昨日ソーホーにイタリアのタイルモザイクの店がオープンした。
鉄製ビルが立ち並ぶかっこいいビルのコーナー。
どうしてイタリアンはプロモーションがこうも巧いのだろうか。透明ガラ
スの人体がモザイクでカバーされている。地下、1階、2階と3階に
わたるイタリアンモザイクの手つくりからコマーシャルまで、商品展示
がまるで美術館のようだ。見て歩くだけで楽しい。
「誰がこのような手造りモザイクをつくるのですか?」と聞くと「イタリー
南部でより抜きの職人を抱え、すべて特注で承っています」とのこと。
またフロアのモザイクは大量生産ですぐ要望に答えられるとのこと。
世界を征服したローマンのアイデアが伝統になっているのだろうか。
リビングのメジャー パートでないところ、台所とかトイレバスルーム、
サンルームなどに贅を尽くす暮らしのスケールがまったく違う。「この
お店は誰のアイデア?」と聞くと「社長のアイデアです」とのこと。
「凄い社長ね。彼のためなら何でもするとつたえておいて!」というと
「必ずつたえます!」といって彼女は真っ赤になって笑った。
高邁な精神と腐ったりんご
ニューヨークのストリートはビルディングのオーナーの責任でビルの前
を清掃することになっている。しかし、誰かがごみを落とすと連鎖反応
でもっときたなくなるのはニューヨークの腐ったりんごの一面だ。
アパーウエストの中心、ブロードウエイ72丁目の地下鉄駅前、ベル
ディ スクエアの回りは春から秋まで咲く美しい薔薇ガ植えられ、いつも
ベンチには人が集まっている。ホームレスや麻薬患者、身体障害者に
仕事を与え、ニューヨークの清掃に当たっているグループが時々掃除を
している。咲き終わった茶色の薔薇の花ガ痛々しいので 「もし必要だっ
たらボランティアで咲き終わった花を切ってあげますが・・」と話しかける
と 「私の管轄でないので彼に言って!」 と指差した彼に同じこというと
「僕らの管轄でなくこれは市のパーク管轄で、自然博物館にデパートが
あるのでそこにいって許可を取ってくれ!」 とのこと。いかにもニューヨ
ークらしい答えだ。りんごが腐りだす理由が潜んでいる。
スクエアのコーナーには「The Doe Fimd,Inc」 "Ready Willing & Able"
と彼らの組織をプロモートしている (www.doe.org) ガーベッジ缶が置
かれてある。この組織の指針は 「人間は誰でも生産的で社会に還元
できる可能性を持っている」 と人間の尊厳を失った人達の再生を支援
する市民団体で、市民と企業の寄付で運営し、既に2千人の人達が自
立していった。意志のある人には、すぐトレーニングが始まり仕事に就
けるグッドウイル システムである。
反対側の角に置かれたガーベッジ缶には ーNo Household Trush,
No Business Trush. $100 FINEー 家庭から出るごみや仕事ででるご
みを缶の中に捨てると罰金100ドルと書かれてある。このガ-ベッジに
は食べかすごみやコーヒーカップは命中せず、回りはカラスがつついた
ように散らかっている。 犬の後始末をしなければ罰金$1.000。ごみは
100ドルで無視されている。どこかがおかしい! 猛暑のニューヨーク。
りんごが腐る理由が山ほどあり、疫病が蔓延しなければと願うニュー
ヨークの一面である。
髪型に注目!
街角でアフリカンアメリカンのヘアースタイルを見るとい
つも感心する。完成するには4時間はかかり、2ヶ月はそ
のままのスタイルで洗髪するそうだ。
カルロス ナラァレッテ(Carlos Nararrete)ハーヴァー
ド大学のリサーチ心理学者の研究によると彼たちの文化や
個人証明は髪型と肉体的キャラクターを誇示することが大
きく、美しい髪型の持つ意味、どのようなスタイルで民族
を表明するか、どのぐらい見る人を印象づけ、影響を与え
ることが出来るか、其のレベルに興味を持つなど、大きな
自己表現の表明になっているという。
そういえばかつての日本の髪型は職業、年齢、結婚、独身等、自分
の選択ではない社会的位置づけの表明であった。
無念!なんちゃったって日本食!
