Unfuhgettable", ここ以外考えられない街"Where Else?", 
見続ける夢の町"Dream On", 何が起こるかわからない街"If It
Happens Anywhere It Happens Here", 静かには生きれない街
"Where Life Is a Verb",死ぬまで離れられない街"New York:It's
Die For" などがニューヨークタイムスにでていた。しかし他のニュー
ヨーカーの声は「うーん!もっと奇想天外はないものか」とまだ不満
である。今をときめくコミュニケイションのタイムワーナーにテレビに
問題が起こり電話をするとレコーディングで「タイムワーナーならでは
です!」"Time Warner the Place To Be"とリズムに乗った弾んだ返
事。しかし、レコーディングが続くだけ。質問したい人間は出てこない。
コミュニケイションどころでないのでキャッチフレーズにもニューヨーカー
はクールである。

「日米創作力の違い」

2005-03-17 12:10:10 | ニューヨーク暮らしの日々
暮らしの文化:"ラグ・デイで感じたこと"


3月12日、ニューヨークアメリカンフォークアート美術館(53丁目モダ
ンアート美術館の隣り)でラグ・デイが開催されました。キルトブーム
が起きる前はキルト・デイという特別の日を作ってキルトを推進する日
がアメリカ中で開催されていました。キルトと同じ様にアメリカを代表
するラグは一足遅れて今、注目されています。この日私はフォークア
ート美術館で「ラグで作る小さなショルダーバッグの作り方」を教えま
した。すぐ一斉に作り始め楽しそうにそれぞれが違うものを作っていま
す。

自分らしさを表現することがなによりも大切なことだと小さいときから教
育されているのでアメリカでは当たり前のことなのです。皆同じ様にや
ることをパンケーキみたいだといい、没個性、面白みがないことをクッ
キーカッターのようだといいます。人まねはコピーキャットといって軽蔑
されます。誰でもすぐ巧くなりますから「巧い!」とほめながら教えます。

他人と比較したがらない発想はなかなかなものです。しかし泣けてくる
ほど下手な人もいます。先生は個人を尊重して、そこで手を出してはい
けないのです。自分で自分を知ることを教えるためです。日本で教える
場合、日本人は下手くそは恥、巧く作りたい願望があり、(何事も巧い
事が評価されて育っているので視覚的レベルが高い)ほかの人と比較
しながら慎重に始めます。特にサンプルと同じように作るのを得意とし
ます。上手で個性がないのと、へたくそでも面白いものとの比較は評
価する人の判断ですが、ここに比較文化の重要な問題提起があるよ
うに思われます。

「国民性」

2005-03-08 00:39:15 | ニューヨーク暮らしの日々

暮らしのスタイル”国民性の違い”
アメリカの友人からEメールが来た。
コンピューターはうるさいという人も多い。しかしこれからの時代は何
が面白いか”自分で選択する時代”。瞬時に皆と分かち合えるのもす
ごい時代だと思う。メールには

2頭の牛をどうするか、国民性を風刺した愉快な分析である。

アメリカン企業スタイル
1頭を売り飛ばし、1頭を自分で所有し、生産局に再申請する。
2頭を4頭分のミルクを生産するように改良する。1頭の牛の突然死
亡に驚く。専門家の分析により、生産を縮小し支出を少なくすると広
報する。

ジャパニーズ企業スタイル
普通の牛のサイズの10分の1のサイズにデザインをしなおす。その
牛は20倍のミルクを生産し、驚異的混雑の車両で移動することを学
ぶ。殆どの牛は牛学校のトップクラスである。

イタリアンス企業タイル
2頭の牛はどこにいるのか分からない。ぶらぶら歩いていると、いか
す女性がいる。昼休みとする。人生は楽しい。

ロシアン企業スタイル
ウオッカを飲んで数えると5頭いる。更にウオッカを飲む。もう一度数
えてみると42頭いる。マフイアが現れ、牛を取り上げたけれども、な
ぜかたくさんの牛がいる。

ステレオタイプの国民性を的確にとらえていて痛快!


「The Gates」 (13)

2005-03-03 11:24:04 | ニューヨーク暮らしの日々

クリスト:セントラルパークのアートワーク(13
 26年間の準備期間を経て実現した16日間のゲートのパーフォーマン
スが終わった。
 59丁目のコロンバスサークルのそばでジャンヌ クロードが取り巻か
れ,みなが写真を撮っている。
「なぜ私の写真をとるの?最後の日だからゲートの下を歩いて楽しん
でくださいよ」と
両手で群集を追いはらっている。
 最後の週末は40年以上パークの近くに住んでいる私の見た最大の
人出だったと思う。2週間は季節外れの温かい日もあり、雪の日、雨
の日、曇りなど典型的ニューヨークの天気であった。
 冷たくて冴えきった青空、人参色のゲートの下をパークの北、ハーレ
ムの端まで歩いた。葉を落とした樹木の間にたなびくゲートは光の方
角でいろいろの濃淡に変わる。
 風が吹くとゲートのカーテンがたなびき、パークの起伏で景色が変貌
するのが楽しい。歩いている人の50%は外国から来た人々。聞いた
こともない言葉が聞こえてくる。

 特に最後の週末ぞろぞろと歩く野次馬的群衆は感動的ではなかった。
7,500のゲート、23マイル殆どを歩いてみて感じたことは150年前にデ
ザインされたパークデザインの美しさ、葉を落とした樹木の美しさ、そ
のバックに見えるビルディングの美しさ、そのすべてが人工で作られ
た事に改めて感動させられたことであった。 5,290トンのスチールはリ
サイクルのため溶解される。柱に使用されたアルミニュームはソーダ
缶に、布地はカーペットの下敷きに再製される。
”最後の日、寂しくはないか?”の問いに
”次のことを考えています”と答えている。