帽子は外出時の必需品であり、被っている帽子を取ることはレディ
らしからぬばかりか、ある種のサインでさえあった時代は既に夢の
夢。頭のよくない女性を「帽子のスタンド」という表現もあまり使わな
くなった。60年代の終わり女性たちは帽子を捨ててしまったが、フ
ァッションラインと関係なしに帽子はいつでも女性たちのほのかな夢。
帽子を買うことはファッションの仕上げ,装いのピリオドでもあった。
今日はイースター。帽子の夢を実現する日。皆アイデアを生かして
好きな帽子を被り5番街を練り歩く。パレードといっても指揮されるわ
けでなく勝手に見られ、見せて歩くだけ。写真を1枚しか掲載できな
いのは本当に残念!大きなパンにいろいろなものをつきたて頭の上
に乗せリボンで飾る人、台所のストレーナーの穴に孔雀の羽を差込
み被っている人。陽気なアメリカ人はこのときとばかりとアイデアを生
かす。洋服もちゃんと帽子に合わせてファッショナブル。
私は大のパレード好き。その中でも一番好きなパレード。最初に見
た1965年のパレードには松島とも子ちゃんが振袖姿で注目されて
いた。ここ数年は毎年日本から参加しているイグアナおじさんがいる。
ペットのイグアナを抱え、イグアナの帽子を被り写真を撮ると「5ドル」
をとる。「今日は写真を撮ってもお金をとる人いないわよ」というと「日
本から来ているので金がかかっている!」と答えた。
時代は本当に変わってしまった。