と宣伝しない日本
現在の寿司ブーム、テレビの「料理の鉄人」ばかりでなく、早くは
ヌーベル クイジーンもしかり、日本の食文化が世界に及ぼした影響
力は絶大である。世界中健康食への関心が高まり、日本が長寿国
であることも寿司ブームに追い討ちをかけた。日本語の出来ない寿
司職人が多くなり、いまや国籍不明のインターナショナルフードとな
った。
これ日本製!とのろしを上げず、アイデアだけとられている日本が
歯がゆい。島国の日本人は他民族と競争することをスポーツ以外で
は、血の中にも骨の髄にも沁みていないのは残念なことだ。
世界ファンシー フードショーは唯一最大のトレードショーで、ブース
は完売。今年で52回目。世界71カ国が参加した。80年の中頃から
毎年見ているが今年こそは日本の参加もあり楽しみにしていたところ、
お菓子と桜のお茶を売るブースだけ。お湯をさせばパット咲くさくらの
花はカクテルに入れてもいいし、素敵なアイテムだと思う。しかし、コ
ンセプトが明快でないと必要性のないものになる。エレガンスを売り
込むには異文化のライフスタイルに切り込む必要がある。
私は90年代の初めディーン&ディルーカスで海苔、わかめ蟹かま
のアメリカ向けプローモーションをやった。「農林水産省」から電通
経由の仕事であったが、マーケッティングのフォローがまったくなく、
お披露目広告だけに終わったのは残念至極であった。
(www.ny-apple.com
ライフスタイル食のコラムー日本食品、世界への影響ー「わかめと
アメリカ人」参照)大きく広告さえすれば成功と思うのは大間違い。
インターナショナルマーケッテングがすこぶる下手だ。あれから15年
を経た今もあまり変わっていない。
前から感心していたのはイタリア。展示参加ブースは270。イタリ
アの商工会議所がプロモートしている。いつも一番良いところに居座
り、イタリアの宣伝は格別だ。他にトスカーナの商工会議所も別に出
ている。 イタリア人のプレスに、どうしてこうも巧いのかと聞くと「イタリ
アですもの!」と気取った答えが帰ってきた。日本は世界に影響を及
ぼす宝をを持っているのにと全く悔しい! マーケティングはマフイア
コネクションかもしれないと僻みもでる。
日本の消費者はおとなしく、輸入品に不当高額を支払っているのに
驚く。私はある日本のメジャー食品会社に日本市価の8分の1ぐらい
で買えるグルメ輸入食品を紹介したことがある。日本のシステムは仲
買人が何人も通過し、雪だるまのように高くなっていく。相互扶助的
中世のシステムがいまだに生きていることと、電話一本で注文できる
システムに甘えているサラリーマンにはリスクをとる人がいないこと
も理由の一つだ。ちなみに食料品に限らず日本の販売権利を取って
いる日本人は関西、九州人が多い。
更に今年からヨーロッパ25カ国参加したEUグルメが参加した。
開催中、教育的プログラムやセミナー、「将来への新しい味」、「世界
へ向けての新しい食品トレンド」、「価格戦略の決め方」 「ビジネス
の売り込み方」等、専門家による有意義なプログラムのレクチャーも
用意されている。
www.fancyfoodshows.com
www.specialtyfood.com
www.ice.gov.it/eatero2/usa/
www.italtrade.com
ニューヨーク、一休みしたいところにはベンチがある。
"ああ美しい眺め!” と思うとき、または疲れて座りたいと思うとき、
いたるところにベンチや椅子があるのはニューヨークのありがたいと
ころ。街中に座れるオアシス的パブリックスペースもある。日本の喫
茶店で一休みする感覚と似ている。どこかに座って静止した時間を
過ごしてみると何かの発見があると思う。友人と一緒に・・・出来たら
一人で・・・
アメリカの誕生日
1776年民主主義を掲げてイギリスより独立、今日はアメリカが誕生
してから229歳の誕生日。生まれた国がそれぞれ違う多民族国家は、
考え方もみな違う。すべての人間は自由で平等であるとの理想を持
ち、それぞれが、それぞれのアメリカンドリームを持つ。ハッピー
バースデイ アメリカ!
平和を心から祈って ニューヨークより、